ニューイングランド生活 第9週・第10週

(すみません、書き溜めてあったまま、12月中旬以降があまり書いていなかったため、更新が止まっていました。順次アップロードしていきます)

10/23 (Mon)
 前週に全然仕事をしていなかったので、気合いをいれていろいろ進める。科研の申請書をはじめ、諸々のメール連絡や事務処理。 

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10/24 (Tue)
 前日に同じく。集中している時は昼食を抜いてそれに従事し続けるようにする。ダイエットも兼ねた活動だが、体重はここしばらく77kg前後で変化なし。半年前よりは数キロ落ちたので、このまま維持したいところ。科研の申請書をひとまず書き上げ、信頼できる知人に読んでもらうため日本に送る。

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10/25 (Wed)
 二回目の路上試験を受けるため、いろいろ調べる。過去に受験した人たちがハンドシグナルのことを書いていたので、これは読んでおけばよかったと少し反省。基本的な操作、独自の注意事項について確認する。
 路上試験用の「スポンサー」になってくれるJさんをピックアップして、Greenfieldへ。意外な事に、試験監督者は前回ハンドシグナルの問いで落とした方だった。落ち着いてやるように心がけたが、縦列駐車で少々失敗し、またも不合格。気落ちしながら帰宅、なぜこんなにMA州の運転免許を取得するのが難しいのだろう。やや自己嫌悪。
 夜、気分転換も兼ねて、地元の映画館へ過去の映画の上映を観に行く。どちらもLes Blankというアメリカの民俗音楽(Folk Music)を主に取り上げてきた映画監督による作品の二本立て("Garlic Is as Good as Ten Mothers" (1980), "Yum, Yum, Yum! A Taste of Cajun and Creole Cooking" (1990))。画像は当然ながらかなり古かったが、若き日々のAlice Waters(カリフォルニア・バークレーで早くから地産地消を意識したレストラン"Chez Panisse"を開店したシェフ)が出てきたり、ルイジアナのザリガニ漁業のシーンが出てきたり、なかなか興味深かった。ちょっと気分転換になったかな。

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10/26 (Thu)
 日中は諸々の仕事。
 夜に妻と先日会った大学生と待ち合わせて、中国人アーティストAi Weiweiが制作したドキュメンタリー映画"Human Flow"を観に行く。内容は世界各地における難民問題を考えるもので、今まで自分が見ていなかった様々な映像が含まれていた。また、ドローンを利用した空中からの撮影も秀逸。ただ、約2時間半の内容で、後半はどこでどう終わるのかわからないまま見ていた。それを考えると、140分の映画を授業で使うのは難しいなぁと思う。
 映画終了後にダウンタウンの飲み屋へ行く予定だったが、妻が身分証明(年齢確認として必要なID)を忘れたために入店できず、今回は断念…。我が家まで帰宅し、学生も含めて12時過ぎまで家呑みを楽しむ。

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10/27 (Fri)
 記録なし。批判地理学のミニ集会へ参加する予定だったが、疲れが溜まっていたのと、それほど知り合いもいなかったので、遠征を取りやめる。

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10/28 (Sat)
 朝、ファーマーズマーケットへ。野菜をいろいろ購入。日中は大学フットボールの試合を見ながら読書。

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10/29 (Sun)
 記録なし。日中はNFLの試合を見ながら読書。

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10/30 (Mon)
 午前中はいろいろ雑用。数日後の旅程に合わせて準備をする。昼前に家を出てChicopeeのRMVへ。今回も同じくJさんに路上試験用スポンサーをお願いする。緊張しながら試験を受け、縦列駐車も問題なく出来たと思うが、ウィンカー点灯が遅かったり後方確認が不足していたりとの指摘で、今回も不合格。うーん、ショック・・・。これが「二度あることは三度ある」なのか。四度目の試験は受けられるのだろうか・・・。
 同乗して下さったJさんに徒労を謝った後、予定地ニューヨークに向けて出発。コネチカット州のNew Havenまで車で行き、駐車場に停めてから電車でニューヨークへ向かう。駅へ行く道を間違えて時間がかかったが、なんとか無事にたどり着く。電車は切符を買ってまもない時間に次のNY行きが出るところだったので、それに乗りこみ向かう。車窓から見える自然や建物がとても新鮮で、アメリカ以外の国にいるような気分だった。
 初めてGrand Central Stationまで行き、駅構内を少し散策したあと、宿があるPenn Station方面へ向かう。電車で2駅の距離だが、地上を歩きながら周囲を観察。他の都市にはない雑多さとクラクションの騒音を感じながら「いかにも大都市」という気分になる。ブロードウェーの曲線や5番街の賑やかさも、なんとなく懐かしい。ある人の予約キャンセルを引き継いで泊まることになったHotel Pennsylvaniaは、立地こそ良いものの、歴史あるホテルゆえに室内も「えぇ?!」と言いたくなるような古さ。でも部屋数が多い分、安い価格でも宿泊客が回転・利用して稼いでいるのだろうなぁと感じた。
 Yelpで近くにある良さげな店を探し、地ビールが豊富な38th St.の店へ夕食に行く。料理は少量だったがいろいろ飲めて満足。宿に戻り、翌日必要そうな資料を読んだりメールに返信したりしながら寝てしまう。

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10/31 (Tue)
 電気をつけたまま寝てしまったからか、6時過ぎに目が覚める。毎日これぐらいに起きれば良いのだが…。
 朝、近くで軽く朝食を取ったあとにPenn Station内部を散策。たしかに地下の駅だったが、ホームが広大でなかなか興味深かった。Amtrakはここから出ている様子。ちょうど朝8時半発ボストン行の電車が乗車を続けていたが、ニューヨークとボストンを往復する人たちは飛行機とこれのどちらを利用するのだろう、などいろいろ考える。ニュージャージーの地名も見慣れないものが多く、興味深い。
 午前中は残っていた書き物をしたり、論文に目を通したり。ホテルをチェックアウトした後にウォール街まで地下鉄で行き、その周辺を少し歩く。スタバで仕事をしていたら、隣のベルギー人集団に日本語で文書をタイプすることについて聞かれ、しばし雑談に。アルファベット文化圏の人たちには、漢字やアラビア語など非アルファベットをどのようにタイプするのかイメージがわかず、気になるのだろう。キーボードと言語入力の統一化が与えた影響について、研究があったら読んでみたい。
 本日のメインイベントは、午後からニューヨークのGrowNYCという農・食関係のNPOで開催されるワークショップ。元々は愛媛大のS先生が渡米しているタイミングに合わせて企画して下さったもので、ここの代表だけでなく、S先生と旧知の仲であったスローフードUSAの代表も合流して議論に加わる。話の内容はニューヨーク市内のグリーンマーケットの展開過程からコンポストや廃棄食品回収の実践と定着、行政との関わり、そして近年様々な都市で行われているFood Hubの形成について。途中、ジョージタウン大学のK先生もSkypeで話に加わり、主にGrowNYCの代表の話を聞きながら議論する。Food Hubは機能として重要だが、ロジスティクス(物流)面の機能を理解せずには進まない話でもあり、これまでのローカルフード運動とはまた一線を画すように感じた。「Food Hubが成長するとファーマーズマーケットは不要になるのでは?」というラディカルな問いもあったが(私はそう思わないが)、いろいろ考える余地のあるテーマだと思う。
 5時過ぎまでいろいろ話した後、解散。地下鉄の駅までS先生たちと歩きながら話し、Fulton St.の駅で別れる。貴重な機会だった、感謝。地下鉄でGrand Centralに戻り、そこからNew Havenへ電車で向かい、あとは自宅まで運転、約2時間で到着。NYCのグランドセントラルから自宅までドアツードアで約4時間ということもわかって良かった。

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11/1 (Wed)
 朝5時半に起き、出発準備。弟の結婚式に出席するため、この日から短期で妻と一時帰国の途へ。前夜にパッキングと書類作成を進め、数時間だけ寝て出発。最寄りの空港となるコネチカット州ハートフォードのブラッドリー国際空港へ8時半頃に着き、カナダ入国のためのeTAタブレットで登録してから(すっかり忘れていた!)、無事にチェックイン。ここでアメリカ入国用のビザ関係書類DS-2019を持参しそびれたことに気づく。参ったなぁ…なくても入れるかなぁ…などと考えた末、やはりないままではマズイと判断し、滞在先の部屋の鍵を持っているT先生へ連絡してUPSFedEx等で書類を送ってもらうようお願いする。数日前にカナダへ行った際はこの書類を持参していたのに、今回はすっかり忘れていた。ちょっと気が抜けていたのかな、と反省。
 ハートフォードから2時間ほどでトロントに着き、そこで乗り換え。空港内の食堂でピザを食べ、時間が来て出発。今回は結構満員のフライトで、当初から窓際の連続した席が取れなかったため、最初から諦めて後方中央部に二人で座る。ドリンクのサービスも悪く、なかなか来ないから2本同時に頼もうとしたら断られたりで踏んだり蹴ったり。ひたすら寝るか書類を読むかゲームをするかで時間をつぶしながら、約14時間のフライトを過ごす。

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11/2 (Thu)
 翌日着となる羽田への到着は午後5時過ぎ。空港へ両親が車で迎えに来てくれて、それに乗って混雑する首都高速を抜けながら帰る。約2カ月半ぶりの日本といっても、あまり新鮮さや驚きがない。我々二人と両親の4人で夕食をいただき、近況をいろいろ報告する。先日母が我々を訪ねて来ていたので、これもあまり驚きはなかったかも。父の会社が苦境の最中にいたが、少しずつ区切りをつけつつあるようで、話が聞けたのは良かった。

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11/3 (Fri)
 前夜からの睡眠はあまり長く眠れず、早朝に目が覚めて読書で時間を過ごす。でも朝食後ぐらいから急に眠くなり、再び睡眠。文化の日で仕事がなかったのが幸いした。
 昼前に出て、神保町へ。適当に歩いてラーメンを食べた後、アポがあったT社へ行き、担当の方といろいろ話す。初対面ながら、良き話ができたのではないかと思う。いずれ仕事が回ってくるだろうが、その時はまた自分なりに微力ながら貢献できるよう精進したい。
 3時過ぎにT社を出て、地下鉄を乗り継いで新宿御苑へ。毎年この時期に購入している来年度の手帳Slingshot Organizerを買いに、東京の代理販売店であるアナーキストショップのIrregular Rhythm Asylumを訪ねる。ここ数年は通販で購入していたので、店舗を訪ねたのは久しぶり。挨拶したり少し古本を観て買ったり。この手帳を使い始めて来年が11年目。もとは留学修了・帰国時に元ルームメートが別れのプレゼントとしてくれた物で、私はそれがすごく気に入り、以降は毎年これを購入して使っている。来年も良い年にしたいものです。
 新宿御苑から電車を乗り継ぎ、二子玉川へ。妻と待ち合わせて、短時間ながら高島屋で買い物、靴下を購入。それを終えてから妻の叔母宅@上野毛へ。久しぶりに妻の叔母夫妻と我々で食事に行き、天ぷら屋へ行く。あっさりめの感じだったが、薄い油で揚げているのが印象的だった。美味しく食べ・呑み、いろいろな話をして、二次会は新しい地下の店へ。ここでも新しい出会いがあり、会話が弾む。ビールやワインを結構呑んだかな・・・。12時近くまで呑み、お開き。翌日に備えてすぐ寝る。

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11/4 (Sat)
 朝6時半過ぎに起床。妻は結婚式用の着付けをしてもらい、私はスーツに着替える。用意を済ませてから出発。友人宅で同じく着付けをしてもらった母と自由が丘で待ち合わせ、日比谷線経由で築地へ。某タワー上が末弟の結婚式会場。割と早めに着き、少し挨拶をした後、雑談で時間が過ぎる。我々は兄弟が多いため、現在3世代で20人いる大家族。でも皆頻繁に顔を合わせているわけではないので、近況を話したりする良い機会だった。
 結婚式は建物の上のテラスにて。漫画にも出てきそうな白人宣教師による片言ニホンゴ&英語での式、宣誓や指輪交換などを執り行う。南西向きのテラスで日差しが強く、眩しい時間だった。写真をいろいろ屋外から撮ったが、うまく撮れたか気になるところ。
 屋内に戻っての披露宴は、良き時間だった。末弟の晴々した笑顔を観て、感涙が止まらず。いろいろな道を歩んできた彼だが、今後は二人で前向きに歩んでほしい。兄弟4人の写真を撮ったり、義兄と久しぶりに話したり、あっという間の2時間だった。T&Mちゃん、おめでとう!!!
 下へ降りて一息ついたあと、私は研究仲間と約束していたため一足先に退席。東京駅へ向かい、メンバーと落ち合う。我々は2009年から不定期で勉強会を始め、2012年には共同で論文を発表した4人組。近況や諸々の進捗状況や新たな動向などを話し合う。東京駅八重洲北口側に地下と地上で店がいろいろあり、一軒目は地ビール系パブ、二軒目は和食の居酒屋に入る。気の置けないこのメンバーでいろいろな話ができて、貴重な機会だった。まずは現在進行中の翻訳プロジェクトを完成させたいし、その後にまた皆で何かやりたいと思う。
 午後5時半ぐらいまで一緒にいろいろ話した後にお開きとなり、私は新浦安の実家へ帰宅。既に酒盛りが始まっていて、後から従姉一家も合流し、いろいろな人と話す。最後は結構酒が回り、やや感情的になってしまった時間もあり、反省。アメリカ西海岸に住んでいる弟と久しぶりにいろいろ話せて良かった。マサチューセッツでの生活は概ねうまくいっているように見えて、実は運転免許関係や学内の社交機会の少なさなどでストレスを抱えていたのかもと気づかされた時間だった。残る9カ月半の長期派遣期間を良い形で過ごせるよう、人に優しく前向きな姿勢を大事にしたいと思う。

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11/5 (Sun)
 前日呑み過ぎたせいか、朝から一日グロッキー。昼に近くの回転寿司店へ妻と食べに行ったものの、十分消化しなかった様子。また、ビザ関係書類の到着日を考慮し、出国日(アメリカへ戻る日)を2日延期する。午後に妻の買い物に付き合った後は昼寝。せっかく皆で行った夕食のふぐ料理も前半は全然入らなかったが、ようやく身体が受け入れるようになり、最後は雑炊を美味しくいただく。家に戻って家族麻雀。父が四暗刻を達成、初めて実際に見た・・・。