電子書籍「月刊シネマグランプリ」発刊

いつも、「速報シネマグランプリ」をご愛読いただきましてまことにありがとうございます。

さて、しばらく準備期間をいただいておりましたが、本日2011年2月3日、電子書籍「月刊シネマグランプリ」に生まれ変わりました。

こちらのオフィシャルサイトから、ダウンロードできます。
http://cinemagpx.jp/
プレ創刊号は無料になっております。


参加メンバーは最多の41人。変わらぬご愛読を、なにとぞよろしくお願いいたします。

レスリー・ニールセンのこと 高村英次(映画ライター)さん

インタビュー取材はあまり多くないのですが、その中で最も愛想良く接してくれ、非常に和んだ雰囲気で話をしてくれたスターがレスリー・ニールセン。世に名前が知られるようになってからも二流扱いされ、雌伏の時期が長く、「裸の銃を持つ男」(88)のオトボケ刑事ドレヴィン役で遅まきながらブレイク。
素の彼は非常に真面目な人。以前から俳優仲間に「君の目って、なんだか可笑しいよな」と言われ続け、ついにドレヴィン役で本格的な三枚目役に踏み出したのだが、その成功に気をよくして以後そのお間抜けキャラをスクリーンで通した。
お笑い好きな筆者が「人を笑わせることの難しさ、偉大さ」を一席ブッたら、大きな腕でギュッと抱きしめてくれて、大いに共感してくれた。
あの人を小馬鹿にしたような目、ポカンとした人を食った口元、そしてグルーミィな笑顔が忘れられない。谷啓さんや小林桂樹さん同様、レスリーさんも2010年、不帰の客となった(2010年11月28日)。心から合掌。

「ソーシャル・ネットワーク」 高村英次(映画ライター)さん評全文

ソーシャル・ネットワーク
http://www.socialnetwork-movie.jp/ 2011/1/15公開


高村英次(映画ライター)さん評全文
下記にて公開中

http://cgrandprix.blog42.fc2.com/blog-entry-502.html

「徳川夢声映画祭」を企画 高崎俊夫(編集者)さん

徳川夢声の傑作メモワール『くらがり二十年』『あかるみ十五年』(清流出版)の刊行に合わせて、来年1月9日より、ラピュタ阿佐ヶ谷で「徳川夢声映画祭」(仮題)を企画しました。トーキーの出現によって、活動弁士を廃業した夢声は、映画俳優として再出発します。PCLから初期の東宝映画では主役級で出演していますが、今回の特集では『坊ちゃん』『吾輩は猫である』『はたらく一家』『昨日消えた男』など戦前の名作、佳作を中心に22本を上映します。ぜひ、ご高覧ください。

徳川夢声のくらがり二十年

徳川夢声のあかるみ十五年

ラピュタ阿佐ヶ谷 徳川夢声特集 2011年1月9日(日)〜2月12日(土)

「キック・アス」(2010)の最後の試写会で美少女ヒーローに拍手喝采 山田宏一(映画評論家)さん

キック・アス」(2010)の最後の試写会で美少女ヒーローに拍手喝采
山田宏一(映画評論家)さん
http://www.kick-ass.jp/ 2010/12/18公開


なんだ、またもやスーパーマンものか、スパイダーマンものか、バットマンものか、その手のパロディーのまたパロディーのようなものかと思って見ているうちに(とはいっても、それだけでもたのしいのですが!)、まるでかつてのフランス映画「シベールの日曜日」(セルジュ・ブールギニョン監督、1962)のパトリシア・ゴッジの再来とも思しきおしゃまな美少女、13歳のクロエ・グレース・モレッツ(パトリシア・ゴッジは当時12歳だった)が11歳のスーパーヒロインとも言うべき女賊ヒット・ガールに扮し、めがね状の覆面をして皮ジャンを着こみ、黒マントをひるがえし、手裏剣からガトリング砲まで、必殺の武器、銃剣類を装備して登場するや、悪漢どもと死闘をまじえて、爆発的な痛快アクションと化すのです。タランティーノなど形無し、ジョニー・トーもリュック・ベッソンも真っ青といったところ。少女が単身、悪の巣窟に斬り込むシーンなど、「レオン」(リュック・ベッソン監督、1994)のナタリー・ポートマンを想起させると同時に、その後の首が飛び、鮮血が迸る凄惨な殺し合いの展開を予告するかのように、マカロニ・ウエスタン、「荒野の用心棒」(セルジオ・レオーネ監督、1964)のテーマ音楽がユーモラスに引用されるのです。引用といえば、最後にはジョン・フォード監督の「捜索者」(1956)でジョン・ウェインナタリー・ウッドを抱き上げたときに言う、おそらくは映画史上最も単純で最も美しい名せりふ(「家へ帰ろう」)も準備されているのですが、それは見てのおたのしみということに。
たわいなくてバカバカしいコミック活劇と笑わば笑え。映画は活劇だ! 活劇バンザイ! よみがえれ、活劇!