Optimist Manifesto.
オプティミズムとは、まったくもって「意志」の問題なのである。死や病を免れ得ない人間にとって、悲観主義こそ「自然」で「生来」なものなのであって、オプティミズムとはそれを超えていく意志のことなのである。「これから直面する難題を創造的に解決する」ためには、我々一人ひとりがオプティミズムという「意志」を持つことがどうしても必要不可欠なのだ、ということを、僕はいまも相変わらず言い続けたいのである。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070228
梅田望夫氏の『ウェブ進化論』を読んでまず感じたことは、「わざとこんな風に書いてるんだろうか」ということだ。
この著作が現実の客観的な記述であるとしたら、あまりにも人間の業のような部分や世の中のどうしようもなさが欠落していると思った。
集合知という考え方にも、とても違和感があった。
けれども、今回のエントリで自分の中で納得がいった。
『ウェブ進化論』は、いわばひとつの思想書なのだ、ということ。
オプティミズムによって貫かれたひとつのマニフェストなのだ、ということ。
このオプティミズムという言葉。
楽観論とか楽天主義とか訳されるけれども、梅田氏の用語法はこの種の理解とは異なる。
それは一つのismであり、価値判断だということ。
ゆえに、むしろ肯定主義とでも訳した方が、語彙の内実をたしかに伝えているように思う。
これから問われるべきは、オプティミズムそのものについてではなく、その意図せざる結果についてだろう。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
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