赤ちゃんポスト

熊本県の医療法人・聖粒会が運営する慈恵病院(蓮田晶一院長)が、親が養育できない新生児を預かる国内初の「赤ちゃんポスト」の設置を同市に申請しているそうだが、厚生労働省は22日設置を認める考えを示した。もちろん「現行法では明らかに違反とは言い切れない」という歯切れの悪い言いかたではあるが少し前進だ。


 人目につきにくい病院の外壁に縦45cm、横64cmの穴を空けて、開閉できる扉を設け、36℃に温度管理された特製の保育器を置いておくそうである。何か頭に浮かべると怖い入れ物になるわけだが、保育器に子供を入れると、その重さでセンサーが働き病院内にブザーで知らせるそうだ。そして、この後が一番重要なステップになるわけだが、親が名乗り出なければ警察や市役所、児童相談所などと連絡を取った上で施設に引き渡すことになる。万が一名乗り出て、自ら育てるか、親権放棄して里親に引き取ってもらうかを決めてもらうという。現実はやって見なければ分からないが、いい里親に渡ることが母親として一番うれしい事なのでは無いだろうか。


 ドイツにはこのシステムが定着しようとしているそうである。現在ドイツの70箇所以上の場所に「赤ちゃんポスト」設置され、6年前から運用されていると言う。まだまだ里親の問題等、解決していかなければならないことも多いのであろうが、誰かが口火を切って広めていけば沢山の命が助かるかもしれない。


 今、日本では少子化問題で騒がれている。一番大切にされなければならない時代に虐待される子供が後を立たないということも、この赤ちゃんポストの設置につながる時代背景があるのだろう。慈恵病院 蓮田院長は医療の原点は生命の尊さにあるという、沢山の難問を乗越えて軌道に乗せて欲しい願う。

慈恵病院
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