写真 ジャック・ダゲール

 残像現象という現象が静止画の連続を映像として脳に認知させるのであるのだが、それを映画の機械で再現するために必要なものの1つに写真がある。映画初期の作品はサイレント映画であったため、映画はとりあえず映像であればよかった。この書き方は正確ではなく、映画がとりあえず映像であったために映画初期の作品はサイレント映画だった。もしかしたら、もう1つのパラレルワールドでは始めからトーキーで動画の歴史は始まったかもしれないが、私たちが生きている世界ではとにかく音はなかった。

 写真の発明者として一般的に知られているのは、ジャック・ダゲールである。ダゲールは銀板上にイメージを定着させる「タゲレオタイプ」と呼ばれる機械を開発し、1839年にフランス科学アカデミーに報告した。フランス政府はダゲールの発明を買い取り、誰でも開発が出きるようにした。

 タゲレオタイプを語る時、今のカメラとは違う点が2つある。その点は結構大事なので押さえておきたい。1つ目は露光時間(撮影に必要な時間)、2つ目は複製ができなかったという点だ。