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2005-07-27 CL 番外編#2 〜ユース・育成と強化 アヤックス

プロクラブはユース育成をどのような形で行っているのだろう

オランダの強豪クラブアヤックスを訪ねた


チャンピオンズカップ3連覇を始め、国内優勝29回を誇る名門クラブ

クライフファンバステン等数多くの有名選手を発掘し育成してきた

またチャンピオンズリーグでは94−95シーズンにユース出身選手9人を擁して決勝に進出

ユース出身のクライフェルトのゴールでイタリアの強豪ミランを1対0でやぶり、見事優勝を飾っている





ジョンファンデンブロム

アヤックスユース育成担当

「彼らはユースからトップチーム入りしたという事で、他のチームから移籍した選手に比べアヤックスのプレースタイルが完全に身に付いているという利点を持っていましたね。欧州を制覇出来たのはベテラン勢とユース出身者が見事に融合して良いチームを作った結果だと思います。まるでパズルの様に各ポジションが上手く組み合わさったのでしょうね」



と語るのは現在の育成部門を担当するジョンファンデンブロム氏

彼にアヤックスの育成ついて尋ねた




ジョンファンデンブロム

アヤックスにはFクラス、EとDクラスは3つずつ、CからAは2クラスで計13チームがあります。アヤックスには独自のプレースタイルがあり、我々は幼い頃からそれを教える事を重視していますが、クラブにはトップクラスの選手を買う資金が無いので、そういう意味からも優秀なユースを育てる必要があります。良い選手が育ったらトップチームに上げる事も、また他のチームに移籍させる事も出来ますからね。そういった目標もありますが、一番重要なのは彼らにアヤックスのプレースタイルを教え込む事です。そして各ポジションにおいて、何が重要なのかという事を徹底的に学ばせます」




伝統あるアヤックスサッカー

そのスタイルを維持する為、どの様なスカウトをするのだろうか




ジョンファンデンブロム

「どのチームも同じ様なスカウト方法を使っているとは思いますが、関係者から情報収集したり、地域のアマチュアチームの試合を見に行ったりします。そういった仕事はプロのスカウトに任せていますが、その他に公開日をも設けたり、タレントデイというのを設けたりします。タレントデイとは、誰でも自由に参加でき、チームを編成してトーナメント形式の試合を行うアヤックス独自のイベントです。ユースの各チームの責任者は彼らの試合を見て隠れた才能を持った選手がいないかどうか観察します。責任者は気に入った選手を自分のチームにスカウトします。既にこのタレントデイからトップチーム入りした選手も出てきていますので、このスカウティングは有効な方法だと考えています。またベルギー南アフリカアメリカのチームから才能のある選手がいれば選手を観察に行ったりする等の交流の場があります」





スカウトされてきた選手達は一体どの様な生活を送るのだろうか



ジョンファンデンブロム

「午後1時30分から2時の間にアヤックスの専用車が彼らの学校や家まで迎えに行きます。こちらに到着したら3時15分位までトレーニングを行います。そして3時15分からは勉強の時間になりますが、科目ごとの専門の教師がおり、どの科目を行うかは年齢によって異なります。この授業は1時間半位続き、また休憩を挟んで6時からまたトレーニングを行います。その前に監督達と軽食を取った後6時から7時までトレーニングを行い、その後は専用車で彼らの家まで送ります」





彼らにとって勉強する事はどの位重要ですか?



ジョンファンデンブロム

トレーニングよりも勉強を優先するというルールがあり、学校から何かマイナス情報が寄せられた時や、きちんと学校に通って勉強をしなければ、我々のトレーニングに参加する事は出来ません。今の所子供達はこのルールを良く理解しており、サッカー勉強も上手くこなさなければ人間として成長出来ない事を分かっています。また我々はFからAまで、どのチームでも監督子供達をハイレベルなプレーに対応出来る選手に育てたいと思っています。D−1の選手でも有望な子供が居れば、トレーニングを積んで上のレベルのチームに入れる事もあります」




アヤックスの育成方針、それはサッカーだけでなく、人格形成も怠らない事だ




生粋のアヤックスサポーターであるソーマースさん

現在はスポーツジャーナリストの立場でアヤックスを見つめている



ソーマース

スポーツジャーナリスト

アヤックスのユーストレーニングは際立っており、オランダのみならず世界でも最良のものだと思います。特に大切な点は組織です。育成とは組織力です。良いトレーニング教育プログラムは始めから終わりまで整備されているものです。また良いプレーヤーとしての技術だけでなく、どの様にして個性を伸ばすか、つまりプレーヤーの人格形成です。何故ならチームプレーヤーとしてこの要素は大切だからです。またサッカーのみが人生で一番重要な事ではないという事を学ぶ事も大切です。人格形成と併せて学業をおろそかにせず、フットボールフィールドでのトレーニングと勉学とを組み合わせるプログラムを作っている事は良い点であると言えます」





近年国内では安定した力を発揮し、常に上位へ顔を出すが、ユースから育てた多くの有望選手が他のクラブへ移籍する傾向がある為、欧州大会に出場するものの苦戦を強いられる様になっている


チャンピオンズリーグでもここ2シーズンはグループステージで敗退している



ジョンファンデンブロム

「他チームの方法と比べた事はありませんし、アヤックスの方針やシステム、やり方を信じています。他チームの方法が悪いと言っているのではなく、アヤックスにはアヤックスのやり方がありますので、それを今後も継続していきたいという事です」




アヤックスは昔から人材流出が絶えず、その多くが欧州ビッグクラブへ移籍している

この夏、オランダの至宝と呼ばれる男が移籍していった



ファンエイデン

アヤックス マネージンディレクター

「若手選手が海外で実力を試したいという気持ちは分かります。彼らの心の中にはアヤックスの力を借りて、ビッグクラブへ移籍するという野望があるのです」





スネイデル

アヤックス

欧州にはアヤックスの他にも偉大なクラブがあります。選手の移籍願望は自然の事です。新しい環境、新しいシステムへの挑戦がまっていますからね」





ファンデルファールト

ハンブルガーSV

「選手の移籍によってクラブは大きな利益を得るのですから、選手にとってもクラブにとっても良い事なのです」




04ー05シーズンの途中この様に話していたファンデルファールト

彼はこの夏、ドイツのハンブルガーSVに移籍しチームに凡そ7億円の利益を与えた


しかし、今回のUEFAの提案は各クラブのチーム方針に変化をもたらすだろう




ジョンファンデンブロム

アヤックスにとってこれは以前からやってきた事ですから、何も問題はありませんし、UEFAの提案は十分クリアしています。ですからクラブとしてあまり影響はありませんが、欧州全土でユース育成のレベルが上がるでしょうね。他のチームは今後ユース育成を大事にしなければこの提案をクリア出来なくなりますが、アヤックスにとってこの提案はショックでも何でもありません」





海外のユース育成に依存してきたイタリアのトップチーム等は大きな影響を受ける事になりますよね?





ジョンファンデンブロム

「海外から若い選手を買う事よりも、自分達のクラブでのユース育成に力を入れなければならなくなりますね。でもトップクラスのチームは資金力がありますから、海外から優秀な選手を買うというスタイルは変わらないと思います」






ソーマース

「沢山のプレーヤーが外国から移籍してくると、自分達のクラブとか自分達の街のクラブといった連帯感が薄れてきます。フットボールにとって大切な事はサポーターが一団となって、クラブの一員であるという連帯感を感じる事なのではないかと思うからです。その次に、サッカービジネスとして見られる様になってきました。多くのビッグクラブと言われるチームは多国籍企業の様になってきました。イングランドのトップクラブであるマンチェスターUやチェルシースペインバルセロナイタリアクラブはあたかも国際企業として運営されています。という事はお金に力があって、お金で誰がどこのチームでプレーするかを決めていく様になってしまうのです。サッカー公明正大な競合であるからには世界の他のクラブもまた公平なチャンスを得てチャンピンズリーグで勝つ事がが出来る機会が与えられるべきだと思うのです」



と現代サッカーに警鐘を鳴らした






アヤックス

http://www.ajax.nl/home/







週刊サッカー・ナビ!#116 南アフリカの若手ロマーノとグランワルド (アヤックスケープタウン)

http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20050114

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