創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(364)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるビートル・シリーズ(61)

3年前の1月13日に立ち上げた、データ・ベースもどきの装いをしたこのブログ---書き手側は1日も休まず、また、志のある方々の支援もいただけ、満41ヶ月目寸前の昨夜、ページ・ヴュー374,000を通過しました。
延べ人数159,400
ブームとはいえないほど小さな数字ですが、書き手としては、一種の感慨にひたっています。この勢い(ブーム)が終わらず、400,000の通過の瞬間を今秋には見られますように。




フォルクスワーゲン・ブームは終わったんでしょうか?


終わりました。
でもそれが続いている間は、うんざりしていました。
私たちが、すみずみまで気のきいたこの車を売り出すと、人びとは全くとるにたらない理由から、先を争って買い始めたのです。
単に、新車に一番乗りしたい---それだけのことで---ね。
イリノイ州のご婦人ときたら、彼女のちゃんとしたところへ行った先で脇におくとかわいいからというだけのことで---。
でも、こうした流行過敏症の方も、すぐにかぶと虫が値段のはる(1,574ドル)オモチャではなくて、買いやすい(1,574ドル)車なのだということに気づきました。
流行としては、この車は大失敗でした。
(最新流行品に乗ってパーティーに出かけて行っても、同じのが先に2台もきていれば、新しがり屋の面目まるつぶれ---ですものね)。
でも車としてみれば、VWは感動的ですよ。
とこかへ行かなければならない---となれば、連れていってくれます。たとえほかの車では無理なところへでも。そして目的地へ着けば、ほかの車では無理な場所へでも駐車できてしまいます。
一度かぶと虫のこういった利点が一般の人びとに浸透すると、史上最高のベストセラー・カーになりました。
かくしてVWブームは終わったのです。


C/W ボブ・レブンソン
A/D レン・シローイッツ

"The NEWYORKER" 1966.02.20

明日も、つづくかも。





Has the Volkswagen fad died out?


Yes.
But it was on unnerving experience while it lasted.
Because after we introduced our completely sensible car, people ran out and got it for completely frivolous reasons.
The first people bought VWs just so they could be the first people to have one.
And a lady in Illinois had one because it looked cute beside her "real" car.
However, the faddists soon found out that the bug wasn't on expensive ($1574) toy, but a cheap ($1574) car.
As a fad, the car was a flop:
(When you drive the latest fad to a party, and find 2 more fads there ahead of you, it catches you off your avant-garde.)
But as a car, the VW was impressive:
If you had to go someplace, it took you. Even when some cars wouldn't. And when you got there, you could park it. In places where other cars couldn't.
Once people took the bug's good points for granted, it became the bestselling car model in history.
And that's when the VW fad ended.


C/W Bob Levenson
A/D Len Siriwitz 

"The NEWYORKER" 1966.02.20

It will continue tomorrow.