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栄養成分ブレンドコーヒーの手引き

2016-05-24 第277話 癌の珈琲論(その4)ポリフェノール検出法―後編

シリーズ『くすりになったコーヒー


 前編と同じ図1です。今回は実験➁のDPPH試験を紹介します。

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 DPPHとは食品の抗酸化性を調べるために考案されたジフェニルピクリルヒドラジルという化学物質のこと(図2を参照)。比較的安定なラジカルなので、個体試薬として保存できるが、溶液としては保存できないので、必要なときに溶かして使います。で、保存法に工夫が必要なのが欠点です。

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さて、前回の実験?でコーヒー生豆エキスにフェノールが入っていることがわかりました。しかし、抗酸化性についてのデータは取れていません。生豆エキスを飲むと体内の酸素ラジカル(いわゆる活性酸素)と反応するのですが、それを直接観察することもできません。そこで活性酸素の代わりにDPPH試薬を使って実験します。ポリフェノールがあるとDPPHの紫色が消えることで、抗酸化性がわかります(図2を参照)。

●DPPHラジカルの色を消すコーヒー生豆エキスは、体内でも活性酸素を消去する抗酸化物質を含んでいる・・・と考えるのである。

 今回の実験?で抗酸化性が確認されれば、前回の実験➁で検出されたフェノールはポリフェノールということになります。こういうデータを使った健康食品のPRは非常に多いのですが、実はこれで話が終わるわけではないのです。図1に赤字で書いた「心臓病と癌を予防し長寿をサポート」する?・・・この部分がスッポリ抜けているのです。

●図1の赤字の部分には神話が生き残っている(コンキョのコの字もないのである)。

 サプリメントあるいは添加物としてのポリフェノールが、癌や心臓病を予防するという臨床試験成功の話は皆無です。ポリフェノールを飲んだ後で、何かしら検査値が改善したとの論文は多々あります。しかし数ある検査値の1つが良くなったからと言って、病気予防につながるなどとは言えません。抗酸化性ビタミンで崩れた神話がポリフェノールで生き残る訳はないのです。

●ポリフェノールは野菜や果実として食べたときだけ癌や心臓病を予防する。

その原理を薬理学説明するときに、DPPH試験データが使われています。ただそれだけの話です。

科学者とは、「自らは気づかずに大ウソをつく人」のことである。

 言い換えれば、科学者とか専門家とかいう人のなかには、狭い狭い専門分野に特化されたオタクが大勢混いるのです。その人たちが「安全なのだから・・・」といくら言っても、「安全ではありません」という専門家もいるのです。抗酸化サプリの食べ過ぎが「癌を増悪させる」というのです。次回からは、そういうお話を致しましょう。

(第277話 完)

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