2012-02-05
今日のゴーカイチェンジ(第18話)
「で、どうなの?」お宝ナビゲートロボット・ナビィは新入りに声をかけた。「やっていけそう?」
明け方まで続いた宴会は終わり、みんな沈没している。キャプテン・マーベラスはキャプテン・シートで酒瓶を抱え、ジョー・ギブケンは腹筋の途中のような器用な姿勢のまま眠っていた。ルカ・ミルフィーとアイム・ド・ファミーユはいつものようにソファーで寄り添い、ハカセことドン・ドッゴイヤーに至っては食卓の上で大の字になっていびきを掻いている。本日、正式に加入を認められた伊狩鎧は一人シラフで、黙々と後片付けを続けていた。
「うちの連中、人遣い荒いからね。覚悟しといた方がいいヨ」ナビィは目(のLED)をピカピカ光らせながら言った。笑っているようだ。
「はいっ!大丈夫ですっ!それより俺、とうとう憧れのスーパー戦隊の一員になれたのが嬉しくて嬉しくて……」鎧は相好を崩して言った。
「スーパー戦隊?うちは海賊よ、基本」
「え?ええ、そうなんですけどね」昼間と違いどこかシニカルな感じのナビィに、鎧は少しだけ違和感を覚えた。「でも、俺にとってゴーカイジャーは最高のヒーローですから!」
「ふーん」ナビィは心なしか少し冷ややかに言った。「知りたい、うちの連中のこと?」
「教えて頂けるんですか?ぜひっ!」鎧は身を乗り出した。
「じゃあ教えてあげるよ」ナビィは(また)目をピカピカさせた。
「お願いしますっ!」
ナビィはパタパタ飛んで鎧の肩の上に止まった。
「まずマーベラス。うちの船長ね。君が今日見たとおり、大飯喰らいで柄が悪い。宇宙で一番偉そうなヤツ」
「は、はあ……」
「まあ、強いんだけどね、実際。前の船長に拾われた時からオイラが面倒みてやってる」
「え、前の船長?」鎧には初耳だった。
「ま、追々わかるよ」ナビィはさらっと流した。「性格はちょっとテキトーすぎ」
「………」返す言葉がない。
「次はジョー・ギブケン。副長と言えば副長かな、こいつは」
「あ、ジョーさんは冷静でいかにもクールな感じですよね!」
「クールって言うか、口下手なんだよね。もしくはボキャブラリーが乏しい」
「え?ええ???」
「でも剣の腕はピカイチだよ。マジで強いよ。気をつけた方がいいヨ」
「な、何をですか……?」
「口より剣の方が速いからさ」また目がピカピカ。
鎧は笑顔を貼りつけたまま冷や汗を掻いた。「気をつけます……」
「それと、トレーニングフェチ。ここでは飯食ってるか寝てるかトレーニングやってる。ってか、飯食いながらトレーニングしてるか、トレーニングしながら寝てる」
鎧はチラッとジョーの方を見た。そういえばそんな感じだ。
「それからルカ・ミルフィー。もうね、こいつはある意味ひどいヨ」
「ひ、ひどいって???」
「まず料理できない、縫いものできない、掃除もキライ。女じゃないわけヨ」
「女じゃない……?」
「そう。見た目だけ。あと光りモノが好きなんだよネ、そのコは」
「光りモノって……?」
「宝石」ナビィはサイドテーブルの上にあるルカのジュエリーケースを差して言った。「見てみたら?」
鎧はそっとケースを開けた。名前もわからないが、とにかく大きな宝石がついた指環やネックレスやブレスレットが溢れんばかりに入っていた。
「うわぁ……これ、全部で幾らくらいするんですかねぇ……?」
「この星を丸ごと買うのは無理かもしんないけど、この国くらいは買えるかもね」
「ひぇ〜〜〜っ!」鎧は慌てて蓋を閉じた。
「金にウルサイからね、ルカは。それも頭に入れといて」
「ハイ……」
鎧はだんだん心配になってきた。本当にやっていけるのだろうか、ここで?
「アイム・ド・ファミーユはいいコだよ、概ね」鎧の内心の不安をよそにナビィは続けた。「一点を除いてね」
「何ですか、その一点って?」
「家事がからっきしダメ。ルカに輪をかけてダメ。もう信じられないくらいダメ」
「そういえばアイムさんはお嬢様っぽかったなあ」
「お嬢様なんてもんじゃないヨ。アイムはお姫様だったんだから」
「そうなんですか!道理で何か異質って言うか……上品ですよね、すごく!」鎧は目を輝かせた。
「うん。回りのヤツが尋常じゃなく下品だから余計にそう見えるよネ」
「いや、そんな」身も蓋もない。
「ホントに育ちがいいからちょっと、ってかかなりズレてるけど、ま、そこは許してやってヨ」ピカピカ。
「あのぉ……」鎧は恐る恐る訊ねた。「ドンさんは?」
「ドン?ああ、ハカセのことか。ドン・ドッゴイヤーね」ピカピカピカ。「こいつは見所があるよ!」
「そうですか!」初めて誉め言葉が出たので鎧はちょっと嬉しくなった。
「家事はカンペキ。メカニックとしても優秀だし、性格も几帳面なんだ」
「うんうん!」
「でもさー、致命的なことがあるんだよネ」
「致命的……ですか?」
「へタレなんだ。“超”がつくどころじゃないよ。“超ど”がつくへタレ。超どヘタレ!」ピカピカピカピカ。
その時、誰かが後ろからナビィの頭を吹っ飛ばした。
「イターッ!」
「トリ!いい加減にしろよ」
鎧が振り向くとマーベラスが空の酒瓶を片手に立っていた。いや、全員目を吊り上げて並んでいた。
「ごごごごご誤解だヨーッ!オイラはこの新入りをテストしてただけだヨ!」ナビィはジョーに足を掴まれて逆さでバタバタともがきながら言った。
「テキトーなこと言ってんじゃないわよ。全部聞いてたんだからね!」
「ナビィ、ひどすぎます」
「そうだよ!“超どヘタレ”って何だよ!」
「だから誤解だってーっ!」バタバタバタバタ。
「まあまあ、みなさん!」鎧は慌てて止めに入った。「俺、信じてないですから!ナビィさんはわざとウソを言って俺の覚悟を試しただけですよね?」
「ううん」ナビィは首だけ回して言った。「全部ホント」
ナビィの目(のLED)はまたピカピカと光っていた。
COCOAOTOKO。Happy Valentine
ココア男。です。
某雑誌の最新号をスキャン、兄友で買うとついているポスカと合成しました。なぜわざわざ合成したかというと、ポスカは小さいのでスキャンすると顔の部分がボケボケしちゃう。それで雑誌からスキャンした大きなピクセルの画像を縮小して合わせます。色と角度と大きさを合わせるのが一番やっかいでした。
バレンタインっぽくココア色のレースとか色の重なる部分が浮き上がるハートとかをうすく配置してみてます。
【臨時】フォルダに入っています。サイドバーのリンクの「壁紙」をクリックするとなぞなぞ認証が入ります。なぞなぞの答えはジョー・ギブケンのファーストネームです。本日23時頃に一度クローズします。
本日はクローズしました。明日の19時〜23時頃に再度オープンして終了です。
非公開フォルダへ移動しました。





