謎の漫画家・酒井七馬伝〜「新宝島」伝説の光と影

謎のマンガ家・酒井七馬伝―「新宝島」伝説の光と影

謎のマンガ家・酒井七馬伝―「新宝島」伝説の光と影

酒井七馬といえば副題にもあるが手塚治虫出世作新宝島」の共著者。そして僕には旭堂南湖さんが会で毎回やっている紙芝居「原子怪獣ガニラ」の作者佐久間五郎としても認識している。南湖さんのコメントも本書に収録されている。まぁ、ガニラのことを知っているのはかなり例外で一般的には「新宝島」。
しかも共著者の手塚治虫がその後漫画の神様にまでなってしまったのと対照的に、ほとんどその消息は今となっては聞かれず
中にはコーラだけで栄養をとり孤独死してしまったなどという噂まであったらしい。もちろんそんな噂は噂に過ぎず酒井氏も晩年まで手塚治虫とは別の形で漫画にずっと関わっていた。その仕事の内容は本書で明らかになっている。
ではなぜ忘れられた存在になってしまったのか。原因はいろいろ挙げられるだろうがその一つに東京一極集中とそれに伴う大阪の地位の低下があるのかなぁと思うと大阪出身者としてはとても哀しい。