紀子の食卓

http://www.noriko-movie.com/
見てきた。吉高由里子ちゃんの飄々としたお芝居は、風のようでもあり、首筋にあてられたカミソリの刃のようでもあり、無痛で胸に刺し込まれるナイフのようでもあった。「感覚」がそのまま剥き出しになってしまっているようなその超自然体の演技は、しかしあまりにも凄すぎて、人によっては単なるヘタウマにしか見えない可能性もある。園監督が「ピュアな芝居力」と呼んだそれに、私なんかは見ている間ずっと戦慄しっぱなしだったんだけど、芝居をひとつの型にはめて見ようとする人には、この純粋で自由な力はなかなか伝わらないかもしれない。終盤、その「感覚」の核のような部分が恐怖を覚えるほど生々しい形で露呈する場面(この映画の核心が語られる場面でもある)を、非常に長いワンショットで撮影していたことに感動した。
映画自体も面白かった。次々と主体が変わるモノローグ(主要登場人物の名前でチャプターが分かれているのだけれど、そのチャプター内でもさらにコロコロと変わっていく)が終始、淡々と鳴り響き、現在/過去の時制を自在に行き来して時に反復もされるその構成は、ヘタするとゲージュツやブンガクと化して退屈なものになってしまいそうだけど、この作品はそうはならずに不思議なくらいニュートラルな印象を保ち続けるのだった。キャメラなんかもすごくニュートラル。あちこちに出ている園監督のインタビューを読むと、それはやはり狙いだったらしい。
重いテーマではあるが、必要以上の緊張を強いたりはせず、逆になんともあっけらかんとした空気が全体に漂う。2時間40分という上映時間の長さは微塵も感じさせず、なんだかアッという間に終わってしまったような気さえする。なんだろう、これ。一言ではうまく言えない、不思議な魅力のある作品。

先生道

http://www.tbs.co.jp/tv/daily/20060928.html
島田元監督の『哀愁のハーモニカ先生』が、すごくよかった! 河原に生い茂った草たちが風に揺れる様子、その濃緑色、水面の反射、、、それらを見ただけで、もう「映画」を実感してしまう。夏未エレナちゃん(本作がデビューとなる新人のコ。良いです)演じる事故で死んだ女子中学生が小学校時代にハーモニカ部の顧問だった男性教師と再会する、、、というお話。花を投げる動作や管楽器の音色が人の想いをつなぐところなど、大好きな『東京上空いらっしゃいませ』を少し思い出したりした。そして松葉杖+ギプスに涙。繊細な、いい作品です。必見。
そういえば、『スパイ道 女スパイ編』で島田監督が演出した『一日スパイまどか』も、(劇中で歌われる『恋の人体自然発火』の破壊的なインパクトのおかげでわかりづらいけど)ラストで葵ちゃんの輝くような笑顔が出た直後にさりげなく挿入される「植え込みに引っ掛かったままのタスキ」を映したワンカットが、あの「一日」が終わってしまった後の2人の別れを感じさせて、なんとも物悲しい余韻を残していた。
http://www.bs-i.co.jp/main/dorama/show.php?0315

岐路

http://www.nhk.or.jp/nikki/top.html

喧嘩の絶えない両親に嫌気がさした永野圭(ながの・けい)は、卒業生の先輩がいる不良グループに出入りするようになる。
そのグループは暴力団とつながっていて、圭は資金稼ぎにワッペンを売りさばく仕事を頼まれる。怖くなった仲間が逃げたあとも一人でワッペン売りを続ける圭だが、次第にきつくなるノルマに耐えかね、クラスメートの財布から金を抜き取ろうとしたところを東先生に見つかってしまう…。
(1986年6月22日に放送した作品です。)

【出演】 永野 圭 東野 英心
【脚本】 蓬莱 泰三
【演出】 小山 攻

今週の『中学生日記』。私が嫌いな金八風の内容なので、コメントは特になし。アーカイブスも最初の『ゆずり葉』『ダッシュ』の2本はかなり良かったんだけど、それ以降に放送されたものは積極的に評価できない作品ばかりのような気がする。いったいどういう基準で選んでいるんだろう。。。

今日の立ち読み

生物彗星WoO』絡みで、谷村美月ちゃんのインタビューがそれぞれ1ページ。上はカラー、下はモノクロ。

後ろの方に『赤い文化住宅の初子』の撮影現場レポートが4分の1ページほど載っていました。もちろん東亜優さんメインの記事。

ハリヨの夏』絡みで、於保佐代子さんのインタビューがカラー1ページ。なんだか微妙に印象がよろしくない記事のような気がした。これは於保さんではなく、ライターさんのまとめ方がいけないのだと思う。

真ん中あたりのページに韓英恵ちゃんのアンケートが載っていました。英恵ちゃんはid:claudine:20060816#p4で書いた『MEMO』の他に、『黄色い涙』にも出演するんだね。でもこれはジャニよりも監督さんが私は苦手。。。
黄色い涙』の記事
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