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街や森で思うことがある。心に残ることがある。訴えたいことがある。
日本各地の樹木や自然、風景を見て回りつつ、この記録をつけている。

2011-10-08 連載エッセイ3

[][] バラ色の印税生活?

「印税で遊んで暮らせるんでしょ?」

 年に1冊のペースで樹木図鑑を出版していると、そう羨ましがる人もいるが、現実は甘くない。売上100万部クラスの有名人と、自分のようなマニアックな本ばかり作っているのは訳が違う。

 印税はよくて10%だから、定価1,000円の本なら著者の収入は100円。図鑑のような専門書では、2〜3万部売れたら大成功といわれるが、印税収入だけでは厳しいのはおわかりだろう。取材費は自腹だし、ボーナスももちろんなし。誰もが羨むような「バラ色の印税生活」は、よほどの人気作家でないと叶わない夢だ。

 とはいえ、好きなことを職業にできるのは幸せ。旅行に出かけても、車窓から見える木を目で追い、温泉宿に行けば周辺の森を散策し、遊園地に行けば植えられた木をチェックするのが楽しい。それがすべて樹木図鑑づくりに結びつくので、仕事とプライベートの境はないし、旅費=必要経費だ。

 もう一つ、印税収入の利点を挙げるなら、老後の年金問題に危機感が薄いことか。一度本を出せば、絶版にならない限り印税が入り続けるので、著書が増えるほど未来の収入が安定する。お金のために本を書く訳ではないが、もしもバラ色の印税生活が可能なら、南の島と、爽快な深山の家を行き来するライフスタイルにしよう。


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※この文章は2011年7-8月に山口新聞「東流西流」に掲載された連載記事を一部修正したものです。

望 2011/10/10 21:53  所長さん、こんにちは! 私は所長さんの大ファンなので、関東では読めない、こうした記事を紹介していただけてすごくうれしいです。
 いつか、所長さんにお会いできるのを楽しみに、日々樹木について勉強中です。所長さんの著書に出合えなかったら、きっと私の人生はここまで輝いていなかったかも!?(大袈裟かもしれませんが、、樹木の見分け方の奥深さに衝撃を受け、心がときめきました)。私は青々とした葉が好きで、冬は寂しい思いをしていたのですが、冬芽ハンドブックに出合い、冬の樹木観察が楽しみになりました。紅葉して散ってゆく葉を見ても、もう物悲しくなりません(笑)。
 これからも、末永く愛読させていただきます。所長さんの老後がバラ色になりますように☆☆☆

conokixconokix 2011/10/10 22:26 望さん、とても嬉しいコメントをありがとうございます。木を見分けられるようになりたい、と強く思っている人のために作ったような図鑑ですから、この上ないご感想でとても光栄に思います。私も青々とした葉が好きですよ。でも、冬になって葉が落ちると、仕事も一休みできるのでホッとします。老後のお祈りまでありがとうございます。いつかどこかでお会いしましょう。