「編集」で「読める記事」にする

 スイッチオンプロジェクトの第2回ミーティングがあり、「文章構造の作り方」というテーマで濃密な5時間を過ごしました。
 3月末に開催された合宿が、はるか昔のように感じます。あの合宿以来、毎日プロジェクトのことと、インタビュー相手のことを考えてきました。就職活動が重なって精神的につらい時期もありました…こう書くと「就職活動がしんどい」みたいに捉えられるかもしれませんが、どちらかというと就職活動では落ち込むことが少なかったです。つらい時期に相成ったのは、プロジェクトのせいです。それくらい厳しいものでした、私にとって。本気を出せば出すほど、新しい何かが得られる場所なので、全力で向って玉砕してまたゼロから頑張って返り討ちにあって、の繰り返しだったように思います。その時期の自己嫌悪っぷりはひどかった。でも、楽しかったです。

〜今までのスイッチオンPJ関連のエントリー〜

 第2回ミーティングも今のうちに振り返っておきます。ここで学んだことを元に、記事を書きます。今回のテーマは「文章構造の作り方」、分かりやすくいうと「編集の仕方」です。

「編集」=「読める文章にする作業」

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 現在、取材が終わって手元に文字起こししたものがあります。ただ、このままでは読者に楽しんでもらえないので、「粗原稿」を「読める文章」にする。これが編集。今回はそのやり方を学びました。以下に、ポイントを。グルーピングしていないので、同じことが違う項目に立っています。これくらいの分量で簡単にまとめちゃお、という考えのもとに分けました。

1.見出しをつける

  • 一言でまとめる
    • 人にメッセージを伝えるときに「あれもこれも」は伝わらない
  • 見出しをつける
    • 良い見出しは、中身との統一感がある

 インタビューを文字起こししたものは、「Q」⇒「A」で構成されています。「Q」は論点で、「A」は主張。これらを一言でいうのが、最初の課題でした。私は見出しをつけるのが下手で大事な部分を逃すうえ、時間がかかりました。「つまり〜〜ということですよね」と言う訓練をもっとしなきゃなぁ、と思いました。

2.「読者の関心は何?どう説得的に書く?」と考える

良い記事とは

  1. 読者にとって面白いことが書いてある
  2. 取材相手の一方的な話でなく、客観的に見て説得力のあることが書かれている

記事のこと。なので、編集する際には「読者の関心は何で、どう説得的に書くか」をまず考えるべき。

  • 読者の関心を考えるのは、そのままでは難しい
    • 「自分が伝えたいことは何か?」を先に考えるといい
    • 「伝えたいこと」と「読者の関心」を行ったり来たりしよう

 関心の見つけ方が、難しいです。「ジブリには興味があるけど、プロデューサーには興味がない」、チームのメンバーにそう言われた時はびっくりしました。全く考えてもみなかったです。ずっと「自分が読みたい文章にしたい」と独りよがりな進め方をしていました。これではニュースにならない*1。どうやって読んでもらおう?*2初めて読者を意識しました。

3.主観を入れない

  • 「すごい」「カッコイイ」など*3に逃げない
    • 状況説明の欠如、客観性の欠如、普遍性の欠如
    • 語り手の「主観」を書いても、読者を説得することはできない

 「このひとカッコイイ」ということを伝えたいときに、「このひとってカッコイイんです」と書いたら興ざめですよね。表現とは説明ではない*4

4.モジュールに分ける

  • 「説得的か」を意識して3つに分ける
    • 例えば「スイッチオン」がテーマなら、「ビフォー」「きっかけ」「アフター」などと
    • そして、その3つそれぞれの内部でさらに3つに分ける

5.モジュールにファクトを入れる

  • 各モジュールに淡々とファクトを並べる
  • 自分の主観はできるだけ入れない

 インタビューで集められたファクトをどう使うのか。足りないファクトは何なのか、と考える。
 「ただし、ファクトを並べただけじゃ面白くない」。「これは深淵な問いです」by日経の坪田デスク

6.冒頭の5行に力を注ぐ

  • 文章の面白さは冒頭の5行(もっと言うと、見出し)で80%決まる
    • 14文字×5行=70文字
    • 腕の問われるところ。artの世界
  • 自分の集めてきたインタビューの中で、どこが一番面白いか?それを冒頭に持ってきたときの書き出しをどうするか?を考えてみる

 「webの文章は『続きを読む』を押してもらわなければいけない」by藤代プログラムディレクター

印象に残った言葉

  • 「集めてきた情報の9割は捨てろ」
    • 日経BPに勤めていらした川上デスクの言葉。日経BPではこんなルールが…すごい…
    • 「コストパフォーマンスが高い記事はクオリティーの低い記事」ともおっしゃっていた
    • 9割っていうフレーズが出た際、藤代(id:gatonews)さんは「くはぁー」と吹いていた。さすがに9割は捨てすぎなんだろう。恐るべし日経BP

 …と、第2回ミーティングを振り返りました。相変わらずプログラムが終わると、疲労困憊。
 今回は、懇親会と2次会に参加できなかったのが残念。第1回目の飲み会が、プログラム以上に面白かったので参加したかったのですが、大事な用事があっていけませんでした。また次回参加しようと思います。
 では、来週までにデスクに文章が提出できるよう、今から頑張ります。いい記事にしたい!「いい記事って何?」って突っ込まれたら、何て答えよう?

*1:最終目的がgooニュースに配信することなので

*2:読者の目線を持たなきゃ。マーケティングの本にヒントがあるかも?

*3:山田ズーニーなどが言うところの思考停止ワード

*4:第2回ミーティングが始まるまでに読んでいた『北村薫の創作表現講義』に書かれていて「そうそう」と思ったフレーズ。映画や劇を見ていてやけに説明的な言葉が使われると、「うわぁぁきもちわるいー」と思ってしまう、ってことかな?と理解した。[asin:4106036037:detail]