2008-11-06
キアロスタミ来日
世界の巨匠である。
アッバス・キアロスタミ監督。
でも私たちにとってはいつだって「キアちゃん」である。
最初に来日したのが、1992年だから、もう16年の付き合いになる!
ユーロスペース時代、何よりも夢中になり、もっとも幸せだった日々は、キアロスタミの映画とともにあった。
キアちゃんとは本当に家族づきあいをさせてもらっている。金沢にいるときは2ヶ月になったばかりの長男に会いに来てくれた(のをいいことに私は金沢でキアロスタミ特集を組んだんだけどね!)。
今回、我が家に呼んだのも、キアロスタミが「日本に来たのに、ちっともリラックスできない、眠れない」とぼやいていたからだ。
高松宮記念世界文化賞の創設20周年の記念に過去の受賞者が招待され、そのための来日だった。天皇皇后両陛下に拝謁したり、公式行事はもうすでに終わり、芸大や造形大で講義をしたあとだった。
子供たちに、手品をしてみせ、子供たちが目を丸くするのを、本当に嬉しそうに見ていた。
キアちゃんと一緒に我が家に来てくれたのは、イランからエブラヒム・フルゼシュ監督(今回は東京国際映画祭のコンペ作品『ハムーンとダーリア』を引っさげての登場!)、日本画家でキアちゃんと「二人展」も開催したM先生、ユーロスペースのHさん、『友だちのうちはどこ?』のメイキングオブを語った本、「そして映画はつづく」の当時の編集者Aさん、ベネチア映画祭の日本のコーディネーターでもあるTさん、通訳であり私の長年の友人Sさんそしてうちの家族。
みんなキアちゃんの気の置けない友だちばかり。
ちなみに我が息子は生後2ヶ月でキアちゃんに抱っこされている。
この写真は『桜桃の味』のパンフレットにも載っている。
その息子も11歳。『友だちのうちはどこ?』『トラベラー』『パンと裏通り』も見ている。恥ずかしそうに巨匠にあれこれと質問していた。
楽しそうに、リラックスして過ごしてくれたようだ。
彼のベネチア出品作「シーリーン」をホテルで30分だけ見せてくれたのだけど、このメイキングオブを見ると、もっとびっくりする。『それぞれのシネマ』で3分だけみせているあれが、90分続くのだが、どうやってあれを撮ったかがわかると、キアロスタミが確実に映画の果てにいる、気がした。
また、ビクトル・エリセとの往復ビデオレターを一本だけ見せてもらった。これも凄かった。『マルメロの陽光』のマルメロが木から落ち、ころころ転がって、小川に落ち、水の中をころころとどこまでも転がっていき…。という映像。いかにもでしょう?!
これを見ながら何とか形にして日本でも上映できないものか、と考え出したらムズムズしてきた。
これはビルバオの美術館、ポンピドーセンターなどでキアロスタミの写真展とともに開催されたものだ。
日本でやれば、かならず映画ファン、写真ファンが駆けつけるにちがいない。
まずはこの往復ビデオレターを全部見たい!!!
ともあれ、大好きなキアちゃんは日本を楽しんでくれました。
新作『シーリーン』はあまりに実験的な映画であるため、配給がなかなかつかないのだろうな。でもメイキングとともに映画祭か回顧展で上映するべき作品だと思う!思うぞ!
