FB TW ではすでに話題にしましたが、
”「予約の取れない店」が3年で閉店に追い込まれる理由”
  という記事がありました。


実際、私の店のお隣のビルには、18年で五軒のテナント(主に飲食店)が入りましたが、これまでオーナー 店長が変わらない店は一軒もありません。階によってはすでに五軒入れ替わった処もあります。 お向かいは20年で3回入れ替わり、南隣りは4回、たった数年前に建った近所ビルでも店のオーナーが変わらない階は一つもありません。


同じ町内で10年以上続く飲食店は全体の一割に満たないでしょう。


確かに記事でいわれるように、行列ができる店であったり、メディアに頻繁に取り上げられる店であるからといって潰れないわけではなさそうです。


首都圏のように絶対人口が多い場所では、メディアで話題になり、一回限りのお客様ばかりで成り立つ店でも何年かは続けられることはできるでしょうが、地方の田舎町ではリピーターをつかむこと、メディア露出に頼らずに口コミで顧客を増やすことが絶対条件になるのかもしれません。


リピーターになっていただき、口コミでお客様が広がるための手法というのであれば、コンサルタント、飲食プロデュースを仕事にする方々であれば、「ああしろ」「こうしろ」と講演 コンサル 著作のたびにシステム化しわかりやすく説いていらっしゃるのだと思いますが、考えてみると、私たちのようにコテコテ 根っからの料理屋オヤジは、自然にそのための身のこなしを手にしているのかもしれません。 ほとんどはどこかで習ったわけでもないし、誰かに指摘をされたわけでもないのに、失敗を繰り返し、痛い思いをして学んだような気がします。


ですから、netなどでよく記事なる「○○のための五つの方法」とか「銀座のママが教える○○のための方法」という類のものを読んでも目から鱗が落ちた経験は全くありません。


@料理に手を抜かずに、料理方法、食材の入手に常に目を配って丁寧な仕事を心がける
@器の趣向に前向きで、新しい盛付けの情報入手を怠らない
@掃除を行き届かせ、スタッフの姿も含めて清潔感を失わないようにする
@予約の電話、店のお客様への対応、お出迎え、お見送り、料理進行中の客席への目配りなどなど、終わりのないサービスへの献身を店全体で推し進める
@お酒 ソフトドリンク 飲み物の充実をお客様の一歩前で充実させる
@どのお客様にどんな料理 お酒をお出ししたか、何がお好みで、何が苦手か、個々のお客様への対応 管理を密にする
@ミスがあった時の対応を迅速により丁寧に、不快感を残したままおかえりいただかないための努力をする
@客席でのお客様の情報 料理の進行具合 飲み物の進み方などを細かくスタッフ全員で共有する
@お客様の好み 指向 価値観はすべて徹底的に異なることよくよく全員が肝に銘じておく


上げていけばキリはないのですが、こんなものは標語にして掲げるのではなくて、日々積み重ねて店のスタッフ全員の血となり肉のとなるようにすべき事柄です。


で、
これがいつもうまく回るか???というと、毎日全くうまくできなくて反省ばかりしているのが料理屋です。


100%は絶対にありえず、いつもそれに近づける努力を・・・というか努力でさえなくて、100%に近けるよに日々ジタバタするのが日常であるのが飲食店だと思うのです。


どんなにきめ細かな努力を重ねても、お客様のお気に召さず、「二度目はない」と思われる方が何パーセントかは存在するはずですが、唯一90年いつもハラハラしながら続いてきた事実こそが密かな勲章だと思っています。 


でも、半年後に店を閉めている可能性だってあります。