キャッスルヴァニア ロード・オブ・シャドウ


!!! 攻略やヒントはありません!感想だけです! !!!

魔物や悪魔が跋扈する幻想的な中世のヨーロッパを舞台に、魔物によって殺された妻マリーを蘇らせようと万能の力を持つと言われる「ロード・オブ・シャドウ」を目指す戦士ガブリエルの物語。

正直に言うと、そんなに期待してなかったんですよ。「悪魔城ドラキュラ」の後継シリーズらしいのですが、その「悪魔城ドラキュラ」すらやったことなかった。さすがにタイトルは知ってたけど。それでも買ってみたのは単にコジプロ関連ゲームだって言うのと豪華声優陣というふれこみだけ。でも今なら思います。買って良かった!

ゲームについて:
まず難易度は見習い騎士で(一番簡単なモード)。このゲームって中世のヨーロッパというガチガチにファンタジーな設定なのに主人公が使う武器は鞭なんですよね。剣じゃなく。どうなんだろうなあ、と思いつつやり始めたら鞭のリーチの長さを活かした無双っぽいアクションがすごく気持ちいい。適当にボタンを押しててもびっしびし当たりまくり、敵がぶっとんでいく感覚が爽快なんですよね。剣でのアクションゲームの場合って、攻撃は剣で防御は盾で、とそこで発生する切り替えがとっさに出来なくてもどかしい思いをすることがあるのですが、このゲームはシンプルに鞭ぶん回しで防御など攻守切り替えが一つのアイテムでできるというシンプルさがとても気に入りました。それと滞空時間の長さ。ジャンプしてから着地するまでたっぷり4、5回は鞭をふるう、物理的にあり得ない漫画的なアクションなんですが、これがアクションに幅を与えているように思いました。鞭振り回しで敵を巻き上げながらジャンプで更に打撃、とか一見すご技に見えるアクションもわりと簡単に出せちゃうんですよね。まあ私の場合は偶然出ているだけですが。
あと中ボス敵の攻略など、すぐに分からなくてもやっていくうちに攻略が見えてくるという部分もすごく楽しかったですね。ちょっとネタバレすると、オーガという巨人が建物の隙間からぬうーっと出て来た時が一番わくわくしました。あの見た目のインパクトが一番面白かったし、攻略も「えっどーする?どーする?」って感じで全然見えなくて攻略しがいがありましたねえ。何度叩き潰されたことか(笑)
一方でハマってしまったのがやっぱりちょっとしたアクションでした。フック(青くきらきら光る、鞭を引っ掛けられるやつ)が微妙に見えないところとか、基本アクションで攻略できるのに無駄に大技使ってみたりとか、本当にささいなところで詰まってましたね。うーん、クリアできたからいいけど。ボス戦の難易度もクリアできそうでできない、とても良いさじ加減でした。まあ、一番簡単なモードなのでボスもすごく優しいですけどね。

物語について:

ちょっとネタバレしています! ***





この物語は主人公ガブリエルの救済という個人の物語をゾベックという第三者が語るという形式をとっています。これには理由があってネタバレしてしまうので書きませんが、最終的に彼は自身の救済を犠牲にして世界を救うことになるんですね。自分は救われないけど、世界を救う、と。実はこの辺がちょっと理解が難しくて、ガブリエルめちゃくちゃ可哀想、としか思えないんですよ。まあこういう悲壮感のある物語の方が好きなのでいいんですけど。多分物語はエンディングである種の救済を彼に与えていると思うんですね。世界と引き換えに犠牲にした彼個人の人生へのささやかな救い。そういう部分は理解できるのですが、そこに自己犠牲を持ってくる世界の方がやっぱりうまく理解できない。それはもしかしたら、キリスト教圏の原理的な考え方なのかなあと思うんですが、救済と自己犠牲をすっきりと結びつけるアイデアが自分の中にないんですよね。うーん…そういうことはあまり考えずに、悲劇の英雄としてとらえた方がいいのかもしれません。

声優陣について:
声優さんはあまり知らないのですがMGS関連だけはよく知ってます。やっぱり今回一番良かったのはガブリエル役の藤原啓治さんでした。いやーよく考えたらクレヨンしんちゃんの父ひろしなんだよなあ。アクションのかけ声(?)がやたらカッコ良くて一緒に「ぬんっ!」とか「たあっ!」とか叫んでました。楽しい。それとクローディア/ババ・ヤーガ二役の小林ゆうさん。すごいなこの人。同じ声優さんとは思えない。クローディアには精一杯応援され、ババ・ヤーガには死ぬほどバカにされました(笑)

ゲームから少し離れますが、こういう面白いアクションをプレイしているとなんでこれ映画化しないんだろうな、と思います。実写じゃなく、CGアニメーションとして。デモシーンだけでも十分鑑賞に耐えられる品質だと思うんだけどなあ。去年ことごとく良質のCGアニメーションを見逃している悔しさもあるのですが(笑)、こういう大人向けのドラマもCGアニメーションとして展開されてもいいんじゃないかと思うんですよね。(「シュレック」はまあ大人向けと言えば大人向けかな)それと去年「タイタンの戦い」という映画を観た時に、まるでゲームみたいだと思ったんですよ。無茶なアクションとか、主人公の無敵さ加減とか。そしてゲームをしていてこのアクションそのものの面白さを映像で表現できたらすごいんじゃないかなと思うんですよね。というか、まあ「キャッスルヴァニア」の映画をじっくり観たいってだけなんですけど。