髪の毛を洗って、まだいくらか濡れている。このまま寝たら、ぜったいにへんな髪になるので(まあ、なってもいいけど)、それがかわくまでの時間、日記を書こうと思う。
エヴァンゲリオンについての思い出みたいなものがひとつある。面倒なのでエヴァと略すけれど、エヴァを見たのは、高校生のときだ(高校何年かは忘れた)。放送していたときは、自分の家はテレビ東京系列が映らなかったので、リアルタイムには見ていなかった。しかし、世間ではやっていたのは知っていて、そのときの唯一の友達が、そのまた友達かだれかに借りたビデオを、また借り(?)して、ぜんぶ見たのだった。熱狂、というのとは違うけれど、おもしろいと思った。盛り上げるのがうまいし、ルールを壊しているのが分かった。最後まで見ても解決しないストーリーに、想像をふくらませた。
それで、思い出というのは…、高校の授業で、自分のクラスで授業を受けるのではなく、専門の教室(美術室だったり家庭科室だったり)で授業を受けるときがあると思うのだけれど、その専門の教室で授業を受けているとき、ひまだったので、机の上にエヴァの落書きをしたのだった。ネルフのマークだったか、リリスだったか、はっきりは覚えていないが、まあエヴァのなにかを描いたのだ。そうしたら、一週間後、同じ教室で授業を受けたとき、そのエヴァの落書きについて、エヴァを詳細に見ていることが分かるようなコメントが、書かれていた。だれが書いたのかは分からないけれど、ほかのクラスのだれかが、同じように授業中に机に座っていて、自分の描いた落書きを見つけ、コメントをしたのだろう。自分は、それを見て、あらたにまたなにか、書き足した。そうしたら、一週間後、またなにかコメントなりイラストなりが加わっていた。そうやって、一週間に一度しか座らない机の上で、エヴァの筆談みたいなものが進行していったのだ…。
そのあと、それがどうなったかは、はっきり覚えていないけれど(だれかに、いきなり消されたのかもしれない)、その週に一度の筆談体験が、すごく嬉しかったことは、たしかに覚えている。相手がだれかは分からないし、会ってみようという発想もなかったけれど…その授業を受けるのを、楽しみにしていた。
この思い出は、すっかり忘れていたけれど、昨日か今日、ふと思い出した(もちろん映画を観たせいで)。その、見知らぬ相手の高校生も(男か女かも分からない)、きっと、自分と同じような年齢になっていて、どこかで暮らしているんだろう。不思議だな。