chocolate melts with music

行ったライブメモ

白髪鬼LIVE

大槻ケンヂ筋肉少女帯/特撮)&和嶋慎治(人間椅子
ギター歴3年のオーケンと、いわずと知れた人間椅子のギタリストで最近ソロ弾き語りも始めたという和嶋さんのアコースティックデュオ(?)の初ライブ。これまでには、のほほん学校で一緒にやったりしていたのかな?このユニットを組むという話は少し前から出ていて、ついに実現!という感じです。
最初にオーケンが一人で出てきて「白髪その1です」(笑)「その2も後から登場しますからね〜」
構成としては、まずそれぞれソロで3曲ずつ(と言っても和嶋さんの方がだいぶん長い)、それから二人G&Voで主にオーケンの持ち歌、そのあと和嶋さんのギターで二人が歌って数曲。合間にMCいっぱい挟みながら。アンコールではエレキギターオーケンのノイズバージョン「死んでいく牛はモー」にわじーが絡む。最後にまた二人で「香菜、頭をよくしてあげよう」でした。
オーケンのギターはまだちょっと頼りないところもあるんだけど、わじーが入るとぐっと引き締まるし、二人のコーラスも良かった。蜘蛛の糸とか、人間失格とか。あとわじーのポエトリーリーディング(断言はダダイスト)も面白かった。
トークもすんごい楽しかった。和嶋さん面白すぎる!
これ一回きりじゃなく東名阪くらいやりましょう、と言っていたので今後にも期待です。

  1. 人として軸がぶれている
  • よろこびとカラスミ
  • テレパシー
  • 孤立無援の思想
  • 断言はタダイスト(ポエトリーリーディング
  • 胡蝶蘭
  • あのさぁ
  • オンリーユー
  • 氷の世界
  • 蜘蛛の糸
  • 日本印度化計画
  • 踊るダメ人間
  • 揉み毬
  • 人間失格
  • フランシーヌの場合
  • マリアンヌ
  • (en)死んでいく牛はモー(ノイズ)
  • (en)香菜、頭をよくしてあげよう


以下、MCなど長々書いてみます。
オーケン最初の軸ぶれ、2番の途中でキーがわからなくなって「わかんなくなった!もう一回!」と宣言してやり直し、その箇所に来たら「わかった!」って叫んでから歌って、でもその後また「間違えちゃった!」と、かわいさを押し出してました(笑)。ナッキー曲は難しいんでしたっけね。でもあとの二曲はしっかりして、歌もすごく良かった。よろこびとカラスミは池の上陽水さんの曲、そして特撮のテレパシーとしっとり系を続けて。
「ではここで白髪2号をお呼びしましょう〜」とわじーを呼ぶ。オーケン衣装は赤の筋少マタンゴTシャツの上に黒スーツだったんだけど、呼ばれて出てきたわじーのスーツ姿がすごい出オチ感でどよめく(笑)鮮やかなブルーのスーツで、中には黒いシャツと黒に白の水玉のネクタイだったのかな。スーツ姿初めて見たっていうのと、スーツの形が襟の合わせの位置が高めの三つボタンかなんかで、で、何よりも色が鮮やかすぎてね、なんか笑ってしまった。オーケンが「スパニッシュギターのすごい達人みたいな、メキシカンのレストランとかで頼んでもないのにテーブルの所へ来て演奏する人みたいだよ」とか言ってた。言われてオーケンのギターとってちょっとジャカジャカってスパニッシュ風に弾いてみせるわじーさすが。最初からテンション高いな!と思った(笑)
和嶋さんのソロコーナー、最初からいっぱいしゃべりそうになってたけど「そうだ1号はすぐ曲に行ったんだった」と持ち時間を気にして曲へ。人間椅子の孤立無援の思想アコースティックバージョン。終わってから「アコースティックにするとテンポが遅くなって1曲がすごく長くなるんですね」って言ってた(笑)でも長さを感じさせない、というか長くてもじっくり聴かせてしまうだけ、ギターにも歌にも技量があるんですよね。
2曲目には、詩の朗読に自分でギター伴奏もつける「一人ポエトリーリーディング」で高橋新吉の『断言はダダイスト』。朗読だけで何回か披露したことがあるそうで、しかし間違えていたところがあり…『心太がラブレターを書いた』のところを人の名前と思って「しんた」と読んでいたそうで、それは「ところてん」だとファンの方からお手紙で指摘を受けたのだとか。「今日は『ところてんバージョン』でお聞きください!」(笑)いやしかし、これも素晴らしく面白かったです。現代アート的だった。終わってからまた「よく駅前でギター弾き語りをやっている若者がいますが、今の『断言はダダイスト』を駅前でやったら警察が来ます、病院に連れて行かれます」とか言ってたけど。
3曲目は「先日ののほほん学校で大槻くんにも是非やってくれと言われました、胡蝶蘭、熱唱します!」私は去年ののほ学で熱唱聴きました。また聴けて良かった。オーケンが戻ってきて「これは人間椅子のバンドでもやってるの?」とか「胡蝶蘭ってあれでしょ、キャバクラが新しくできたときとかに贈られてきて並んでるやつでしょ」とかって言って、わじーが「いやそれだとイメージが合わない…」とかって困ってた(笑)でも私も、胡蝶蘭は高級なイメージがあるなぁ…
ここでまたわじーの衣装の話になって。白髪鬼の衣装はスーツで合わせたということだったんだけど。練習のときには色違いのネルシャツにズボンも色違いの同じのだったとか。「いい感じだったのに」とわじー、でもオーケンはそれではちょっと…と思ったらしくスーツにしようと言ったら、わじーはスーツ持ってなかったので、人間椅子ドラムのナカジマノブさんに借りて、これになったと。ノブさんの別のバンド、ドミンゴスの衣装らしいです。

二人での曲はまず「あのさぁ」、続けて「オンリーユー」とオーケンソロの曲。わじーソロの世界からまたがらっと変わって優しい歌からですね。二人ギター&ボーカルで、オーケン・わじー・オーケンと交互に歌ったり、コーラスでハモったり。わじーがオーケンの歌詞を歌うとまた新鮮でした。
2曲ごとにMC入る感じで。ここでわじーが曲作りのために山ごもりをした話が。人間椅子のアルバム制作中と言うことで、しかし家にいると寒くてストーブにあたるなどして甘えてしまい進まない。そこでキャンプに行こうと思い立ち、Amazonでマイナス30度にも対応するという寝袋としっかりしたテントを買い、しかしちょっと日和って場所は南房総にした。でも少しは暖かいかと思ったけど全然そんなことなく寒かったらしい。キャンプ場には他に誰もおらず、岬独り占め状態、キャンプ場の人にも「本当に泊まるんですか?」と言われ、若干帰りたくなりながらも2泊3日。しかし二日目は雨で、寒すぎて一日寝袋から出られず。それでも曲作りをやり、手がかじかむのでギターを指2本だけで弾ける曲を作ったんだとか。面白すぎる。さらにオーケンがそのときの写真を今度またのほほん学校で見せてよ、と言うと「そんなこともあろうかと写真は押さえてあります!」だって(笑)しまいに「わじーののほほん学校やればいいよ」と言われていた。まだまだ話し足りなそうだったし、本当にやったらいくらでもしゃべりそうね。行きたいな。
ちなみに作っている歌の内容は、冷戦時代のソ連が打ち上げたロケットが実は有人で衛星になっちゃったやつがあるというムーみたいな話があって、その一人で太陽の周りを回っている宇宙飛行士の歌を作ろうと思ったとかなんとか。房総の岬で一人凍えるわじーが、一人で衛星になってしまった男の歌を作っている…ってすごいなw
そんなふうに自分を追い込んだほうが曲ができるというわじーに、オーケン井上陽水さんは奥さんの石川セリさんを口説くのに自宅に連れてきて「じゃあ一曲作っちゃう」と言ってその場で作ってみせたんだそうで*1、「やっぱりそのくらいじゃないとダメだ」みたいなこと。
で、陽水さんの名前が出たところで、わじーのキャンプは確かにこういう世界だったと、氷の世界へ。これ、わじーギターのキレがあって良かったな。ダークな感じも似合うし。
続けてもう一曲ダークな蜘蛛の糸。終わったところで「これいい歌ですよねぇ」とわじー。当時は勉強も運動もできなくてヤンキーでもない人のための歌がなかった、とオーケン。ヤンキーじゃなければ尾崎になっちゃうけど、そんな行動力もない、みたいな。そういう人たちのための歌。でも学研のCMソングになったんだよねとか。オーケンが「わじーも蜘蛛の糸的な人だったの?」と聞いていて、なんかとても同い年っぽい話をしていた。
気の弱い文系で音楽しかなくてバンドを始めたけど、ある時期にはバンド界隈にも本気で喧嘩抗争する怖い人たちがいたとか(それでアンジーの水戸さんが楽屋で小さくなってた話とか)、そこから北欧?かどこかの国のアンチキリスト教なバンドの中には本当に教会を焼いたり、敵のバンド(っていう概念がおかしいけど)の人を銃で撃ってそのときの写真をジャケ写にしたりしたのがあるんだって、という話になったり。
その後、明日は東京マラソンだという話が出たときに、わじーが中学生の頃に運動はダメだけど長距離だけはできて、駅伝の選手になれそうだったんだけど先生に「おまえはいい」といわれたと。たぶん勉強の成績が良かったからおまえは受験勉強やれということだったんじゃないか、という話をしたら、オーケンが「全然“蜘蛛の糸”感ないじゃないかー!敵だ!銃で撃つぞ!」(笑)

印度のときオーケンが最近、コール&レスポンスと見せかけて「日本を印度に、してしまえー!」って一人で全部言っちゃうのがツボってるとか(FOKのときにやってたw)それをピラメキーノで覚えた子供達にやってみたいとか言ってた。で、「今日は皆さんで言ってくださいね」って言うんだけど、なんかちょっと身構えちゃって一瞬言い遅れたりしたよね(笑)
続いてダメ人間、わじーもいるからちゃんとフルコーラスだった!歌詞も正しかった!アコースティックのダメ人間をフルで聴いたの初めてじゃないかな、オーケンはいつも「長いからはしょります!」ってすぐ飛ばしちゃうし。そして筋少だとたいてい歌詞間違えてる(笑)

あともうとりとめない感じの話で、つながりとかわかんないけど、適当に書くと。
白髪鬼は白髪二人だけど、もっと増やそう、誰かいないかなーとか。美容院(とわじーが言って、床屋じゃないんだ?とつっこまれていたけど、そんなにすごくない美容院らしい)でやたらと染めませんかと勧められるのが青とか紫とかで、白髪に映えるんだって、とわじー。白髪鬼で東名阪ツアーやって、名古屋辺りで二人で一緒に美容院行って紫に染めようとか。
オーケンがメガネをしてきていたのでその話題。最近作ったばかりだそうで、でも初心者にありがちな感じで早速踏んでちょっと歪んでしまったんだとか。で、メガネーズとかメガネ団だったらもうちょっと人数増やせるとかw
アラフィフは夕飯を食べると眠くなっちゃって後何も出来ないって話も。昔は夜が長かったのに、今はすぐ寝ちゃうから何も出来ないとか。「暴力的な睡魔」とわじーが言ったのをオーケンが気に入って、暴力睡魔ズを組もうとか(笑)
なんか途中でオーケンが「社会の窓が開いちゃったから直してくる」とかって袖に引っ込んだときがあって(ジッパーじゃなくてフックかボタンかだったらしい)、取り残されたわじーが「アドリブに弱くて…」と困っていた。
それでオーケンが戻ってきてから「あと2曲やったら…」って言ったら、「いや、あと一曲でしょ。今引っ込んだときにご飯食べちゃったの?睡魔きちゃった?」とわじーにつっこまれる。で、その1曲が揉み毬。これ、先日のFOKに続いて聴けて良かったなぁ。

それからオーケンが突然「俺はもうダメだ!もう弾けない!」とか芝居がかった感じで言い始め、わじーがちょっとびっくりして困った感じで「そ、そんなこと言うなよ」と入ったら、「いや、そういうのはいいです」(笑)一人でもうダメだーと言ってギターをはずし、「ここからはわじーのギターで歌うということでいいですか」と。そこでわじー「では、人間椅子の曲もやらせてください」ということで、二人で歌う人間失格!格好良かった!胸熱!
その次の「フランシーヌの場合」は、フランスのシャンソンか何かの訳したものだと思っていたら日本の歌だった、とオーケン。パリで本当にあったフランシーヌ・ルコントという女性の反戦抗議のための焼身自殺という事件を題材にした歌で。歌の間にオーケンがフランシーヌの事件の概略を語る台詞を入れたりしていた。わじーが朗読的なのをやったので、オーケンも語り系の弾き語りがもっとできるようになったらいいなと思ってたんだけど、ここでそういうのをちょっと聞けたので良かったなと思いました。
演奏の後も少し話してて、新谷のり子さんが歌ったこの歌が60万枚も売れたんだけど、でもこの題材は筋少人間椅子が歌うようなものだと、だから俺らもこれから60万枚売れるかもしれない!と。だけど新谷のり子さんはこの次に出したシングルが「さよならの総括」という歌で、あんまり売れなかったと。総括という単語がね…歌詞に使ったのはこれと、あともう一曲なんて言ったか忘れちゃったけど、それと特撮のアベルカインくらいだ、と言って、「やっぱり売れないか」(笑)
本編最後は、早川義夫さんの曲で、遠藤ミチロウさんなどもカバーしている、アングラの代表曲みたいな言い方してたかな、マリアンヌ。「2013年とは思えない選曲」とわじーが言ったりもしてた(笑)。ここでたぶんオーケンがミチロウさんの話をして。渋さ知らズの歌謡曲カバーアルバムが出ていろんな方がゲストボーカルをしているのだけど、その中で三上寛さんの「夢は夜ひらく」を歌っているボーカルがすごい迫力だなぁと思ってたら、間奏で「ヒョオォォーッ」ってあの声が入って、ミチロウさんだ!と分かったんだって。わじーもあの声が出たらわかるねと同意。何にでも対応できていいよね、とかって言ってた。ともあれ、二人によるマリアンヌもすごく良かったです。

アンコールで出てくるまでの間、二人でトイレの取り合いになったらしいです(笑)
アンコールはエレキを持って、オーケンがやっているノイズバージョンの「死んでいく牛はモー」に、わじーが絡む。ノイズセッションでわじーにヤケドさせたいというオーケン。わじーは「オーケンのノイズはすごく評価しているんですよ、でも僕が絡むのはねぇ、どうしてもフレーズにいってしまうので…」と言っていた。灰野敬二に間違えてクラプトンが絡んでしまった感じ、だって。始まってみるとけっこう良かった、気もするしでもやっぱりちょっと変だったような気もする(笑)
ラストはまた二人ギター&ボーカルの香菜で締め。

全体では3時間近かったのかな。トークの分量も多かったけど、歌も良かったし、とにかく楽しかった。また是非やって欲しいです。
なんか人間椅子も、オーケンもレコーディングがあるからしばらくは忙しいだろうけど、年の後半くらいには…というようなことをわじーがさらっと言っていました。オーケンのレコーディングは何かな?

*1:「ダンスはうまく踊れない」らしいですね、Wikipediaにも載ってますね