橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

山科けいすけ『C級サラリーマン講座』

classingkenji2007-05-28

ビッグコミックに連載されている四コマ漫画だが、最近知って、最新のものを二巻だけ買って読んでみた。現実味のないただのギャグが中心だが、リアリティがあって哀愁を感じさせるものもいくつかある。そして、そんな作品には、しばしば場末の酒場が登場する。ゴキブリの走る酒場でモツ焼を食べ、ホッピーを飲みながら「世界の中心でくだをまいてみてえなぁ・・・・」とつぶやく中年男。どうやら「モツ焼」「ホッピー」というのは、「場末」「C級」の記号であるらしい。大衆酒場好き・モツ焼好きの私としては、これが優れた食文化であり酒文化であることを訴えたいところなのだが。(マンガは著作権許諾なし。著作権者の方、削除の必要があれば、ご一報下さい。)