レスリー・ニールセンのこと 高村英次(映画ライター)さん

インタビュー取材はあまり多くないのですが、その中で最も愛想良く接してくれ、非常に和んだ雰囲気で話をしてくれたスターがレスリー・ニールセン。世に名前が知られるようになってからも二流扱いされ、雌伏の時期が長く、「裸の銃を持つ男」(88)のオトボケ刑事ドレヴィン役で遅まきながらブレイク。
素の彼は非常に真面目な人。以前から俳優仲間に「君の目って、なんだか可笑しいよな」と言われ続け、ついにドレヴィン役で本格的な三枚目役に踏み出したのだが、その成功に気をよくして以後そのお間抜けキャラをスクリーンで通した。
お笑い好きな筆者が「人を笑わせることの難しさ、偉大さ」を一席ブッたら、大きな腕でギュッと抱きしめてくれて、大いに共感してくれた。
あの人を小馬鹿にしたような目、ポカンとした人を食った口元、そしてグルーミィな笑顔が忘れられない。谷啓さんや小林桂樹さん同様、レスリーさんも2010年、不帰の客となった(2010年11月28日)。心から合掌。