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日記 Twitter

2016-06-23

これは小説 その4

普通ってなんだ。不通か。苦痛か。無痛の毎日に夢中になることか。空中に浮かんでいた元カノの声が遠くから聞こえる。

普 通 に な れ た ね 。

僕はツクダオリジナルのおもちゃの商品名を言うような彼女の声を聞くと、電車が急停止をして隣にいる背の小さなおばさんが僕にタックルしてきた。

普通に痛かった。これが普通か。

アナウンスが流れる。人身事故が起きたらしい。ため息が聞こえる。急いでスマホを出す人々。電車の中で通話する人。冷房が急に強くなった。

僕はまとめサイトで微妙にかわいい人の水着の画像を見ていた。

LINEが来た。

おはよ。

彼女からだった。僕はLINEでおはよと返信。もうずっと起きているけれど、起きている間に人が死んだかもしれないけれど。

するとすぐに既読がついて、今度の休みに会えないと言われた。

少しずつ距離ができているような気がした。

それは僕が今まで無職だったから、いつでもどこでも会うことができたのに、僕に時間はなくなりLINEの返事もしなくなって、あ、これは終わる前兆かもしれないとお互いに察しているけれど、踏み込めず、曖昧な言葉を交わすだけ。

僕は嫌われるのが怖くて、好き以上に好きになる。

それが普通だと思って、過ごして異常に過剰だと気付く。

僕は彼女の言葉を見て、返事はせず窓を見つめた。動かない風景は眠気を誘う。でも立ったままだから眠れなくて、もう生きているのか死んでいるのかわからなくなる。

よ か っ た じ ゃ ん

聞こえた。元カノの声が聞こえた。ゆっくり動き出した電車は近くの駅に停まり、また沈黙をする。元カノを見かけた僕は電車を降りる。もう僕も電車の遅延のための遅刻メールを送っていた。何時間でも遅刻しても大丈夫だと判断人身事故です。遅刻します。もう行きませんが平気ですか、の報告連絡相談をして、僕は駅のホームから元カノを見る。元カノは浮いていた。

ま だ 小 説 書 い て る の

これは小説というか、なんというか。

ま た 言 い 訳 だ 。 小 説 書 い て い れ ば い い ん だ よ

誰にも求められていないのに、書いてていいのかわからないんだよって、僕は言うのだけど、自分でもどうしたらいいのかわからなくて、どうしようと思っているんだよ、って言うと誰もいなくなって、もう電車は動き出していた。

彼女からのLINEを無視する。

彼女は僕と結婚するだろうか。結婚か。僕は実家から出るつもりなんだよね。

昔、彼女に言ったことを思い出す。

そうか。引っ越すの?

うん、引っ越す。だからさ、君も僕の家の近くに住んだらいいんだよ。

そしたらさ、一緒に住みたいんだけど。

彼女の言葉に僕は何も言わない。

好き好きーって言葉で誤魔化す。

こ れ も 小 説 に す る の ?

小 説 を や め る っ て や め て ど う す る の。

そ ん な に 働 く の が 自 分 の 中 で し っ く り 来 た の

も う 聞 こ え な い か

僕は電車に乗って少し遅刻をして、会社へ着く。スカイツリーが見えた。遠くに元カノが見えるような気がした。

2016-06-22

これは小説 その3

ここまでやってきた理由や意味なんかはわからなくて、全然生きている理由や社内の立ち位置がわからなくて、あだ名で呼ばれる三十路の自分を少し俯瞰で見たりしているうちに雨が降って折りたたみ傘を出すのをやめて酸性雨に打たれて死のうかなって。

さんせいー

ルパンに心まで奪われてしまえば、僕だって彼女を諦められたと思うんだよね。好きって気持ちと執着が混ざって、大切なものがわからなくなって見ないふりをしてしまう。大事なことは言葉にしないと伝わらない。でも自分を知らないと大事なことには気づけない。

酸性雨は僕を溶かして、僕を消す。消えた僕は過去だけになる。

ゆうくんはいつも自分を知られるのを異常に嫌うよね。それはなんで?

そう言う元カノは浮いていた。重力から逃れて少し地面から浮いている元カノは死にたい気持ちになると、浮いていく。もう地面から10センチは浮いていて、僕と目線が近くて、見つめ合うと少し身長の高い女の子に思える。

自分をなくすとどんどん過去を思い出していく。

ゆうくんは知られたいくせにさ、知られたくないよね。外見だけというか、なんだろう。知られたくない場所は絶対に踏み込ませないよね。

そう言って別れた元カノに久々会うと、昔よりさらに浮いていて、僕の目線の先に膝が見えた。

最近、死にたいんだよね、

上の方から聞こえる彼女を声を見ると、パンツが見えた。薄い水色だった。

見えてもいいやつだから、と元カノが言うけれど、ジーンズでも穿けよと思ったけど言わず、元カノのパンツと会話する。

死にたいのは同じだよ、

ゆうくんの死にたいとは違うよ、ゆうくんは税金払ってないから人間じゃないし、水槽の中にいるだけで外の世界を知ったように見て、死にたいって思ってるんでしょ、それは違うよ、私はさ、なんかもう、違うんだよ、小説まだ書いてるの?それが唯一のアイデンティティだったんでしょ、形だけの死にたいや物語だけの死にたいじゃないの。

少しずつ上にあがる元カノ。

僕もう税金払ってるよ、

嘘!

見上げると、もう元カノのパンツは空の色と交じって彼女の表情が見えなくなる。

働き始めたし、小説もやめた。

僕は山に語り掛けるように大きく言う。

僕はもう普通になったんだよ、

元カノの返事は聞こえない。

元カノはもう見えない。

出勤前の電車の窓から遠くに浮いている元カノが見えたような気がしたけれど、無視をした。

浮いたら戻れない。

僕ももう浮きそうだけど、普通だからかろうじて普通を保っているけれど、踵が地面についていないことにさっき気づいた。

僕は小説をやめた。


つづく

2016-06-21

これは小説 その2

僕の言葉はセルフ禅門答のような言葉でしかなくて、日記でも小説でもなくて単純に記録なのかもしれなくて、生きていて、死ねと言われて頬でも殴れば我に返るのかと思いきや、何も思えない立ったままの自分がいて、まるで弁慶のように立ったまま死んでいるのかもしれないと思った。

でも生きてる。

弁慶ワンピースの白ひげは立ったまま死んで、僕は立ったまま死んでいるように生きていて、自分の世界に閉じこもってみんなあなたの登場人物だと思ってるんでしょう。生きているんだよ、と言われたことを思い出して、それを言葉にしてしまう。

誰が言ったのかもう思い出せないのに。

でもだって、ほら。

生きてるだけでどんどん記憶が蓄積されていき、無職だったのに社会人になってしまったから、無色透明なはずの世界に彩が増え、夢の中でも色があることを知ったんだよ、最近。昔の彼女が出てきて、夏でキャミソールみたいな薄い下着みたいなのを着て、一緒にの転がっていたんだけど、少しだけ彼女の胸が見えて、乳首がピンク色で、目覚めて、あ、今夢に色があったって気づいた。

起きて、夢に初めて色があった高揚感で、彼女のことを検索してしまった。すると、サウンドクラウドが引っかかって、まだ歌っていた。僕の名前を検索すると若い僕がずらっと並んで、僕は昔の僕をビンタしたくなる。

やめろ。

やめろ。

やめろ。

って。僕は何者にもなれない。才能はあるかと思ったけれど、なかった。ないんだよ。あるとおもったでしょ。

あるのはいらない真面目さだけ。でもその真面目って単純に臆病なだけの真面目。勤勉ではない。

やめろって。

自問自答で一番嫌いな言葉を投げつけられているのに死にたい気分にならない。僕の死にたい気持ちが忙殺する。塗りつぶされた現実には僕の色を見つけることは難しくて、僕は僕だからという理由で何かをやっていいわけではなくて、餅は餅屋で、適材適所がある。

じゃあ僕には?

たかが一次通過二次通過で選ばれしもの気分かよ。だめだな。客観的に見れない自分は他人しか見えなくて他人から見えている僕はいつしか老けて、なにもできなくて、目が醒めるまでは夢の中で、早く起きなきゃいけなくて、でも無職の時の感覚だとまだ眠っている時間だから、って人生を時間に例えて、ごまかすけれど、本当の気持ちは朝まで僕の近くにいてほしかった。

やめてよ。

昔に僕の小説を好きだと言ってくれた人が言った。なにをやめたらいいのだろう。

やめなよ。

どんととらすとーおーばーさーてー。

って笑う年齢を僕はもう過ぎてしまった。信じてもらえない。

やめるよって言葉も、死にたい気持ちも。

信じられないの。

やめてよ。

彼女は僕の小説を好きだったのは昔のことで、今はなにをしているのだろう。フェイスブックを見ると、結婚して子供もできて、子供の笑顔が画面越しに僕と目が合う。少しだけ彼女に似ている気がしたし、僕にも似てると思った。

でももう僕は彼女の声を忘れてしまっていて、彼女の言う「やめてよ」しか浮かばなくて、もう小説を書いている自分に安心していることをやめたいんだよね、ってフェイスブック上で連絡する。

変わらないね、

彼女からの返事に僕は言葉になれなかった。僕だけが変わっていない。僕の通っていたラーメン屋はいつの間にかパン屋に代わり、そしてテナント募集に代わった。

僕だけが、僕だけがここにいる。

どうしたらよいのだろう。

画面越しの彼女の赤ちゃんに問いかける。クリックしてすると泣いている写真に変わった。

泣けばいいのか。


つづく

2016-06-20

これは小説

なんで最近センチメンタルなのだろうと思ったら、友人が死んだ時期だった。

その年もいつの間にか春は暑くなって、変わってしまい、蝉は鳴かず、暑さだけが存在している。

その暑さの時に友人は死んだ。

これは小説。

友人は川の中で死んだ。たぶんすごく暑い日だったのだと思う。すごく暑い日で、コンクリートも溶け、溶けたコンクリートの中から、恐竜が出てたまのりしこみたいねと思ったから、川の中へ入ったんだと思う。

川の中はどんな気分がしたんだろう。もう聞けない。聞こえない。

死に対して僕は無力で、僕はいつか死ぬし、好きな人も死ぬ。

死んだらどうなるのだろう。今とどっちが幸せ なのだろう。

僕は今幸せなのに、砂漠の中にいるような気がする。

給料が今の那由多倍あれば、幸せかもしれないし、十倍でも幸せで自由になれることも分かっている。

自由になりたいのか。

考える。考えながら言葉を打つ。自由になりたいなら、入水でも飛び降りでもしたらよい。

不安なんて全部消える。全ては霞だったって気づけるはず。

でも生きている。

生きてていいのかわからなくなる。小説を書く才能ないのにって思いながら自分の中にほんの少しだけできるのではないかって、友人もほめてくれた。

だからできるんじゃないかって。

でも僕は凡人でぬるま湯でいるこしか考えていないぬるさが感染して、夢を語る若者とは違うと思っているだろうけど、違うのは若者ではないってだけ。もう若者じゃない僕はもう死んだ方がいいんじゃない。

生きている価値はどこにあると思っているの。

と自問自答が僕の腕を首元をかすめていく。こんなうだうだうじうじして時間が経つだけ。

もうすでに経っている。絶っている。立っている。立ち続けた僕は、汗をかいていた。

これは小説。

友人のことを考える。小説を続けている僕をどう思うだろうか。

僕は昔死のうと思って、ビルに上った。明日でいいかと思って、次の日、ビルへ行くと警察と救急車がいた。誰かが自殺をしたみたいだった。

僕はお笑い番組を見ていた。笑っていると、きゃあと声が聞こえた。でも僕はテレビを見ながら笑っていた。しばらくして救急車のサイレンが聞こえた。僕の下の階の人が飛び降りて死んだらしい。

僕だけが生きている。人生をなめているのかもしれないね。

どうにかなったのはたくさんの犠牲がいるからだということに気づいていない。

たくさんの死体の上に僕は立って死にたいって笑っているようにしか見えない。お前の根拠のない自信はなんだ。

お前は何者にもなれないんだよ。

現に最近働くことに価値を見出してしまっているじゃないか。

弱い人間でなんでもない人間はみんな嫌いですよ、だからもうやめるんでしょ。

これは小説。

知っ得情報もない、かっこよくもない、自信だけは根拠もなくある武器はおはようございますの声で消える。

SOSが聞こえない。声なのに。同じ声なのに。

見下しているくせに、見上げて羨ましがっているフリして、自分が自分であることに誇りを持って、そんなのは豚の餌にもならないことに見て見ないふりをしていて、僕は生きてていいのかって。

もういない友人に語り掛ける。ツイッターなら返事が来る気がした。でもフォロワーが減っただけで、ミクシィならばと思ったけれど、アカウントを思い出せなかった。思い出せなくなっている。

「もう私も忘れちゃうんでしょ、都合よく思い出して、都合よく使って、」

死んでもいいじゃん。もう30歳まで生きたのは立派だよ。何も成し遂げていないのに。

友人の声と僕の声が重なる。

そこまで言ってもほら死なない。やめない。生きるんでしょ、続けるんでしょ。

うじうじ言葉にしなきゃわからないし、伝わらないなんて、鉛を飲んで海底で住んでいるのと一緒かもね。

という小説。

つづく

2016-06-07

6/6

繰り返される日々をどう記していけばいいのかわからなくなる。電車が変わってずっと座って職場へ行けなくなって引っ越すかとぼんやり考えている。フジロッ久(仮)を聴いている。梅雨が来たらしい。じめじめした毎日。何を着ていいのかわからなくなる。

小説を書く。書きながら、自分は無意識どうやって直しているのかを言葉にしたくて、する。

Twitterで直した理由を書いていく。きちんと小説を書いていく。