JR西

http://d.hatena.ne.jp/comiken/20050501#p3
普通のシステムは、「人はミスをする物だ」という前提を置くはずです。なので、ミスしない・できない仕組みを作るか、ミスしてもそれを回復 (リカバリ) できる仕組みを考えます。
それらを全部机上に乗せた上で、今度はコストパフォーマンスとか、発生可能性とその影響範囲の大きさが許容できる物であるかどうかで取捨選択をします。
今回の場合、人命がかかっている時点で本来はコストパフォーマンス度外視すべきです。例え営利企業だからそうはいかない、としても、万一事故が発生したときに会社が受ける影響は甚大であるため、影響範囲は無限大です。そのため、安全は最優先に確保する必要があるはずです。
JR西は、既に宝塚線 (福知山線) の運転再開を検討しているとか。「安全を最優先に」なんて訓辞をしていたんだから、当然今できる全ての対策は取った上ですよね?

  • ダイヤ見直し
  • 新ATS の設置、あるは旧ATS での適切な設定
  • 勤務態勢・制度の見直し
  • etc...

えっと、何かやったんでしたっけ? 少なくとも報道では、まだ何一つやってないと思われるのですが。
まさか「お客様の早期復旧のご要望に」なんて寝言は言わないですよね? 死ぬリスクを負ってまで早いこと再開して欲しいなんて思っているのは、関係者以外には居ませんから。

JR西 (2)

新型ATS設置せず再開も 宝塚線事故でJR西が見通し http://www2.asahi.com/special/050425/OSK200505010025.html

脱線事故後、不通となっているJR宝塚線の尼崎―宝塚間について、JR西日本は1日、事故前から整備を進めてきた新型の自動列車停止装置(ATS―P)の工事完了を待たずに運転を再開する可能性があることを明らかにした。ただ、現場では国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調査や警察の捜査が続いており、具体的な運転再開時期の見通しは立っていない。
同社は今年1月から、速度超過した列車を減速させる新型ATSへの切り替え工事を進めており、今年6月末に終える予定だった。この日の会見で村上恒美・安全推進部長は、仮に事故前に整備が終わっていた場合、「カーブに速度制限がかけられ、(事故を)防げたと思う」とした。
一方で「(ATS―P設置は)絶対条件ではない」「再開を待っているお客様もいる」と述べ、工事完了前の運転再開を示唆。その場合、運転士に対して制限速度順守を徹底させ、現場付近では徐行することで安全を確保するとしている。

んー、別にこの記事を見てから上のエントリを書いたわけではなかったのですが、ものすごいタイムリーですね。
「再開を待っているお客様もいる」のはその通りだろうが、あくまで安全を確保した上でってことであり、「運転士に対して制限速度順守を徹底させ、現場付近では徐行すること」なんてのは対策になってないと思うのですがいかがでしょう。
この後半の発言が実際に誰のものなのかは記事では明確になっていませんが、流れから見たらおそらく前半の発言と同じ人の発言なんでしょう。とすると、結局「安全推進部長」さんは安全を二の次に考えているということになるわけで。

JR西 (3)

尼崎脱線事故:直線の制限速度20キロアップ ダイヤ改正
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050502k0000e040072000c.html

03年12月のダイヤ改正で、途中の中山寺駅宝塚市)に快速が停車することになったが、宝塚−尼崎間(17.8キロ)の所要時間は17分と変わらなかった。
関係者によると、改正前に行われた一部労働組合との団体交渉で、直線の制限速度を20キロアップし、宝塚−伊丹間を30秒短縮する分、中山寺駅に新たに停車することを会社側が説明。組合側は「遅れを出さずに運転することは無理。慣れるまで定時運行は無理だ」などと主張し、試運転させるよう求めたが、会社側は「ダイヤの設定上問題ない」と認めなかった。労組側は同時に、新型ATS(自動列車停止装置)の早期設置も求めたが、事故発生時は未整備だった。

ますます、経営層の問題ですね。組合側はできる限りのことをやろうとしているように見える。そしてある意味極めつけ。
尼崎脱線衝突事故 会社が車掌にウソの供述を強要と労組幹部証言
http://www.nnn24.com/35094.html

尼崎脱線衝突事故で2日、献花に訪れたJR総連の書記長が、事故を起こした列車の車掌がJR西日本からウソの供述をするように強要されていると証言した。
2日午後4時過ぎ、献花に訪れたJR総連(=全日本鉄道労働組合総連合会)の山下信二書記長によると、事故列車の車掌は当初の警察の取り調べの後、JR西日本から詳しい事情を聴かれたが、その場ですでに会社が調書を作成し始めていることを伝えられた。
そして、会社側からカーブの進入速度について「特に速かったという事実はなく、いつもと同じスピードだったことにするように」という趣旨の話をされていたという。
車掌は会社に対して「スピードが速かったのでは」と伝えたが、これに対して会社側は「車掌は車内アナウンスなどをしているので、スピードはわからないはずだ」などと言ったという。
車掌は先週末から、過労のため大阪市内の病院に入院している。

最悪やね。ったく。唾棄すべき。

ウイルスパターンファイルの問題に関するお客様への対応について

http://www.trendmicro.com/jp/about/news/pr/archive/2005/news050427.htm

個人のお客様への対応
(2)復旧費用の実費を負担(1シリアルあたり8,500円を上限とします)
対象: コンピュータを復旧するために、専門業者等に依頼し、既に作業、支払いを終えているお客様
条件および申請方法:詳細は下記の窓口にお問い合わせください。
※申請の際には、サービス内容を証明する領収書等が必要となりますので大切に保管しておいてください。

「専門業者等」ってのは「詳しいお友達」も含まれるのかな。その場合、「領収書等」ってどうしたらいいんだろう。「ファミレスで食事一回ね」なんて約束だったら、ファミレスのレシート持って行けばいいのか?(笑