飢えた嫁 義理の父と!(監督:野上正義)★★★★★
桐島秋子の喘ぎ方は誰もができるのに誰もやらなかった感じがして素晴らしい。大好きな水原香菜恵も共演しているけれど、その魅力が霞んでしまうほどだった。野上正義が布団の中でオナニーしながら亡き妻を思い出すシーンでは、彼の恍惚の表情がスコット・ウォーカー『'til the Band Comes in』のジャケ写みたいになっていて良かった。

Til the Band Comes in

Til the Band Comes in

人妻の恥臭 ぬめる股ぐら(監督:山崎邦紀)★★★★
期待を裏切らない切実な作品だった。ラストのちょっとしたユーモアセンスも気に入った。彼の脚本・監督作品ははみ出し者に対する茶化しが無くて、愛がこもっているところが好き。
浅井千尋女子プロレスラー役。がっしりした体格なのでハイレグの衣装が似合う。彼女は昨年の『和服姉妹 愛液かきまわす』(浜野佐知監督作)で牧村耕次の顔に跨り四股を踏む、というとても強烈な演技をして肉体的魅力の片鱗を見せつけていたけれど、今回は池島ゆたかを締め上げたり叩いたりしていて、さらにその魅力が発揮されているのが嬉しい。吉行由実は最近のアンナ・ワロンカー似になっていた。大城かえでは北川絵美を彷彿とさせる美人。主演女優が美人だとそれだけで得した気分になる。

好色長襦袢 若妻の悶え(監督:深町章)★★★
戦後間もなくの日本を舞台にした話なんだけど、『人妻の恥臭』を観た後だとあの作品のその後の世界の話のようで、過去のはずなのに未来の話のように感じた。
熊谷孝文がデス・キャブ・フォー・キューティーのニコラス・ハーマーみたいな髪型にすると岡村靖幸のように見えるというのが分かったのも収穫だった。

ジェナ・フィッシャーが主役の『A Little Help』観たらディオン・ディムーチが本人役で出ていて驚き。確かロバート・ポラードは彼の作品好きなんだよね。ジェナが劇中で歌っていた「浮気なスー」が良かったのでこの曲が収録されているアルバムから聴いてみよう。映画はジェイコブ・ディランの楽曲も大フィーチャーされていたのでサントラも欲しい。