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街森研究所 RSSフィード

街や森で思うことがある。心に残ることがある。訴えたいことがある。
日本各地の樹木や自然、風景を見て回りつつ、この記録をつけている。

2011-10-23 連載エッセイ5

[][] クマは絶滅するのか

 薄暗い山奥の森を歩くのは、あるリスクが伴う。クマ(ツキノワグマ)との遭遇だ。彼らが人を攻撃するのは、彼らも人を恐れている時で、本来は人を襲う動物ではない。鈴やラジオをつけ常に音を発することで、クマの方から遭遇を避けてくれる。

 生態系の頂点に立つクマは、他の獣に比べ個体数はずっと少ない。生き物好きの私からすれば、出会えるとむしろラッキーだ。私は過去に2度、野生のクマに遭遇しているが、いずれも安全な距離があった(写真=尾瀬ヶ原で筆者撮影)。怖いのは至近距離での遭遇。クマから視線をそらさず、ゆっくり後ずさりすることが大切で、決して背中を見せ走ってはいけないといわれる。

 そのツキノワグマが絶滅の危機にある。日本には1万2千頭が棲むともいわれるが、近年は人里での出没が増え、06年に4千頭余り、10年にも3千頭が殺処分された。既に絶滅したとされる九州、残り数十頭といわれる四国に続き、このままでは本州での地域的な絶滅も近い。農林業が廃れ、人が山に入らなくなったことで、クマやイノシシが頻繁に人里に下りるようになったといわれる。

 かつて日本人は、家畜の害獣オオカミを駆除し続け絶滅させたが、その後シカが増え、シカが畑の作物や貴重植物まで食べ荒らすようになった。クマ問題もダム問題も原発問題も同じ。目の前のリスクを取り除く対処療法だけでは、問題は解決しない。


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※この文章は2011年7-8月に山口新聞「東流西流」に掲載された連載記事を一部修正したものです。

fumfumfumfum 2011/10/25 18:57 ブータンの子供たちや生活の写真展を「ぎゃらりーぜん」で見ました。自然のなかの一部分としての人のあり方に考えさせられました。 日本ももっとゆっくりと進めば良かったのかと・・でもそれはそれでまた・・・・
ブータンの人たちの(特に子供たちの)笑顔は青空と一体化していました。

conokixconokix 2011/10/25 21:09 日本は何を最優先に文明を発達させてきたのか、これからは何を優先すべきなのか、日本だけでなく地球全体で考え直す時期に来ていますね。