ROLAND TB-303の本物を触った感想

3月の上旬に東京に行った際にROLAND AIRA TR-8 TB-3 などを発売日に楽器屋で触ることができた。大興奮して他のお客さんと会話したりしながらじっくり遊ぶことができた。

その何日かあとでせっかく東京にいるのだからとTB-303の中古を扱っていそうなお店で店員さんに頼み、仕入れ後そのままの状態のTB-303を触ることができた。

店員さんは 入力方法などを簡単にレクチャーしてくれた。TB-303にはカシオトーンのワンキー演奏モードに近いような入力方法もあると、そのとき教えて頂いた。知らなかった。

TB-303を模したiPhoneアプリやプロペラヘッドのRebirthなどの感覚でいけるかと思ったが、実機はちょっと難しくうまく入力できなかったので店員さんが数日前に打ち込んだというかっこいいパターンを切り替えながらツマミを弄って音を堪能した。

店内にはTB-303クローンのACIDLAB BASSLINEもあり、それと鳴らし比べてみたら印象には違いがあった。

本物のTB-303はただ鳴らしているだけで、ツマミを弄らなくても間が持つような妙な味がある。いわゆる電気で直接鳴ってるようなビリビリ感がある。

クローン機にはそういう感覚は希薄で、シーケンスの具合も生真面目。つまりオリジナルよりも行儀が良い印象があった。

滞在中に別のお店でKORG MonoPolyの中古を鳴らしてみる機会があったがMonoPolyの中古のフィルターの感じはTB-303に近い感じがした。経年劣化の具合など同じ時代のアナログシンセとして近いものがあるのかもしれない。

TB-303のオリジナルを鳴らしていて最も印象的だったのは、だんだん笑えてくることである。最初は音がイイなあと思って聴いているのだが、だんだんと「アホだなこれ 笑」とツッコミたくなるほど、変な音なのである。つい笑えてしまう。これは理屈抜きの感覚的なものであり、小さい子供からお年寄りまで老若男女問わず笑ってしまうようなくだらなさがTB-303のアシッドサウンドの本質にあると思う。「笑える」というのはすごいことである。

店員さんに現在のTB-303の相場を聞いたら20万円だそうで、驚いた。