2008-11-21
西田司+藤村龍至展/70’世代で建築の地域性を考える
11/20(金)〜11/30(日)の期間、Bank ART Mini Galleryで『西田司+藤村龍至展』が開催しています。先日、見学してきたので感想を。
エントランスからまず出現するのは、テーブルの上に所狭しに並べられた藤村模型の存在感だ。
今までのプロジェクトのスタディ模型を2400×1200位のテーブルを2つ使って、各々のプロジェクトの模型が001から順番に並べられており、その奥にはK-Projectの1/20模型が周辺ボリュームも含めてどっさり置かれている。001からシステマティックに並べられた大量の模型たちに藤村さんの美学が伺える。一方で1/20模型は周辺ボリュームが段ボールで外形のみでつくられているため、パールグレーの群像形が、まるで虚構のごとく抽象化された高円寺の街に際立っていて、この群像形=『建築形態』に批判的工学主義のデザインを伺える。
たくさんの模型の隣には、たくさんのスケッチが床の上に並べられている。
これが、西田さんの展示だ。アーティスト4人に貸し出す集合住宅のプロジェクトを通して、その場所で起こる『風景』のスケッチを時間を追って展示していた(絵1枚ごとにエネルギーの話など建築的な解説があったが、字が小さすぎて読めなかったのはとても残念・・)。その『風景』というのは天井高5mのコモンスペースで起こる、住み手の1日の生活や、近所の人との会話などリアルな日常だ。建築で起こる空間現象が地域社会に楽しくインタラクションしている様子をスケッチから楽しく伺える。
とすると『建築の地域性』を、藤村さんは『建築形態』によって、西田さんは『空間現象』によって、獲得しようとしているといえよう。建築を通したコンセプトには共通点があるが、藤村さんは『形態の提案』であり、西田さんは建築を介した『空間のプロデュース』というところで相違点がある。建築デザインは各々の建築家で棲み分けるべきだと思うが、世代を通した建築コンセプトはある程度共有するべきなんじゃないかなと今回の展示を見て強く感じた。
ここで藤村さんのブログroundabout journalをみると今回の展覧会に対して「URBAN COMMONS」=(建築の設計によって得ることの出来るアクティビティの場や、建築言語のような都市の共有物の総体)というコンセプトが掲げられており『都市空間に濃密さを取り戻すための建築的な方法足り得る』と宣言している。また、藤村さんは展覧会のパンフレットで批判的工学主義者=地域主義者と宣言している。これで、批判的工学主義のスタンスが明確になった気がする。
個人的に、SANNA、青木さん、石上さんを中心とした表現的な建築には魅力を感じているし、今の建築界の主流はここにあるだろう。一方で地域、社会を語る建築家は『社会派』と一括りされてしまう。そのように建築に対するスタンスが棲み分けされた状況で、80'世代はどのように建築を考えていけばいいか。
30日には山本理顕を交えたシンポジウムがあるので是非行きたい。
