銀河鉄道の夜 〜I carry a ticket of eternity〜

http://www.kaerucafe.co.jp/ginga/
見てきた。ロケーションは悪くなくて、強い風になびく草むらとか何もない川原の光景とか素材はなかなか良いのに、そこにチープな合成をむりやり重ねちゃったりするからみんな台無しになる。合成なんて申し訳程度でいいのに。。。またたとえ絵画のようなシャープな構図にこだわっていてもそこには単なる「シャープな構図」以上の意味が感じられないし、あるいは音響面でもいろいろとミョーなことをやっていたりするんだけどそれも結局は「ミョーなこと」をやっているだけで終わってしまっているので、面白さが広がらない。この監督さんはおそらく「映画」ではなく、「アートっぽいこと」がやりたいんじゃないかな。でもこちらが見たいのは、あくまで「映画」なわけで。。。
谷村美月ちゃんのお芝居に関しては「できるだけ感情を込めないで」という指示が出ていたか、もしくは美月ちゃん本人がそう演じようと心掛けていたのではないかと思われますが、個人的にはもっと表情をなくしてもっと棒読みにしても良かったんじゃないかと思う。そうすれば男寅くんのあの演技と相俟って、また別の場所へ行けたかもしれない。まあ、これも演出次第だけど。
とはいえ、美月ちゃんの素晴らしく男前で映画的な「無表情」とあの訥々としたモノローグが、大きなスクリーンで1時間以上堪能できるのだから、ファンなら見るに越したことはないでしょう。DVD化の予定はないとのこと。


12日日曜日の深夜に、地上波でも『生物彗星WoO』の特番を放送。
http://www.nhk.or.jp/woo/info.html


それと『スコラ』に美月ちゃんのインタビュー?が載っているみたいですが、中身、確認していないのでわかりません。

チルドレン

http://www.wowow.co.jp/dramaw/children/
見てきた。吉高由里子ちゃんは小西真奈美さん演じる万引き書店員の高校生時代の役で、セーラー服を着て3シーンほど登場。出番は正味1分くらいかな。残念ながらセリフはまたなしですが、やはり鮮烈なインパクトがあって由里子ちゃんがそこに映るだけで空気が切り裂かれるような印象。『ZOO』の「SEVEN ROOMS」もそうだったよね。あれも由里子ちゃんの顔がわかるのは1カットか2カットしかなかったけど、その場面だけ異常な生々しさを感じさせた。カミソリの刃のような存在感だ。おそろしい。。。
おはガールまありちゃんの出演も楽しみにしていたんだけど、登場するのは本当に最後の最後でこちらは10秒なかったと思う。もちろんセリフもなし。まありちゃんも強いお芝居ができるコなのにねえ、、、もったいない。マコテと一緒に、もうちっとマシな事務所へ早く移籍しておくれ。
他にも援交少女の役で安座間美優さんが出ていたり、イヤミったらしい万引き少年の役で『五つ子GO!!』の剛が出演していたりと、そういう面では少しは楽しめたかもしれない。
作品自体は「映画」ではなく、完全に「テレビドラマ」でした。

いい女 第9話

http://www.tbs.co.jp/ainogekijyo/e-onna/
ヘンなドラマだなあ、これ。もっとほのぼのとした典型的な昼ドラテイストを想像していたのですが。不倫だのエステだの更年期だの家庭崩壊だの、なんかもう主婦の(被害)妄想満載ドラマといった感じで、見ていていたたまれません。今日の内容もかなりすごくて、KISSのおばさんコピーバンドによるライブ演奏(山下容莉枝さんがあの星メイクして皮のベスト着てフライングV持って激唱、、、)から2週目にして早くも主要キャラ死亡、というありえない展開。
吉高由里子ちゃん演じる美香は、これで本当にいいコになってしまうのかな。感情が溢れ出すなり反対に塞ぎこむなり、もっとしっかりとお芝居を見せることができる局面がほしいよね。でもこのドラマの中で内面の変化が描かれているのは、結局、石野ママだけで、他の登場人物はみんなそのための駒みたいなものだから、そういうのはもう期待できないかもしれない。
ドラマの収録の方はそろそろ終わりが近づいているのではないかと思いますが、どうなんでしょう。ドラマの後は、由里子ちゃんにはやっぱり映画にどんどん出演してもらいたいね。とにかく『紀子の食卓』のインパクトは強烈だから、あれを見た人からオファーもぼちぼち来ているんじゃないかな。ああいう映画は、同業者の人は必ず見るからね。『紀子』のような面白い作品にはなかなか出会えないかもしれないけど、でも同じように真剣勝負で映画を作っている人たちと一緒にこれからも仕事をしていってほしいよ。由里子ちゃんのマイペースなキャラクターを考えても、やはりせかせかしたテレビの現場より、映画の現場の方がのびのびと自由にやれていいんじゃないかな。由里子ちゃん自身も「がっつきたくない」とはっきり言っているしね。「売れる/売れない」とは別の価値観をあらかじめ持ったコなんでしょう。ファンよりも本人の方がずっと賢いというか。はじめから「わかっている」わけだから。由里子ちゃんは由里子ちゃんのペースで、がんばればいいよ。

気球クラブ、その後

http://www.kikyuclub.com/
年末に公開される園監督の新作。予告編で見られる川村ゆきえちゃんが、あのグラビアによく出ている川村ゆきえちゃんと同一人物とは思えない。このコ、女優じゃん。『どんど晴れ』にも大きい役で出演するようだし、がんばっているんだな。
この映画ではユーミンの『翳りゆく部屋』がモチーフになっているようだけど、園監督は歌謡曲の使い方がうまいね。歌謡曲が持つ二重性をよく理解している人なんだろう。
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