橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

アルコール健康医学協会編『シリーズ酒の文化』全四巻

classingkenji2007-04-23

「日本の酒の文化」「世界の酒の履歴書」「酒の社会史」「酒と現代社会」の四巻からなる、酒と文化についての総合的な講座もの。三〇編の論文を収め、合計でおおよそ七五〇ページ。空前絶後の企画といえるだろう。酒と古典芸能、落語と酒、短歌・俳句と酒、政治と酒、日本映画と酒、演歌と酒など、テーマは幅広く文化史全体を覆い、興味は尽きることがない。たとえば飴山實の論考(第一巻)など、酒をテーマにした短歌・俳句を網羅したのではないかと思われるほど多数の作品を紹介していて、これだけで酒宴での話題が広がるだろう。大部な本で、場所を取る。第一巻だけ買うというのも、お勧めできる方法である。Amazonでは品切れで古書しかないが、アルコール健康医学協会のホームページから直接注文することができる。(2007.4.22)

シリーズ◆酒の文化 (第1巻) (シリーズ・酒の文化)

シリーズ◆酒の文化 (第1巻) (シリーズ・酒の文化)

シリーズ◆酒の文化 (第2巻) (シリーズ・酒の文化)

シリーズ◆酒の文化 (第2巻) (シリーズ・酒の文化)

シリーズ◆酒の文化 (第3巻) (シリーズ・酒の文化)

シリーズ◆酒の文化 (第3巻) (シリーズ・酒の文化)

シリーズ◆酒の文化 (第4巻) (シリーズ・酒の文化)

シリーズ◆酒の文化 (第4巻) (シリーズ・酒の文化)