モダニズム映画の流行

 エルンスト・ルビッチの作品のヒットにより、洒落たモダニズム映画が流行した。

 女流監督ドロシー・アーズナーは、「近代女風俗」「モダン十誡」「恋人強奪」(1927)を監督した。エスター・ラルストンを主演に、スマートなコメディ・タッチを生かしながら女性心理のニュアンスを描いたという。

 エスター・ラルストンは、このジャンルに最適な女優として重宝され、フランク・タトル監督「脚光の影」(1927)や、エドワード・サザーランド監督「姿は偽らず」(1927)と多くの作品に出演した。タトルは他にも「女から女へ」(1927)も監督している。

 ハリー・ダバディー・ダラーは、「夫人に御給仕」「セレナード」(1927)などを監督し、アドルフ・マンジューを主演に洒脱ぶりを発揮したという。

 アドルフ・マンジューも、このジャンルで重宝された俳優で、ルーサー・リード監督「夜会服」(1927)などにも出演している。