TPPのどこがいけないのでしょうか?

安倍首相は15日、首相官邸で記者会見し、環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を正式に表明した。

TPPを「アジア・太平洋の未来の繁栄を約束する枠組み」と位置づけ、交渉参加を「国家百年の計」と説明した。日本は参加国の同意を得たうえで、7月にも協議に加わる見通しだ。コメなど農産品を関税撤廃の例外扱いとできるかが今後の焦点となる。政府は同日、TPP参加で実質国内総生産(GDP)は3・2兆円押し上げられるとの試算を公表した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130315-OYT1T01068.htm?from=ylist
(読売新聞オンライン)

一番に言われるのは
「国内農業の保護・食料自給率の問題・食の安全確保」
なのだが‥

①国内農業は「企業努力」はできないのか?

ただ「農地を持っている」というだけで、それに胡坐をかいて売れる農産物を作っていない‥まあ、農地の管理の問題で農地転売が出来なかったり「百姓心理」で農地を売れなかったりという問題があるので、そこらへんの農地管理制度や税制を変えなければいけないのだが、集約的農業・専門家や「やるきのある農業従事者」が農業をやれるようにしなければなりますまい。

企業努力なしに「のうのうと保護されて生きる」と言う前提を先ずは変えましょう。

②国内自給率は高ければ良いのか?

小麦やとうもろこしのように、国際市場での価格変動や、外国為替のレート変動に大きく影響される‥エネルギーと似通っているのだが‥という観点からは、たしかに主食についてはそういえるかもしれない。ただし「輸入が0」になる事を想定した議論は現実的ではないことは確かであろう。

③現在の日本の食品の安全基準を変えるのか?

国内農生産物であるか国外のそれにかかわらず、一律に安全基準を敷くのならば問題はあるまい。「輸入牛肉のみの検査」などは問題があるのであろうが‥まあ、国内生産であろうが国外であろうが、いいかげんな者が作った生産物は存在しうるわけで、国内=安全、国外=危険度が高いなどというのは、偏見にしか過ぎない。安全検査はいちりつにやるべし。

ナニをもって「安全なのか」というのは、その国々の「国民感情」も含め各国によって異なるのであるから、これはもう仕方がない。日本は日本の基準で検査をすれば良いことでありましょう。

最悪、「この商品は輸入・販売は出来るが、日本国の安全基準からは『Bランク品である』」としたってかまわないわけで、そこから先は安全をとるか、値段をとるか‥消費者が判断すれば良いことです。その市場動向によって、実際に販売する業者の判断が生まれます。

TPPは農業にとっても、構造的改革・変化をもたらし、健全な淘汰がなされ、能力のある者にとっては大きなチャンスが生まれることなのではないでしょうか。

社会が必要とする能力がなかったり、あってもそれが認められなければ、淘汰されてしまうのは仕方のない事でありましょう。厳しい事ですが、それが現実です。

ただ「頑張ればいい」ということではなく、認められるまで頑張り続けることが必要なのはそういうことなのです。子供たちに勉強を教えるときに、私は「口をすっぱくして」それを言います。子供にとって厳しい事かもしれませんが、あとになって「初めて」その厳しさにふれて、つぶれてしまうより良いでしょう。


勿論、淘汰と言えども死に絶えるわけではなく、輸出産業など好況な産業へ「職換え」するだけのことであります。普通は当たり前のように、好不景気の経済の波や、産業構造の変化に合わせておこりうることです。

それがなぜアカンのでしょうか?