Hatena::ブログ(Diary)

輸入あきんどの感覚 RSSフィード

2012-01-16 コネクタの互換性限界

コネクタの互換性限界


一般的に産業用機器は、1社毎の製品生産量が少ない為にコネクタ類もあまり特殊な接続はコストアップになります。
そこで製品毎あるいは業種団体等が音頭を取って、共通の仕様を作り、互換性を構築しています。 マザーボードに挿入されるモジュールボードとその共通コネクタ仕様、他社装置間の相互接続の為のインターフェース回路等がある。但し、インターフェースなど通信の共通性は、一業界よりスケールが大きく半導体やパソコン、そして大手コネクタメーカーなど世界規模の規格になるイメージがあります。内外メーカー間の開発競争でロビイストが活躍します。

コネクタの互換性はどうなっているか?というと細部仕様では色々と問題もあります。

コネクタの互換性は実際どこまで他社間の製品において、相互接続後指定性能が維持できるか、または一般性能の差はどうだろうか、気になる方は大勢いると思います。

コネクタ専門の立場では、当にそれが今回の話題としたことです。

互換性を考えて使うにはどんな所が重要かと言えば、回路用コネクタであれば、最低,次の点を把握しなくてはなりません。

1)端子間ピッチ
2)端子数・端子形状
3)インシュレータの内外の形状と寸法
4)ねじ取り付けフランジ形状と寸法
5)機械性能(挿抜耐久性、耐温・耐湿、引っ張り強度等)
6)定格電気性能(定格電圧・電流)

例えば、インターフェースコネクタでは、どこからどこまでが互換なのでしょうか?
例えば、Dサブコネクタはいつも目にしますし、気にもしないありふれたものですが、確かに外観は同じように見えるし、端子穴位置も取り付けフランジの形もネジもあっています。だから、安心ですか? しかし、実際は問題があります。端子形状や端子のインシュレータ内での押さえ状態の違いなどでの問題があるんです。コネクタには車のステアリングと同様、『遊び』が必要なコネクタもあります。

大分過去の話題ですが、某計測機器メーカーでD-サブコネクタ(RS-232C)の接触不良が問題になっていました。コネクタメーカーの見解に納得できず最終的にメーカー切り替えをしたのだが、実際の使用状況を観察してみると全く遊びを無視し誤った使い方に驚いた経験がありました。最近のコネクタでは積極的にこの遊びを使って、基板間のズレ誤差を吸収するタイプもあります。
例えば、LCDディスプレーの古いインターフェースには15ピンのDサブがありますが、時に表示がおかしくなったりした経験もあると思います。コネクタの接触に起因しています。

USBなどでは、端子形状も仕様で決められているのですが、接触圧設定やインシュレータ内径寸法の公差の違いなどが各社各様と考えられます。これらが違うだけで問題にならないだろうと思うでしょうが、公差の悪い寸法側に振れているかどうかによっては端子位置によって接触面積が少なくなったり、接触力に影響し抵抗値が上昇します。製造メーカーにとって、公差がエンジニアリングのノウハウとなります。例えば、実物だけでは他社に簡単にコピーされないのもこの公差が有らばこそです。

このように他社間でも外形的な互換性(挿したら、挿さったという感じ)はあるにせよ、こんなことがあります。
産業機器などの製品取扱説明書にも推奨ブランド等を本来は記載した方が良いのですが実際にはコネクタなど電子部品はそうなっていません。
例えば、添付ケーブルを交換したら、復帰したということはよく日常で経験することですが、再現性のないのも困るところです。

DIN41612コネクタについて、ある通信機メーカーが採用検討する際に広く互換性テストを実施したことがありました。その時は市場で多く見られたメーカーの製品も一緒にテストを受けたのですが、ドイツ製コネクタと比べ端子接触面の荒れに起因する接触抵抗値のばらつきや大きさ、及び挿入力の高さが分かり驚きました。 高過ぎると摩耗が進んだり、接触面が荒れ、接触抵抗値が上昇し伝送に悪影響が出ます。

コネクタは、いくら高度な性能の機器もこの部品に命を依存しなくてはならないのですから、その限界をよく知って欲しいと思います。

海外製コネクタの調達専門