悪の教典

悪の教典 上

悪の教典 上

悪の教典 下

悪の教典 下

やっぱり貴志祐介はうまいなあと思いました。ジワリジワリと読者を本の世界に誘い、ぐぐっと掴んでジェットコースターのようにぐんぐん振り回して一気に最後まで読ませちゃう手腕はさすが。このリーダビリティの高さはさすがエンタメ小説って感じ。貴志祐介の本領発揮です。物語の閉じ方としては想定の範囲内ではあったものの、この話の結末はこれがベストだと思うし文句はないです。面白い本でした。読む前は長いし時間かかるかなあと思ってたのにいざ読みだしたら2日で読めちゃったもの。
映画化という事でどこまでやれるのかが気になるところ。こういったお話を選んだんだもの、描き切らないのならば意味ないと思うのでとことん暴れて欲しいです。ドラマ化とは違い、映画のほうのが色々と自由きくんだしね。

東野圭吾ミステリーズ

私これ原作読んでるけど、原作から受ける印象とドラマになった印象って違うものですね。そんなに大きく改変したわけじゃないのにね*1。なんていうか、飛行機で出会った夫婦が原作以上にすごく都合がよい存在に思えたんですよねえ。何、彼らは妖精さんなの?って。うーん、短編だったせいか原作だとそこまでは気にならなかったんですけどねえ。やはり、小説の文法とドラマの文法は違うようです。それ故に、原作通りにやることが全て正解かというとそんなことないのでしょうね。映像化に当たってアレンジする必要性について思いをはせました。

*1:新婚旅行先が沖縄ではなくハワイだかグアムだかだったくらい。まあ、1話や最終話でもないのに海外ロケなんていけるわけないという現実的ロケハンがされたのだとエスパー