Windows CE Vs Android

どうも猫も杓子もAndroidといった感がある。一過性の流行か、それともこのまま続く流れか。純粋にビジネスの話しはともかく、組み込み技術者から見た場合どうだろう。
見た目の良いユーザーインターフェースが実現できるWebKit、アプリケーションの流通をしやすくするDalvik VMなどがうけて、盛んにスマートフォンに採用されている。確かにこの辺りは、Androidの魅力だろう。だが、その中身を詳しく知ると、コアは、Linux、組み込みLinux が廃れてしまったように、これは組み込みシステムには向かない。純粋にOSとして見た場合、Windows CEより遥かに時代遅れのように感じらてならない。友人が、LinuxのUSBドライバーを書いた時に語った感想では、ハードウェアに近いOSの下層部分がきちんと整理されておらず、ポータビリティーも低い、なんだかんだといっても、やはりWindows(Windows CEを含む)は良くできているとのこと、Linuxでドライバーを書くとなると、かなり泥まみれになる覚悟が必要だそうだ。
だが、スマートフォンの利用者にとって見れば、そのような中身の事情など全く知らないし、どうでも良い、要は、電話として使えて、面白ければよい。事実、Androidの設計者たちは、OSはどうでも良く、たまたまLinuxであっただけとの事である。Linuxの欠点を嫌って、本当にコアの部分だけを使ったという話しも聞いたことがある。この辺りは意外と冷めており、商売に徹している感がある。
スマートフォンに限って言えば、Microsoftはとても苦戦している。また、Compact 7 もまだ出てこない。では、Windows CEはもうだめか、そんなことはない。Windows CEはそもそも、組み込みシステムのために、Windowsから再設計されたRTOSである。スマートフォン専用OSではない。十分に時間を掛けて、性能課題も克服された、完成されたOSだ。ここがLinuxベースのOSとは違うところだ。OS自体がコンポーネント構造になっていることから、モジュールの取捨選択が安易で、スケーラビリティが高い。電話意外にも非常に用途が広い。今後はわからないが、今のところ、Androidが電話意外で成果を出した話しはまだない。流行りに惑わされず、冷静に端末の目的を考えれば、現時点では、Windows CEを強く勧める。
Hiroyuki Shimizu/CodeGear,Inc.