美しき凶器

美しき凶器 (光文社文庫)

美しき凶器 (光文社文庫)

すごーく面白いだとか逆にめちゃくちゃつまらないだとかだと感想って書きやすいんだけど、この本は読み終わっても何にもなかったです。だから何?って言うか。他にもスポーツを扱った小説書いてるしエッセイでも書いてるし東野圭吾ってスポーツ好きなんだなあというぐらいしか思い浮かばない。思いきってジャパニーズホラーで映画化したら面白いのかもしれませんが。サスペンス小説だからといって2時間サスペンスドラマにしちゃうとすごく安っぽくなりそう。

仏果を得ず

仏果を得ず

仏果を得ず

文楽小説。箱根駅伝を描いた『風が強く吹いている』を読んだときにも思ったけど、こういう他の人はなかなか手をつけないが自分は大好きだっていう題材を料理してエンタメ小説にするのがうまいなあと思いました。あふれる愛を昇華して物語するのが得意なんですよね。読んでて不快になるような人物も出てこないし、読みやすい1冊だったと思います。

彼女のしあわせ

彼女のしあわせ

彼女のしあわせ

3姉妹とその母を描いた連作短編集。長女はマンションを購入し独身生活を突き進み、次女は慣れない町での育児に悩み、三女は不妊を抱え、母は自分の人生について考えていた。基本的に話そのものや文章はじめっとした湿気を持っています。が、最後はからっとした結末を迎えるので読んでて割とすーっとします。日テレ水10ドラマでやるのにちょうどいいような感じの雰囲気の話。女性の女性による女性のための話というか。
誰の視点で物事を見るかによって同じ事でも全然違って見えるというのも、飽きさせずに読ませる一因だと思うし、私は好みの話でした。どの話も読んでる途中は苦しかったりするけれど、最後はいい読後感を持てるのでちょっと疲れたときなんかにもいいんじゃないかなあと思います。