政治家の顔

東京に出てきて13年になった。六本木ヒルズが開業した年だ。
当時は石原が知事で改選の選挙があったが、自分は転入してすぐなので、投票権が無かった。
なんでこんなチック症のヒステリーを知事に選ぶ東京都民に反発を覚えた。
次が猪瀬だが、これもあまり好きではなかった。
その次の舛添は、これはダメだと思った。品性下劣な性格が顔ににじみ出ている。
こんな奴らしか、候補はいないのかとがっかりした。
消去法で選ばれたのだろうけど、今回の問題は人望のなさが仇になったのだろうな。
舛添は後ろ暗い金を手にせず、というか、人望が無いから献金もなかったのだろう。
だから、せこい金の使い方をしたのだと思う。
同情はしないし、とっとと辞めるべきだ。
それより、追及すべきは甘利だろ。あの頭の長い政治家は胡散臭い。
マスコミはもっと挑発してもらいたい。

繚乱

作者:黒川博行|角川文庫
文庫本裏書
ともに大阪府警を追われた、かつてのマル暴担コンビ、堀内と伊達。
競売専門の不動産会社に調査員として働く伊達は、ある日、出張で訪れた東京で、かつての相棒でいまは無職の堀内を同業に誘い、二人は大阪に戻る。
調査物件は敷地900坪の巨大パチンコ店「ニューパルテノン」。
だが調べるほどに、裏で極道や半堅気、警察OBらが寄ってたかって食いものにしている実態が浮かぶ。
「パルテノンは金の生る木や」、気づいた二人は…。
策略と暴力がからみあい、腐れのスパイラルはノンストップで奈落に向かう。
名コンビ復活。ふたたび、大阪を縦横無尽に疾駆する。黒川警察小説の真骨頂。


前作で失職した堀内と伊達は、不動産の調査員となり、怪しげなパチンコ屋の調査をする。
金の匂いに敏感な二人だが、真実を知ろうとする姿勢は刑事時代から変わらない。
武闘派の伊達と頭脳派の堀内のコンビは、次第に真相に迫っていく。
悪い人間しか出てこないピカレスクロマン。こういう作品はあまりなく、面白かった。



ファイヤーボール

作者:原宏一|PHP文芸文庫
文庫本裏書
家族も顧みずに一心に働いてきた咲元は、突然の社内抗争に巻き込まれ、窓際部署に追いやられる。
家庭でも疎んじられ、妻から押し付けられて町内会の会合に出席することに。
そこでつい発した一言が波紋を呼び、町に「今より十倍盛り上がる祭り」を生み出さなければならない羽目になってしまうのだが……。
咲元は果たして祭りを実現できるのか。
バラバラだった家族はどうなるのか。
とびっきり熱い感動の長編小説。



スペインの火の玉ころがしを日本で実施しようとリストラ男が悪戦苦闘する物語。
巻き込まれ型ストーリーで、よくできている。
家族の再生も描いていて、面白かった。



ファイヤーボール (PHP文芸文庫)

ファイヤーボール (PHP文芸文庫)

正義をふりかざす君へ

作者:真保裕一|徳間文庫
文庫本裏書
地元紙の記者だった不破勝彦は、神永美里と結婚し、義父の仕事を助けるべくホテル業へ転身する。
が、やがてホテルは不祥事を起こし義父は失脚、妻との不和も重なり、彼は故郷から逃げ出した。
七年後―彼は帰りたくない故郷へと戻る。
元妻の不倫相手を救うために。
問題を起こしたホテルを、正義の名のもとに攻撃した新聞社。
そのトップに就任したのは、高校の先輩である大瀧丈一郎だった。
ホテルは彼の傘下に吸収され、不破を恨む者たちが次々と現れる。
そして、ついに魔の手が彼を襲う―!
「正義」の意味を問い直す、渾身の長篇ミステリー!!



伏線は面白いし、スリルはあるのだけど、読み終えるとそんなに面白くない。
これがこの作家の印象。本作もそうだ。
ホワイトアウト」や「奪取」は面白かったが、その後はパッとしない。
それなりのクオリティはあるので、時間つぶしにはなる。
他になければ読んでみようという作家のひとり。



侠飯(おとこめし)1・2

作者:福澤徹三|文春文庫
文庫本裏書

就職活動に悩む大学生・若水良太は、ヤクザどうしの銃撃戦に巻きこまれ、組長の柳刃竜一が部屋に居座ってしまう。
居候の柳刃はお取寄せが趣味でキッチンを占領しては料理を作り、恐怖と美味に混乱する良太。
そこに同級生たちも加わって事態は予想外の方向へ!
まったく新しい任侠×グルメの異色料理小説。文庫書き下ろし作品。



真鍋順平、28歳、独身、情報サービス企業勤務。
突然の“追い出し部屋”への配置転換にうろたえる順平は、ある日、ランチワゴンで実に旨い昼飯に出会う。
店主は、頬に傷を持つ、どう見てもカタギではない男、柳刃―。
任侠×グルメという新ジャンルを切り拓き、大好評を博したシリーズ第2弾、登場!文庫書き下ろし作品。



ホラー作家であり、巻き込まれ型のサスペンスが得意な作家が描いたグルメ小説。
軽く読めて、料理のうんちくも分かりやすい。
スパイスについては一部普通のスーパーでは手に入らないモノがあるかもしれない。
それでも、美味しそうな料理と、柳刃とかかわる人たちのストーリーは面白い。
実は柳刃はヤクザではないのだけれど、話のまとめ方が上手い。続編を期待。


侠飯 (文春文庫)

侠飯 (文春文庫)

同期

作者:今野敏講談社文庫
文庫本裏書
警視庁捜査一課の宇田川は現場で発砲されるが、突然現れた公安所属の同期の蘇我に救われる。
数日後、蘇我は懲戒免職となり消息不明に。
宇田川は真相を探るが、調べるにつれ謎は深まる。
“同期”は一体何者なのか?組織の壁に抗い、友を救おうとする刑事の闘いの行方は!?
今野敏警察小説の最高峰がここにある。


この作家の本は何故か読むことが無かった。
何となく面白くなさそうだと決めつけていた。
だが、最近はそそられるものが無かったので、読んでみた。
これがそれなりに面白かった。
捜査一課と公安と別れた同期の友情と、捜査一課の先輩刑事の面倒見の良さ。
人間関係の造詣もよく、ストーリーも面白かった。
食わず嫌いではなく、読まず嫌いだった。
ただ、少し刺激が足りないような気もした。