2012-01-16
■[小説][ドロイドバスター・キミカ] 84 中島ァ野球シヨウゼェ…(白目 3

次は俺がピッチャー、コーネリアがバッターでメイリンがキャッチャーとなる。
「キミカノ魔球ハ私ノ前デハ通用シマセェーン…何故ナラー!私モマタグラビティーコントロールガ使エルカラデーッス!」
と言いながらさっき柄の部分だけになった金属バットをぽいっと投げ捨てて別の金属バットをそこからからグラビティーコントロールで取り寄せて手に握るコーネリア。
そうか…。
確かに俺もコーネリアもグラビティーコントロールが使える。移動するボールを互いの力比べで制御しあう戦いになりそう…だが、それはやらない。力と力の押しくら饅頭では不確定要素が多いすぎる。そのほうが男らしいといえばそうだけど。
ボールに神経を集中しグラビティーコントロールで初速最大になることを務めよう。俺の周囲の小さな埃やら砂やらが影響を受けて宙に浮かんで黒い波動が発せられる。
コーネリアも今か今かと俺がボールを手放すのを狙ってきてる。このボール、俺の手から離れたら思いっきり後ろのほうへと飛んでいくと思うぞ。コーネリアのグラビティーコントロールで。
「ハァァァァァ!!」
俺がボールを投げる格好になると周囲にクレーターが出来た。初速を最大に。この時だけでいい、俺のグラビティーコントロールがコーネリアのそれを思いっきりうわまる瞬間は。
ボールから手を離す。
手とボールの距離…1センチ、2センチ…。消えた。
そう、消える魔球だ。
俺はボールを異次元(キミカの部屋)へと転送し、そしてメイリンのミットの中で再び異次元から呼び出した。
(スパンッ!)
気持ちいい音が聞こえてミットの中に俺の放ったボールが着弾した。メイリンもコーネリアも何が起きたのかわかってない。
「What?」
コーネリアがメイリンのミットを覗き込む。
それから俺の顔を見る。俺は満面のドヤ顔。
「ンンノオオオオオオォォォォォォォォォウゥ!」
ククク…悔しがるがいい、悔しがるがいい…。
「ど、どうやった?一瞬ボールが消えた」
メイリンが驚く。
「消える魔球です(白目」
「消エル魔球ゥゥゥ?!」
よし、これで俺が1点とった。
次は俺はバッター、コーネリアがピッチャーでメイリンがキャッチャーとなる。
また同じ手が使えるな…フッフッフ…。
コーネリアがボールを放った途端に俺がボールをテレポートさせて俺のバットの手前にテレポートさせよう…。
「さぁこいッ!」
俺はバットを構えて挑発する。
「フッフッフ…私モ魔球ヲ打チマーッス…」
魔球?!
グラビティーコントロールで操った魔球だよね…?
「HAAAAAAAAAAAAAA!」
コーネリアがボールを構えて、発射。初速は俺よりも遅い。こんなチンタラボール、俺の動体視力で見きれるわ!
って、うぉぉぉおい!!
ボールが10個ぐらい飛んできてるぞおい!
どれが本物なんだ?!
あぁ、駄目だ、本物を見極めてる時間がない!
もう全部テレポートさせる!
キミカの部屋経由でテレポートさせたボールをオラオラオラって感じにバットで打ちかえs…その刹那だった。
俺のバットが当たったボールがまばゆい光を放ちながら破裂するのを俺の目が捉えていた。これは…ば、爆弾だぁぁぁぁ!!
俺とメイリンのすぐそばで予定外の爆発が起きた。
規模は小さかったものの、学校の校舎の窓ガラスは残らず吹き飛んで中庭の周囲に生えてた木々の葉っぱが吹き飛んで、そして俺とメイリンの制服は大事な部分を隠した状態で吹き飛んだ。
(スパンッ!)
気持ちいい音が聞こえる…まさか…。
爆風でセクシーに制服が吹き飛んでいたメイリンがむくりと起き上がるとミットにボールが収まっているのが確認できた。
「な、な、なんじゃそりゃああああ!!!」
「Hehe…Hehehe…」
「野球ボール型の爆弾がなんで瞬時に作れるの?!」
「爆弾?No〜No〜No〜…増エル魔球デーッス…(白目」
くッ…。
これでコーネリアは2点先取かよ。
って、どういうルールで点をとれるんだっけ?俺野球のルールってじつは知らないんだよね。ミットにボールが収まったらピッチャーの勝ちだっけ?
まぁ、いいか。
これで1周回ったはず。
次はメイリンがバッターで俺がキャッチャー、ピッチャーは引き続きコーネリアだ。奴め、また増える魔球…いや、本物の野球ボール以外に野球ボールそっくりの爆弾を投げてくるぞ。
しかしメイリンは動じていない。この人、普段から表情は滅多に崩さないからな。じつは動揺してたりして。
「この私に、増える魔球は通用しない。爆弾も通用しない!」
ホームラン宣言をしてるぞ。バット(メイリンの武器の矛)を遙か空の彼方へと指し示しながら。
「Ok〜Ok〜…ゴタクハソコマデデーッス…(白目」
と、言いながら何かをポトンポトンと落としてる。
よく見たらそれ全部野球ボールじゃん!いや、野球ボールタイプの爆弾じゃん!!今作ったのかよ!!もうコーネリアはあからさまに魔球投げます宣言してるよ!!
「あ、あの、コーネリア…あたし全裸になるの嫌なんだけど」
次の爆風で確実に俺は全裸になってしまう…。
「大丈夫。爆風は1ミクロンも来ない。このATフィールドを前に、奴の放つものは全て防がれる!!」
メイリンの身体からオーラのようなものが出ているのが俺にも判る。そのオーラがバリアのようにフィールドとなって周囲を覆っていく。コーネリアさえも覆っていく。
…って、コーネリアがフィールドに吹き飛ばされそうになってるぞ。どんだけやねん。
よく考えたらボールも飛んでこないじゃんコレ…。
どうやってバットでボールを打つつもりなの?
「HAAAAAAAAAA!!!」
コーネリアは自分の胸の前で手を組んで、グラビティーコントロールをフル発動させてる。そして周囲にある爆弾タイプの野球ボールを速射砲の如くメイリンに向けて放ってる。もう俺の持っているミットに収まるかどうかとかじゃなくて、単純に俺とメイリンを攻撃してるって感じだぞおいおい!
その速射砲がメイリンのフィールドにぶち当たって6角形だか5角形だかのバリア特有のエフェクトが現れる。確実に爆風は防げているがボールもはじき飛ばしているかもしれない。
フィールド全開。
もうコーネリアも完全に包み込んで吹き飛ばす。コーネリアの服は自分の放ったボール型爆弾の爆風で大事な部分以外吹き飛ばされてた。と、その時、コーネリアの手からボールが宙へと投げ出されたのだ。他のボールとは扱いが違う。これが…本物?
「貰ったッ!」
メイリンは透かさず矛を構えて軽くステップを踏んで前に進み出る。そしてボールに向けて矛(バット)をフルスイング。
周囲にクレーターが出来て校舎の窓ガラスは確実に吹き飛ばした。木々がねじ曲がる。校長の銅像が飛んでいく。
その凄まじいエネルギーはボールを瞬時にプラズマ化させて、ビームとなって空高くへと放たれてそのついでに校舎の上にある「鐘」を溶かして、ちょっと今日は曇ってたけど雲がビーム砲で蒸発してしまい、綺麗な空が見えたかと思うと、一直線にビームが宇宙空間に向けて旅たっていった。
「私の勝ちだッ!」
誇らしげにそう言うメイリン。
しかし俺もコーネリアも土埃と瓦礫の中に転がっている。
俺がゆっくりと起き上がると、そこには学校の先生方がブチ切れて俺達を包囲している光景が広がっていた。