その他のアメリカ映画 1927年

 後に子役スター、青春スターとして活躍するミッキー・ルーニーは、人気漫画原作の短編映画「ミッキー・マクガイア」シリーズのオーディションに合格し、以後6年間主人公の腕白少年を演じることになる。ルーニーはヴォードヴィルでコンビを組んでいた両親の元に生まれ、当時6歳だった。

 「第七天国」(1927)は、フランク・ボーゼージが監督し、チャールズ・ファレルジャネット・ゲイナーのコンビの名声を高めた作品である。戦争の核心に触れず、戦争を感傷的メロドラマの背景とした作品で、この方法はハリウッドの公式の1つとなる。シュールレアリストたちの評価が高かったといわれる。

 フランク・アーソンは、暴露的な風刺劇である異色作「市俄古」を監督している。

 「ソレルと其の子」(1927)は、ハーバート・ブレノン監督作で、父と子の情愛で泣かせた。

 「奇傑ゾロ」(1920)「ベン・ハー」(1925)などを代表作に持つフレッド・ニブロは、「悪魔の踊子」(1927)を監督している。ギルダ・グレイをヒロインに迎えた異国情緒溢れる作品で、さそわれてチベットの山奥の僧院で踊り子となっているタクラとイギリスの探検家の密かな恋を描いている。

 小太りだがすばやい動きで、1920年代半ばの人気者だったモンティ・バンクスは、サイレントならではのアクション・コメディを送り出していた。この年も、「無理矢理ロッキー破り」(1927)などに出演している。