創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(423)ジュリアン・ケーニグ氏[名誉の殿堂]入り(3)


【用法】「先月末---ほんとうにびっくりしました。----ボスがもう少しで私に劇薬(クビ)を呑んだら、と言うところだったんです。(−−−実際に米国で使われた通販用のこのヘッドラインには、きわめて強い反応があった。毎朝、始業前にこれにアクセスすることで許されました−−−(笑))


きょうのすごい収穫は、先日、資料庫に入って見つけた、クリエイティブ革命の起爆剤となった1里塚的な名品---ELALイスラエル航空の、ありものの海の写真を破った広告。『ライフ』誌からの切り抜き。56年以上前の現物。たぶん、日本に残されているのは、これ1枚きりとおもいます。最後尾に掲出しています。あなただけへの知的贈り物。他言無用。




<<ジュリアン・ケーニグ氏[名誉の殿堂]入り(1)


ジュリアン・ケーニグ氏[名誉の殿堂]入り(2)
創造性、野球、競馬がケーニグを[名誉の殿堂]へ駆け込ます(抄訳 3)
『アド・エイジ』誌 1966.4.18号


パパートのケーニグ評2「ケーニグ氏は人びとが話したり、聞いたり、感じたりする事に直ちに感応します。そしてあの君のすべての仕事は非のうちどころのない広告アイデアからスタートします。ケーニグ氏には説得する力があり、大げさな言葉を使わない、広告らしくない、真実味を帯びた広告を創ります。親しみ深いが個性的で、真実らしい、大言壮語しない文体を持っていて、広告業界のしきたりを露ほども尊敬しようとしない人です」


評3「PKLがプロクター&ギャンブルからサルヴォ Salvo のアカウントを手に入れたとき、ケーニグ氏はそれを受け取りに一人でそこへ飛び出して行きました。
ミーティングで氏は、クライアントの人たちに、これが氏にどういうことを意味するかを話しました。
その話というのは、ファニー・ブライス Fanny Brice が彼女の演技と演技の間をうめるために若いコメディアンを雇ったときのショー・ピジネスの話と結びつけたのです。
その喜劇俳優---レッド・スケルトンだったと記憶していますが---スケルトンがファニー・ブライスに言ったんですね。『あなたのようなスターと仕事ができるなんて、こりゃあ私の生涯で最高の感激ですよ。なんたるヘマをやっちまったんだろう』 そこでファニー・ブライスが口を開いて『フラップ(賭博)をやめなさい。そうすればもつとうままくなれるわよ』」


別の明察。「ケーニグ氏は本気でなんでも言ってしまいます。もし彼が来週アフリカへ行く、君もいっしょに行きたいか、と訊いたら、彼はあなたといっしょにアフリカへ行きたいということなのです。彼が『ビジネスをやりたくないか?』と言えば、彼はからかっているのではないのです。彼はあなたにパートナーになってほしいのです」


>>続く

ファベルジェの発売予告

  


ファベルジェの新しい化粧品は、2月までお手に入りません。それまではご自分でできるだけのことをなさってください。

同上


ファベルジェの新しい化粧品は、2月までお手に入りません。それまではご自分でできるだけのことをなさってください。


【chuukyuu注】〔ファベルジェ〕というブランド名には、欧米の女性には特別の夢がある。ユグノーとしてフランスからペテルスブルグまで逃れた宝飾師ファベルジェ家は、ロシヤ王室と貴族を顧客とし、革命とともに閉店。製品の一つである「ファベルジェの卵」はいまだにコレクション・アイテムです。


>>続く