白馬山荘殺人事件

白馬山荘殺人事件 (光文社文庫)

白馬山荘殺人事件 (光文社文庫)

今や出す本出す本どんどか売れてる東野圭吾だけども、決してそうじゃなかった時代もあったのよねえなどと遠い目をしそうになりました。若いなあ。密室+クローズドサークルマザーグースを使った謎解きなんてコンボはミステリ作家さんならば誰もが一度はやりたいことなのかなあとぼんやり思いました。なんていうか、ザッツミステリ小説って感じだしね。

サムシングブルー

サムシングブルー

サムシングブルー

恋人と別れた日に高校時代の元彼と親友の結婚式の招待状をもらった女性の話。私は飛鳥井作品を色々読んできたけど、こんなどシリアスのは初めてでちょっとビックリ。ドシリアスなというか作品全体に流れる空気がじめじめして重苦しいといったほうが正解かも。もちろん最後はいい読後感で終われるんだけど、ちょっと違ったことにチャレンジしたかったのかなあと思いました。
主人公は28歳。これぐらいの年になると、いくら学生時代の友達であろうとも皆状況が違うんですよね。だから付き合いの仕方も変わってくるし、周りと比べて自分はどうなんだろうって言うのも当然あるし。勢いだけで突っ走れた十代の頃とは違うしね。そこら辺の難しさ・大変さなんかも読んでて感じました。でもそれと同時に、自分だけが辛いわけじゃないよって言うのも思うのです。終盤になって主人公から見た高校時代の友達たちが反転していく様子はなるほどなあと。別に彼らに何か劇的な変化があったわけじゃない。ただ、彼らを見ている主人公に変化があったからそう見えただけ。物事の裏と表は案外似ているのかもしれないですね。