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2017-10-15

最近のこと

やっぱりこっちは暑いなーと思ったら、ここ数日急に涼しくなりました。北の大地から来ているので二十度ちょっと切るくらいは涼しいの範疇ですが、それにしたって一日で十度ほども下がるなんて。ちょっと身体がついていかなくて、ただでさえぼんやり気味なのにさらにぼんやりに磨きがかかっております。輝くよ、わたしのぼんやり。


さてさて。こちらに来てからはがっつりゲームというわけにもいかず、楽しみといえば本を読むくらいですかね。映画館も行けないこともないけど、映画館がたくさんありすぎてよく分からない。。地方の映画館なんて前売り買ってなくても予約してなくてもその場で買って入れちゃったりするし、なんなら観客が一人ってこともあるくらいだし。まずはこっちの人に予約の仕方から聞かなきゃいけない気がしてきました。都会は大変だなぁ。

というわけで、娯楽の中でも非常に手軽な読書がめっちゃ捗っています。通勤時間もちょっと長いし。しかしなんでこんな状況なのに、積ん読本を持ってこなかったんだ自分。。こっちで買い直すのもなぁ。


そういえばしばらく本の感想は書いてなかったなーと思ったら、今年の五月から書いてなかったのか。。映画はマメに書いてるけど本も書いとかないと読んだことすら忘れてしまいそうだ。


えーと、ちょっと時間が経ってしまったけど「順列都市」読みました。イーガンです。難しイーガンです。もうね難しいってわかってるから、SFネタが100%理解できるわけじゃないつもりで読むので、まあそこはいいんですよ。(ほんとはちゃんとわかってると面白さが違うんだろうなあ。ちょっと悔しい。。)ジャンルとしてはポストヒューマンもの(進化した人間を描いたもの)に相当するのかな。コンピュータアップロードすることが可能になった時代に起こり得る「格差」という視点がとても面白いんですよね。コンピュータ上で人格をソフトウェアとして実行するためにかかるコストによって、どれだけの時間(コンピュータの世界なのでセカンドとかそういう単位)自分を実行できるか。そこにお金がかかるわけです。もちろん起動していない時の自分に意識はないので、前回の実行からの間がどれだけ長かろうとそのブランクを気にする必要はないのですが、現実世界ではとてつもない時間が流れていたりするわけで社会的に置いていかれるわけです。浦島太郎的な感じで。肉体的な死がなくなっても、社会的、ソフトウェア的な事実上の死がやはりそこに存在していて、そういうところはさすがにイーガンだなあと思いました。

さらに後半は度肝を抜かれるような展開があったりして、SFネタが難しいわりに人間のコンテキストに寄り添うような普遍的な物語に着地するところがやっぱりすごくいいんですよね。

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)


続いてはアサシン クリードの公式ノベライズ

ゲームではなく映画のストーリーをなぞる内容ですが、けっこう翻訳の文体が好みで良かったです。映画では説明がなかったキャラクターの先祖が明かされたり(ご先祖はゲーム由来のキャラ)、こういう補足的な部分も楽しめました。エツィオの名前もちらっと出てたしね。


オーバーロードの街を読了しました。

これはどういうジャンルになるのかなあ。SFであることは間違いないんだけど。介護パワードスーツの暴走、ゲーテッドコミュニティ(メンバーだけが出入りできるようにセキュリティで固められたマンションの自治みたいな感じ)で起きた殺人事件ナノテクノロジーで構成された所属不明のロボット使役する少女などなど、面白キーワードがたくさんあるし、アクション要素もあったりしてすごく面白いです。が、やっぱりこの作家の真髄は危機的な状況にあっても長々と続く会話劇と、そこから展開していく途方もない世界観だと思うんですよね。登場人物たちは格差の下から上まで様々です。現実の、経済によって生まれた格差によって分断されている。ある程度は努力でどうにかなっても、世界的な状況は個人では変えられないわけです。人間が関わっているのに、人間の手ではどうしようもないもの。物語の中心はその「どうしようもないもの」にあり、人間たちはそれに翻弄されるばかり。でもこの物語の、この作者のキャラクターたちはとても実践的なんですよね。明日世界がどうなるのかなんて分からないけど、いまここで生き延びることだけを考えている。それがすごく魅力的だなあと思います。

それと、「どうしようもないもの」と母と娘の物語が奇妙にリンクしているんですよね。世界と個人が接続するお話がすごく好きで、そういう面も良かったです。

オーバーロードの街

オーバーロードの街


あと、合間に天冥の標をちょくちょく読み返してました。いま6の宿怨まで読んだとこ。確か来年には完結の予定のはずなので、今の内に予習ですね。これは初回読んだ時でも文句なく面白かったのですが、読み返すと「ああ、ここはあれだ!」と後の展開の伏線に気づいたりして、二度目も楽しいという。また他のサブキャラにも注目したりして、世界や時系列がとても広大でこういうのもシリーズ物の楽しみですね。もう全巻うちから持ってくるんだったわ。

天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)

2017-10-07

最近のこと

ここ最近は、なんだかそわそわしています。いや別に頻繁におトイレ行きたいわけじゃなく。長年の友人がけっこうしんどい状況にあったりして、なんていうかこう、自分の人生を俯瞰する機会が増えたなあと、そんな感じです。

私の毎日というのは、ささやかなイベントはあれどこの数十年の間さほど大きな事もなく、もう全自動のように進行しているんですよね。別に生きている実感がないわけじゃないけど、それほど意識して懸命に生きなくてもなんとなくやり過ごしてしまう。でもね、周囲はお仕事で途方もないストレスを抱えていたり、子育てに忙しかったり、泥沼の離婚を経験したりと、まあいろいろ大変そうなんですよ。そういう周りの喧騒の中で、その中心である「ここ」が真空状態だな、と。だからと言って自分も忙しく、人生を充実させよう、なんてことは全然思わなくて、私には私の物語においての幸せというものがあって、それさえ全うできればそれで良いんですよね。

ふーむ、そわそわしている原因を探ろうと思ったけど、うまく見つからないな。

2017-10-05

最近のこと

忙しさが去ったと思ったら長期の出張に突入しました。ほんとなんなんだ、このお仕事。悲しいかな、出張も手馴れたものなので多少の不便はありつつも平常運転です。むしろ普段よりちゃんとお弁当作ったり早く寝たり、健康的かも知れない。。

[]ドリーム

観てきました。1960年代人種差別男女差別という二重の困難を乗り越えて活躍した女性たちの物語。


先日見た「ワンダーウーマン」でも思ったのですが、能力なんですよ。その能力を持っている、その能力で役に立ちたいという、ごくごく基本的な欲求、ただそれだけだと思うんですよ。そしてその能力には肌の色も、男女の差もさほど関係がない。まあ確かに体格の差という物理的なものはあるから、まったくないとは思わないけど。でも理数という高度な抽象概念には、そういう物理的な外見は関係がない。能力を持った人がどんな外見をしていようと、導出される答えは同じはず。

「わたしにはそれができます」と言えること、そして良い仕事には「よくやってくれた」と相応の報酬と評価があること。それを実現するのが困難な時代に、正面切って挑んだ三人がとても素敵でした。


ネタバレ

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2017-09-23

最近のこと

忙しい日々もちょっと落ち着いてきました。はあ、なんだったんだ、あの忙しさ。休出の合間に駆け込みレイトショーのダンケルク観に行ったくらいだったのに、土日ちゃんと休めるようになると部屋でだらだらしてしまう。忙しさの勢いで他の事もやっつける時ってあるなあ、と思います。

[]エイリアン コヴェナント

観てきました。エイリアンの新作。

一応シリーズは押さえていて、前作のプロメテウスも観てます。ちょっと続きものぽいところもあるので、せめてプロメテウスは観ておいた方が楽しめるかな。

というわけで、エイリアンです。もうエイリアン映画といういちジャンルでいいんじゃないかと思うくらい、エイリアンが出てきて人間があっさりと殺されていきます。作品ごとに阿鼻叫喚の風情がちょっとずつ違うのが楽しいところですが、今作はなんだかクルーの人たちの涙目が目立ちました。これまでの作品だと軍人が居たりしてそんなにパニくる人は少なかったと思うんですが、なんだかみんなすごく動揺しちゃうんですよね。まあそれがこの映画の見所でもあるので、人間がひぃー!とかぎゃあー!とか言いながら、エイリアン無双の前に散っていくところはめちゃくちゃ怖いのにちょっと楽しい。

なんだろう、監督はむしろ人間が嫌いなんじゃ?と思うくらい、個々の決意や生きる意志のようなものが、エイリアンの強力で暴力的生命力の前に儚く潰えていくんですよ。さっきの約束なんだったんだ、って感じで。

まあそんな人間の中で、一人だけ冷静というかぼーっと参加してるアンドロイドが今回の主役、なのかも。というかこれはエイリアン映画なので、エイリアンが出てきて殺すという(ニンジャが出てきて殺すみたいな)明確なベースラインがあるので、エイリアンが出てくるくらいでは驚かないのです。むしろ出てこない方が驚くわ。確かに出てくる演出で驚いたりはするし、今作はエイリアンの造形もけっこうグロい感じでかなりぞわぞわしたんですが、存在自体は自明のものとして映画を観ているわけです。

そんな中でこのアンドロイドの存在がかなり不気味で、なにを考えているのかわからない底知れなさ、突然の感情の発露とか、ミステリー部分を牽引しているんですよね。おなじみのエイリアン映画に人間ではない存在をうまく絡めていて楽しかったです。

2017-09-16

最近のこと

んん、気がつけば9月も中旬。乗り切れないほどでもないけど、ちょっとだけ余裕がない生活に少し疲れてきました。はーあ。でもこんなに忙しくてもコード(プログラム)を書くことは嫌にならないんだよね。好き、という若さはもうないけど、生活の糧としての職業としては良かったのかも。

[]ダンケルク

クリストファー・ノーラン監督、新作。

最初に「戦場に取り残された兵士を救出する」お話だと聞いた時には、正直に地味だなあと思ったんですよね。あー、なんだSFじゃないのかって。ちょっとどうしようかな、忙しいし観に行くのやめようかなと思ってたんですが。予告でタイムアップを暗示するような音楽と映像を見た時に、やっぱり観に行こうと思いました。

んで。良かったです。決してエンタメに寄っていない、観る人の読解力を信頼した造りの映画でした。ネットを調べたら事前におおまかな事実を知ることができる現代で、based on true story(実話を基にした物語)は何を語り得るのか、という映画であったと思います。

フィクションには視点があります。一人称、映画やゲームでいう主観視点というだけでなく、三人称視点、監督の語りたいものが語りたいように描かれ、完全な客観というものは存在しません。

この映画も当然そうのような視点にあります。が、この視点は「語り」というものを極力排除しているために、より観客に語りかける、観る側にストーリーを想起させるんですよね。


以下ネタバレ

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