たまにはこんなふうに書いてみる


前にテーマを決めずにブログを書いた方が向いてるんじゃないかと思ったんだけど、最近また1記事1テーマの形式で書く方に戻りました。ので、今回はテーマを決めずにつらつらと。


ちょっと前に仕事を辞めました。はてなでは退職エントリを書いたりするのが通例みたいですが、前職はめっちゃ狭い業界で下手に書くとバレそうなので止めておきます。まあバレたところで仕事のことはほとんど書いてないけどね。その代わり、退職するに当たって業務に関するドキュメントを残してきたのですが、その時に役立ったのがこの本でした。

基礎編と推敲編の2冊ありますが、今回はあまり作成したドキュメントを推敲している時間がなくてほとんど基礎編を参考にしました。ドキュメントの一部は基礎編を読んだ時に早速実践してみたくて作成したものもあります。基礎編については以前感想を書いてますね。


数学文章作法 基礎編 - ここでみてること

数学文章作法 推敲編


ブログのように面白い文章を書くテクニックではなく、読み手に確実に事実を伝える文章の作法(さくほう)です。味のあるとか、惹き付けるという文芸的な部分はまったくありません。が、この作法をよくよく見てみるとプログラムを書く時のスタイルによく似ています。
例えば推敲編の1章では「読者の迷い」というタイトルで読者がどのように文章を読み、理解していくか、その過程をいかに理路整然とするかを説明します。これって、プログラムを書く時に意識することによく似ているんですよね。例えば、宣言をせずに変数を使うとか。小説であればそれまで説明のなかった名詞が突然出てくるというのはたまにあるし、読者を惹き付ける謎として機能するかもしれないけど、ただの業務文書ではいらいらするだけですよね。プログラムはいらいらする代わりに構文エラーを引き起こすんだけど。きれいなプログラムのソースコードは読み手に余計な負荷をかけません。(もちろん、これとパフォーマンスがいいというのはまた別の話だけど)それと同じように文章を書いてみるということ。期待しない値の時にどう評価されるか分かりにくい条件式を書くのではなく明確な式にするように、余計な指示語や無駄な言葉を整えて文章を一意にする、という部分はよく似ていると思います。
でも文章でもプログラムでも、そういう「分かりにくい」と思われる部分に自分からはなかなか気がつきにくい。読んでいる時にははっきりと分かることも、書いている時にはなかなか意識するのは難しい。その「読み手」と「書き手」のことも本書では「帽子」という比喩でうまく説明しています。


と、ここまでは仕事での文章作法のお話。
せっかくこういう本を読んだのだから、このブログもそうしよう!理路整然と書くぞー!となるかと言えば、それはまた別のお話で。基礎編、推敲編で示されているように、一般的ではない名詞が突然登場するとか、語尾(です、である、など)を統一するなど基礎的な部分はすごく参考になるけど、最初からはっきりと結論があって書いているわけではないので、理論的な段落とか分量のバランスはあまり気を使ってません。アップする前に誤字脱字、変な言い回しがないかどうかくらいはチェックしてるけど。よく同じ言い回しを文章内で二回も使ってたりするんだよね…。まあもうちょっとバランス考えた方がいいのは分かってるんだけど。


こうしてブログというパブリックな場で書いているのは、考えたことやアイデアというふわふわしたものを外部に発信するために言語というしっかりしたものへと固める必要があるから、なんですよね。そうしないといつまでもふわふわしたままでいつの間にか消えてしまうから。で、言語化をするということは、ある程度は人に理解してもらえるようなものでなくてはならない。誰でも見られるような場での文章ならなおさら。というか自分が読み返した時にちゃんと理解できるものである必要がある。そういう意味ではブログなどある程度長い文章を書く人にも役立つ本だと思います。


さて。時間あるんだからもうちょっと頻繁にブログを書いてもいいと思うんだけど(笑)ここのところ今までやったことがなかった言語でプログラムをちょこちょこ書いてるのが楽しいです。まあこのブログではあまりそういうネタでは書かないけどね。