ジョン・ウェインの映画界入りとトム・ミックス

 後に大スターとなるジョン・ウェインが、フォックスの小道具係として映画化入りしている。

 ウェインは、以前にも映画界入りしかけたことがあったと言われている。それは、当時の西部劇の大スターのトム・ミックスに誘いによってである。

 1920年代半ばに、南カリフォルニア大学フットボール部にいたジョン・ウェインは、フォックスにアルバイトに来ていた。大学フットボールのファンだったミックスが、ウェインを専属トレーナーとして雇おうとした。ドラッグ・ストアを経営していた貧しい両親のもとに生まれて、奨学金をもらいながら弁護士を目指していた18歳のウェインにとっては、願ってもない話だった。だが、フォックスが費用を払わないことがわかり、ミックスは話を反故にしてしまった。ウェインは金が続かずに大学をやめて、ミックスを恨んだと言われている。