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街森研究所 RSSフィード

街や森で思うことがある。心に残ることがある。訴えたいことがある。
日本各地の樹木や自然、風景を見て回りつつ、この記録をつけている。

2014-06-21 沖縄移住レポート

[]沖縄に引っ越しました

 2014年2月28日午後3時、僕たち一家は鹿児島港に到着した。8人乗りの愛車の中は、パソコン一式、布団、1週間分の衣類、米、それに妻と2歳の息子で満載状態。ここから、本土と沖縄を結ぶ唯一のカーフェリーであるマルエーフェリーに乗り、24時間の船旅を楽しむ。出港は18時だが、積載作業のため3時間前から港で待たねばならない。車のすぐ横では、何台ものフォークリフトが大きなコンテナを持ち上げ、次々と船に積み込んでゆく。離島で暮らす人々の元へ運ばれる、たくさんの食料、荷物、そして思い。この巨大な船が向かう先に、子どもの頃から夢見た南の島の暮らしが待っている。

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 山口県の海のそばで育ち、海や魚が好きで、漠然と南の島に憧れていた。中学2年の夏、家族旅行で奄美大島を訪れて感動し、新婚旅行は南の島に来たいと思った(実際はハワイ)。二十歳の時、沖縄・伊江島にある友人のおばぁの家に一ヶ月間居候させてもらった。素潜りや魚釣り、サトウキビ畑の手伝いなどをしながら、沖縄の生活文化と温かい人柄、ちょっぴり寂しさを体感した。大学卒業後に沖縄でフリーター生活をする計画を立てたが、結局は断念。友人には「お前いつ沖縄行くんだよ?」と笑われたものだ。それ以来、何度か旅行で南西諸島に訪れたものの、移住はいつしか消えかけた夢になっていた。

 35歳で結婚したのを機に、流れが変わった。妻は那覇で約1年暮らした経験があり、南国好きで移住願望が強いので、いつか沖縄移住できればいいねと盛り上がる。となると、その年に生まれた息子が小学校に上がるまでが引越の最適期。移住の決断は勇気がいるけど、悩んでる暇はない。廿日市の不動産屋から教わった九星気学でも、南西の方角に引っ越すには2014年が最高の年と分かっていた。だから、沖縄での仕事に多少の目処がつくと、なるようになれで決断。僕は平穏で安泰な人生より、変化に富んだドキドキ・ワクワクの人生を選ぶ。

 引っ越し先は、利便性がよく、自然も都会も楽しめる沖縄本島の中部がベスト。工場や基地の影響が多い東海岸より、綺麗なビーチが多い西海岸がいい。そのエリアで認可保育園にすぐ入れそうなのは読谷村のみだった。ということで、もともとイメージのよかった読谷村に決定。引っ越し日は、仕事や保育園入園手続きの関係で2/27に決定。2/16に家探しのため4泊5日で沖縄に訪れ、帰宅後1週間で引っ越すハードスケジュールだ。家探しは、ANAのレンタカー付きツアーを利用し、家族3人で行った。僕たちが望む物件の条件は以下の通りだ。

  1. できれば3LDKの庭付き一戸建て
  2. 海が見える(妻の強い希望)
  3. 緑豊かでのどかな環境
  4. 家賃7万円以下
  5. バス停や保育園へのアクセスがよい

 妻は1年前からネットで沖縄の物件探しを始めていたけど、庭付き一戸建ては総じて高く(家賃10万クラス)、数も少なくなかなか見つからない。理想の一戸建てを見つけるためにアパート暮らしをする人も多いというから、条件1はよほど運がよくないと厳しいようだ。

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 2月の沖縄は曇り空が多い(写真は物件探し中に現れた虹)。それでも晴れた日は半袖姿の人も多く、さすがは南国だ。到着した日からさっそく不動産屋を訪ね、チェックしていた物件を次々見てまわる。しかし、思ったより眺めが悪かったり、部屋のイメージが違ったりして、ピンと来ない物件ばかり。あまりに良い物件がないので、既に入居者が決定している絶景のアパートを参考までに見させてもらうことに。ここは妻が1年前から目をつけており、当初は第一希望だったものの、数日前に入居者が決まったという残念な物件だ。すると、海を見下ろす絶景が断トツで素晴らしく、あまりの美しさに妻が超凹んでしまった。見に来るべきではなかったか。仕方ないよ、となぐさめつつ、万が一キャンセルになったら電話をくれと不動産屋に伝えた。その日は、妻は悔しさのあまり物件探しをする気になれず、残波岬を散歩してホテルに戻った。

 翌日から気を取り直してまた物件探し。一戸建ても含め、合計15件ぐらい見てまわっただろうか。その結果、綺麗な海が目の前の古びたアパートを発見。海好きの妻はこのアパートに決めたいようだが、僕は正直気に入らず、生活のイメージがわかない・・・。そして決断の最終日。ここでドンデン返しがあった。妻もまだ迷いがあるようで、朝の移動中にオラクルカードをやってみた。オラクルカードとは、困った時に神の導きを教えてもらうカードで、タロットカードに近いイメージだ。すると、妻が引いたのは「今すぐあなたに奇跡が起こります」というカード。とっさに妻が携帯を見ると、不動産屋から着信履歴が! 掛け直してみると、なんとあの絶景アパートの契約がキャンセルになったというのだ。すぐにその物件を再び見に行き、その場で即決して契約にこぎ着けたのであった。

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 いやぁ、すごい家探しだった。どうなることかと思ったけど、こんな経緯で巡りあった今のアパートに感謝。時々とんでもない奇跡を起こす妻らしい出来事であった。(実は引越後にもう一つ奇跡があった。このアパートに住む隣人が、僕の友人の仕事仲間だった。ビックリ!)

 帰宅後、大忙しで引っ越しの荷物整理。友人に挨拶まわりをする時間もほとんど取れず、両親の手を借りてなんとか荷作りをした。今回の引越を依頼する業者は、「引越のサカイ」と合い見積もりを取って、価格も内容も上回った「アリさんマークの引越社」。広島から福岡までトラックで運び、福岡からコンテナで船に移し、1週間後に沖縄の自宅まで運んでもらう行程だ。引越当日は、重たい本の箱を3つも重ねて運ぶアリさんマークの若者に驚愕したものだ。荷積みが終わったあと、僕らはドタバタの中、家族3人でマイカーのセレナに乗り、鹿児島へ向けて出発したのであった。

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 参考までに、広島→沖縄への引越費用は以下の通り。実際はこれに加えて、引越時に処分し、引越後に買い足した家具類が10万円程度あるが、2ヶ月前から引越業者に予約したこともあり、思ったより安く済んだ。引越中に照明のガラスが割れるトラブルがあったが、業者が代用品を買ってくれた。ということで、アリさんマークは印象のいい引越会社だった。

項目金額
物件探し旅費(大人2名4泊5日)100,000円
引越業者(3tトラック)250,000円
フェリー代(車+大人2人)100,000円
高速道路・ガソリン代(広島→鹿児島)20,000円
合計470,000円

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フェリーから見えてきた沖縄本島最北端の辺戸岬。

fumfumfumfum 2014/06/28 15:15 念願の沖縄生活、ドラマチックな幕開けでしたね。
奇跡が起こった=ご縁があったお部屋なのでしょう、今後の幸せな生活が保障されたわけです!
沖縄への長い間のあこがれ、占いによる時期の設定が家族にも好都合の時期でこれも結ばれた縁なのでしょう。
こうなると沖縄生活は長くなりそうですね(^_^)v

お部屋探しの間のお二人の会話は耳にそのまま聞こえてきそう・・帰ってからの引っ越し準備も目の当たりに見える感じで・・・(秦野でもそんな感じだった・・なんて(^_-))

それにしても素敵な眺めのお部屋ですね、このくらいの距離に見える海には安らぎを感じます。青い海を見ながらの生活うらやましい限りです。
お部屋からの絶景に実はもう何も言えないくらいに・・本当にうらやましい(^_-)-☆

conokixconokix 2014/07/01 11:24 ありがとうございます。来るべきして来たのかな、と思える出来事でした。秦野、山口、広島と、地域地域でいろんなご縁ができるのですが、あっさり去ってしまうことをいつも申し訳なく思っています。引っ越し族の宿命でもあります。
内陸育ちで海に憧れの強い妻には最高のロケーションになりました。冬は北風がすごかったです。

CATLIONCATLION 2014/07/19 16:33  久々に拝見したら、沖縄に移住! ドラマチックな家探し、気力が伝わってきました。すばらしい眺めですね。こういう部屋から夕日を眺めて、毎日感動しているんでしょうか。

 家では今年2回目のハイビスカスが咲いていますが、沖縄では年中見られるんでしょうか?

conokixconokix 2014/07/20 10:08 夕日ではなく朝日が差し込む部屋なので、朝は6時頃から暑くて大変です。近くの残波岬は夕日がきれいな場所で、沖縄は緯度が低いせいか夕日が鮮やかな紅紫色に色づいて美しいです。沖縄ではハイビスカスの花はほぼ一年中見られますよ。

CATLIONCATLION 2014/07/23 10:35  朝日の当たる家でしたか。今の時期はちょっと厄介な暑さですが、ご来光が拝めるというのは荘厳な気持ちになりますね。紅紫色、いやぁ全く南国の夕日です。「残波岬」という響きもロマンチックです。昔、夏の日が沈んでから群青の空の色に感動したことがあります。自然の作る色は本当に素晴らしいです。
 今朝は朱色のハイビスカスがまた開きました。一年中見られる沖縄は羨ましいです。でも、いつも見られないから、余計この花が愛おしく感じられるのかも知れません。

2014-03-25 広島県廿日市市居住レポート

[]住めば都の広島2年間、さよなら

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 2年間住んだ広島県廿日市市を離れ、沖縄に移住することにした。沖縄移住は20年来の夢だったので、語れば長くなるし、突然のことではない。その前にここでは、広島での生活を振り返りたい。

 拙宅があったのは、宮島を見下ろす郊外の高台にある一戸建て住宅街。引越当初、僕はこの土地にいい印象を持っていなかった。その理由は過去のブログでも書いたけど、工場地帯が近く、時々悪臭があること、米軍岩国基地の騒音など。子育てに不適ではないかと、不安に思っていた。けれどその後、悪臭の原因は工場ではなく、自宅の下水管にカイヅカイブキの根が入り込んで詰まっていたことが原因と分かり、大家さんが30万円かけて下水管を取り替えてからは、悪臭はほぼなくなった。軍用機の騒音は、時期的なものがあったらしく、引越直後は夜間飛行が多かったが、その後は少なく、子どもが目を覚ますこともほぼなかった。

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 そして、子育てに何より良かったのは、よい保育園に巡りあえたことだ。自宅から500mの距離にあった廿日市市立鳴川保育園は、築40年前後の古めかしい建物。園児数は30名弱と小規模で、にしては保育士さんの人数が比較的多く、アットホームで温かく、安心できた。手作りの工作や発表会、きめ細かく大らかな保育に幾度となく感激し、1歳で入園した息子はすぐに保育園が大好きになった。

 僕たち夫婦は当初、子どもは家で育てるが一番で、保育園に預けるのはなるべく遅い方がいい、なるべく短時間の方がいいと思っていたけど、それは間違っていたようだ。核家族で一人っ子、しかも引越直後で近所に知人のいない状況で、保育園はたくさんの友達と出会え、いろんな大人から学びを受けられる、貴重な社交の場になった。

 片付け、手洗い、うがい、トイレなど、家庭では省略しがちなことをしつけてもらい、年上のお兄ちゃん、お姉ちゃんにとても可愛がってもらい、愛情いっぱいに育った。保育園で覚えたドラえもんの歌は、今でも思い出しては嬉しそうに踊っている。帰り道に何度も寄った鳴川海岸もいい思い出だ。最後の半年間は仕事が忙しかったので、週6日間も朝から日没まで預け、息子1人のために2人の保育士さんが出勤してくれた日も少なくなかった。かけがえのない思い出と手助けをくれた保育園に、本当に感謝している。

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 保育園以外にも様々な良い出会いがあった。広島の造園関係者、大学、専門学校、植物園などにお世話になり、親切なお隣さんにも恵まれた。けれども、わずか2年で広島を離れてしまうことになり、タイトな原稿執筆&引越スケジュールであったため、お別れの挨拶が十分できなかったのは、本当に申し訳ない思いでいっぱいだ。

 唯一嫌な出会いがあったとすれば、家の内外にたくさん出没したアルゼンチンアリか。廿日市市で国内初確認され、特定外来種にも指定されるこのアリは、植木鉢や枯れ草の下、石垣、室内の壁の隙間など、あらゆる隙間に巣を作り、家の中の食べ物に大行列をつくって押し寄せ、旺盛な繁殖力で敷地中が増える厄介者。毒はなく、噛みつくことも多くはないが、1年目はこのアリに何度も困惑させられた。2年目は、砂糖、菓子、食べ残しなどはすべて冷蔵庫に入れ、家の中や石垣の隙間をとことんパテで埋め、専用の殺虫剤を定期的に設置し、地域全体の一斉駆除を自治会に呼びかけ実施したことで、大きく改善した。これから広島市〜廿日市市周辺に住む人は要注意である。

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 そして最後に、広島カープ、サンフレッチェ広島のファンとして奇跡が起きた。僕が広島に住んだ2年間で、サンフレッチェがJリーグ2連覇、カープが16年ぶりのAクラスという大躍進を見せた。スタジアムこそ2度しか訪れなかったが、地元のテレビ中継、新聞で存分に活躍を見ることができたのはラッキーだった。

 住めば都の広島、廿日市。ありがとう。Good-bye!

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fumfumfumfum 2014/03/27 11:58 「樹木の葉」ご出版おめでとうございます
友人のTさんはページをめくっただけで「わぁ〜すごい」と感激していましたよ。
私もあちこちに宣伝?しています(^_^)v

ところで広島廿日市市は充実した2年間だったようですね、特に保育園に恵まれたことは他人事ながら嬉しく思います。
いつも思うのですが子育ての大変な時期は一番幸せった時期と重なります。
我が家も子供の生まれた時から10歳ころまで集合住宅にいましたが遊ぶ場所もあり子供も多く上の者が下の者の面倒を見て、下の者は上のものを憧れをもって接していたようで遊びの中にも強者が弱者をかばうようなルールを子供同士できちんと作っていました。

沖縄でも楽しい生活が始まっていることでしょう。
ブログでのご披露心待ちにしています

( 広島の新球場まだ言っていないんですよね〜〜、主人と「行かなくては」と言っているんですが。沖縄はキャンプの時期は野球関係者でにぎやかでしょうね)

まついまつい 2014/03/28 15:02 所長もそうなのでしょうが、今どきの男性は子育てに積極的ですね。羨ましいです。ぼくのこどもが小さかった頃(1970年代)は仕事に追いまくられて、子供が起きる前に出勤し、深夜に帰宅(月に2、3度は徹夜)という毎日だったので、こどもと話したり遊んだりした記憶は夏休みだけです。

愚痴はさておき、沖縄に移住されるとは、これまた羨ましいです。25、6年前に出張してカルチャー・ショックとネイチャー・ショックを受けて沖縄病にかかって以来、毎年1度は沖縄本島を訪れています。(去年はついに記録が途絶えましたが、代わりに西表に2回行きました。)転勤の話も2度ほどありましたが、こちらに根を下ろした家人がいることとてかないませんでした。
所長ならではの目でご覧になり、感じられた沖縄の様子を教えてください。楽しみにしています。

conokixconokix 2014/03/29 10:57 fumfumさん、拙著のご紹介ありがとうございます(^^) そのうちブログで拙著も沖縄生活も紹介します。
大変な時期は幸せな時期と重なる、という言葉は深いですね。確かに、大変ながら幸せを感じる瞬間がたくさんあります。今が一番幸せなのかもしれませんね。集合住宅の子ども社会も、それはそれでいいですよね。僕は一戸建て団地育ちですが、やはり異年齢の集団で遊んでました。今の家もアパートですが、子どもが何人かいるので一緒に遊べたらと思ってます。
広島のマツダスタジアムは日本一面白い球場と思っているのでオススメしますよ(^^)

conokixconokix 2014/03/29 11:04 まついさん、父親の子育て参加は、個人の好み以外に、時代背景や価値観の変化も大きいのでしょうね。僕は子どもと遊ぶのが楽しくて疲れないので、仕事さえなければ、主夫にだってなれると思っています(笑) 今の子たちは、父親の育児参加の分、愛情豊かに育っていると思いますよ。
まついさんも沖縄病だったのですね。沖縄病の本土人は本当に多いですが、家庭や会社があると移住って難しいですよね。我が家はもともと引越好きだし、子どもが小さい今がチャンスと思い移住しましたが、長くいつづけると今度は沖縄を離れられなくなる心配があります(笑) 毎年沖縄にいらしてるのでしたら、お越しの際はどうぞご一報ください。

2013-09-23 熊遭遇レポート

[]至近距離でクマに遭遇する;広島・島根県境の天狗石山

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(クマ出没のシーンを実際の距離で筆者が再現)


 秋分の日の三連休。樹木取材と1歳半になった息子の初登山を兼ねて、妻と母と共に広島・島根県境の天狗石山(標高1191m)に登ることにした。出発が遅れたのと渋滞もあって、標高800mの登山口に着いたのは午後1時過ぎ。登山としてはかなり遅い時間だが、野生動物との遭遇を歓迎する僕にとって悪い時間ではない。そしてこの出発の遅れが、本当に記念すべき出会いのきっかけとなった。

 息子をベビーキャリアに乗せたり、抱っこしたり、歩かせたりしながら、ようやく標高1000m付近に着いたは14時半ごろ。明るい稜線に腰を下ろし、おはぎを食べながら休憩していた時のことだ。ブナ・ミズナラ林内にササが茂る北斜面の下方から、ガサ、ゴソ…と何かの足音がゆっくり近づいてくる。そのリズム、重量感、時間帯からして、9割方人間だろうと思った。僕より登山経験が豊富な母もそう思った。キノコ採り? コースを外れた登山者? 一体誰が出てくるのかと、4人で物音の方向を注視していたら、約7m先のササ藪から、のそっと顔を出したのは、真っ黒で艶やかな毛に覆われた獣。イノシシ⁉ カモシカ⁉ いや、ツキノワグマだ‼

 少し小さい。若い個体だろうか。緊張が走ると同時に興奮する。妻が手にしていたおはぎを狙われないかと不安がよぎるが、写真を撮りたい願望の方が強い。一人だけ立っていた僕は、顔を見合わせた妻に「そのままでいい。ゆっくり」と声を掛け、地面に置いたカメラに手を伸ばそうとする。その瞬間、クマがこちらを視線をやり我々に気づくと、驚いた様子で即座に反転し、一目散に元の茂みに戻っていった。ホッと緊張が解けるが、まだ数十m下の茂みでガサゴソしているので、こちらの存在をアピールするため、大きめの声で会話を始めた。

 いやぁ、これほど至近距離で野生のクマに遭遇したのは初めて。クマ遭遇は3度目だけど、1度目は尾瀬ヶ原で約100mの距離(写真)、2度目は山口県の羅漢山で車を運転中だったので、緊張はなかった。今回は明るい日中で、4人でおしゃべりしていたのに、熊の方から近づいてきたのは、若くて経験の少ない個体だったせいか。

 もしこっちに向かってきたら、と考えると、子どもを守ることを第一に考えるべきだったと反省したが、正直、こんなに近くで出会えてラッキーだ。写真は撮れなかったけど、はっきり見えたクマのつぶらな瞳は、優しく、あどけなさを感じた。何かと恐怖の対象として見られがちなクマだが、広島・島根・山口にまたがる西中国山地では、推定900頭前後のツキノワグマが生息するとされる一方で、多い年には200頭を越すクマが“害獣”として殺処分され、絶滅の危機に瀕している。怖いのはむしろ人間の方だ。

 ともあれ、今日は山に来てよかった♪( ´▽`) 母は約20年の登山歴で初めてのクマ遭遇。まだ数回しか山登りをしていない妻は、もちろん初めての遭遇で「死を覚悟した」らしい。息子は人生初の登山でいきなり「森のクマさん」に出会い、きょとんとしていた強運・強心臓の持ち主。将来が楽しみだ。


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(急斜面を登る筆者と息子。それを見守る母。妻撮影)


【今日見た注目種】
オオヤマレンゲ、キンキヒョウタンボク、アラゲナツハゼ、アカイタヤ、アサノハカエデ、クロマツ(植林跡?)、チャボガヤ、ツルシキミ実、ハスノハイチゴ、コバノフユイチゴ実、アカモノ、マツムシソウ花(草)、ツキノワグマ(獣)

sanposanpo 2013/10/04 03:18 眠れないままお邪魔しました。「森のくまさん」は孫の子守唄として毎日5番まで歌っていましたが、それが現実になったとは! しかもそれが“恐怖のどん底”でもなかったとは、さらに驚きです。山歩きや野生動物との出会いに慣れていらっしゃる所長さんならではのことなのでしょう! ご無事で何よりでした。オフ会ではよろしくお願いいたします。

fumfumfumfum 2013/10/04 21:28 先月の後半から体調を崩してしまい、『熊との遭遇』の劇的なブログを拝見しつつも書き込む気力がなく・・(劇的なブログの書き込みには体力知力を使わなくちゃ・・^_^;)
気候、気圧の変化についていけません。
今月に入ってやっと少し落ち着きました。
所長さんやあろちゃんは平気だったかもしれませんが「母」であるお母さま、奥さまは子供を守るという意味で必死だったと思います。
あとで「呑気なことを」としかられたんじゃないかと察していますが、いかがですか??
オフ会、参加したかったのですが、こんな体調なので断念しました。
掲示板では全くの読み逃げ犯で申し訳ないのですが、近くで開催されたら参加させていただきたいと思っていますので、sanpoさんよろしく。

sanposanpo 2013/10/05 07:27 fumfumさん、はじめまして。
体調不良でオフ会参加を断念されたとのこと、残念でしたね。
私も、こちらのブログでは読み逃げの“常習犯”です。
いつの日かご一緒する機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
朝夕は冷え込む日もありますので、どうぞお大事に。

conokixconokix 2013/10/05 12:17 sanpoさん、僕も「森のくまさん」は息子によく歌っていますが、マツムシソウの花咲く森の中で、まさか本物のクマさんに出会うとは驚きです。実際にはクマさんがトコトコ逃げて行きましたが。sanpoさんにお会いできる日を楽しみにしています。

fumfumさん、なかなか鋭い推察ですね。しかられはしませんでしたが、価値観の違いに驚いていたようです。もしクマがこちらに向かって来そうになったら、カメラなんて撮ろうとしていたらしかられたことでしょう。次回からは、ガサゴソ音がした時点で、前もってカメラを構えておこうと思いました。(反省になってない?)
オフ会はご欠席とのことで残念でしたが、またご縁がありましたら観察会でお会いしましょう(^^) お大事に。

おたみおたみ 2015/04/28 07:46 おはようございます。
初めてコメントさせていただきます。
キンキヒョウタンボクを見にこの山に行ってきました。
頂上とその下がったところに花が咲いていたのですが
素人の私の目には、友人から頂いた写真と先生の図鑑の
ダイセンヒョウタンボクにしか見えないのです。
確認した木は6本ぐらい頂上付近にありました。
私が見てきたのと先生の確認された場所は違ったいたのでしょうか。

conokixconokix 2015/04/28 10:59 コメント拝見しました。私が見た個体もそのあたり2ヵ所だったと思います。花は見ていないのですが、葉の大きさ、毛の状態が明らかに違うので、葉を確認すればダイセンヒョウタンボクと見間違うことはないと思います。もちろん、両者とも分布している可能性もありますね。疑問でしたらお写真をメールして下さい。

おたみおたみ 2015/04/28 17:04 先生
早速返信いただきありがとうございます。
画像はこの木何の木に投稿させていただきますので確認よろしくお願いします。
ところで、先生もカープファンと知り、嬉しくなりました!!
よろしくお願いします。最近負けてばかりで辛いです。
今日こそ大地君に勝たせたいです。失礼いたしました。

おたみおたみ 2015/05/01 14:00 先生こんにちは。
昨日は失礼いたしました。
今日もう一回登ってきました。
先日見たダイセンンヒョウタンボクのすぐ脇にキンキヒョウタンボクの花が咲いていました。
花の時期は1週間ほどダイセンの方が早かったのと、1週間前はキンキの葉が展開していなかったのと
初めて見る私が確認できなかったのです。お騒がせしてすみませんでした。
先生のブログのお蔭で会いたかった両方のヒョウタンボクに会えました。心から感謝します。
ありがとうございました。

conokixconokix 2015/05/01 14:29 おたみさん、両方あったのですね! 花画像を見ると明らかにダイセンヒョウタンボクだったので、おかしいなと思っていたところです。僕が訪れた時はダイセンヒョウタンボクに気づきませんでした、残念。花期の違いなど参考になりました。余談ですがまた1-0で負けちゃいましたね。カープは1点差ゲームを全部落としている気がして...こんなんじゃ優勝できません

2013-05-18 阿蘇山の樹木レポート

[]阿蘇山で躍動する大自然を感じる

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 熊本に行く用事があったので、ついでに阿蘇山に行ってきた。阿蘇はこれまで、カルデラ内で樹木観察をしたりドライブで通過したことはあったけど、ロープウェイのついた火口まで登ったのは実は幼少の頃以来。阿蘇パノラマラインや外輪山のミルクロード周辺は、見渡す限りの牧草地帯で、秋吉台の草原なんて比にならないぐい広い。昨年の集中豪雨であちこり崩れていたのが痛々しかったけれど、これも自然の姿でとてもワイルド。

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 山頂付近はすごい強風で、ジャンパーやダウンジャケットがないと寒くて凍えてしまうぐらい。そして、ぐつぐつ煮立って噴煙をあげる噴火口が眼下に見えるのは、改めてすごいと思った。世界一活動的な火山といわれる、ハワイ島キラウェアの火口を連想する景色で、展望台の臨場感はそれを上回っている。火口の店員さんや駐車場整備員さんの話によると、昨日までは暑かったのに今日は特別な寒さとか。また、北風だと有毒の火山ガスが流れてくるため、火口一帯は立入禁止になるのだが、一日中立入禁止にならなかった日は5月は今日で2日目とか。どちかといえばラッキーということか。

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 山肌をピンク色に彩るミヤマキリシマもちょうど満開を迎えたタイミングだったけど、仙酔峡のほうは大混雑らしいので、阿蘇山ロープウェイ乗り場周辺で観察した。この辺りも結構ミヤマキリシマがあり、花は十分観察できる。花色が濃いもの、薄いものなどかなり変異があるのが印象的で、園芸品が多いキリシマツツジ&クルメツツジの母種になっているのも納得だ。山頂に近づくほど地をはうような樹形になり、山頂部ではイタドリとスゲぐらいしか生えていなかった。

【今日見た樹木】
ミヤマキリシマ花、シモツケナツグミ、ヤマヤナギ、ウメモドキ、サワフタギ、イタドリ(草)





(↓はてなダイアリーが勝手に表示するようになった広告。無視して下さい)

fumfumfumfum 2013/05/29 15:51 こんにちは、御無沙汰をしています。
こちらは今日梅雨入りとの予報で、それらしい雨が降り始めています。
うの花も咲き・・夏は来ぬです。
阿蘇は何年も前に行きましたが、現実に一村?を外輪山が取り囲む様は目のあたりにしないと実感がわきませんでした。
しかし歩かなかったのでそれ以上のことは全くわかりません。
春でしたが寒くて牛が少し出ていて草もまだ生えていない地に寒そうに固まっていたのだけを覚えています。
観光客ってそんなものですよね。

今年は家のあたりに鶯が来て、隣家の庭で鳴いているとき等はスピーカーをつけているのかと思うほど声が響き渡ります。
なのに今頃の鶯は俳句では老鶯って呼ぶんですよね、可哀想!

まついまつい 2013/05/29 22:49 こんばんは。
阿蘇は修学旅行で行ったきりです。その時は雪が積もっていて、バスは米塚を見て間もなく引き返した記憶があります。活火山の噴火口一度は見たいです。
fumfumさん、
うちの近所でもウグイスの囀りが盛んになっています。たぶん、一番子を育て上げて次の繁殖のための縄張り宣言とかではないでしょうか。同時にホトトギスの「トッキョ キョカキョウ(特許許可局)」も響いてきます。ウグイスへの托卵を狙っているのでしょうね。

conokixconokix 2013/05/30 12:34 >fumfumさん
大変ご無沙汰です。ブログも久々の復活です。阿蘇のカルデラ地形は本当に壮大なスケールですごいですよね。私も数年前に冬枯れの季節に阿蘇パノラマラインを通りましたが、寒いし何もないのですぐ通過でした。ウグイスが庭でさえずるなんて本当にいいですよね。老鶯ですか、そんなに寿命が長いのでしょうか...

>まついさん
やはり冬の阿蘇は寂しいですね。ウグイスやホトトギスの鳴き声が近所から響いてくるのは、皆さんいい環境に住まれている証拠ですね。今日、拙宅の近所ではイカルがさえずっていました。

kamekame 2013/07/21 20:24 先生、こんばんは。
初めて投稿させて頂きますが、先月は大変お世話になりました。
先日、何度も行き来してきた沖縄を訪れましたが、お陰様で亜熱帯の樹種も随分分かるようになりました。
今後ともよろしくお願いします。

conokixconokix 2013/07/23 19:22 kameさん書き込みありがとうございます。沖縄に何度も行かれているのですね。私も亜熱帯は大好きです。いずれこのブログでも沖縄の樹木を紹介できればと思っています。よろしくお願いします。

2013-05-10 スマホ使用比較レポート

[]iPhone vs. Andoroidは歴然の差

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 昨年末、私も妻も携帯電話が古くなったので、ようやくスマートフォンに切り替えることにした。さて、アイフォンとアンドロイド携帯、どちらにしよう。私は15年以上前からMacintoshユーザーでiPod touchも使っていた(紛失)が、身の回りすべてを同一ブランド化するのは好きではない。ノートパソコンはWindowsだし、検索はいつもGoogleを使っている。世の中は数的にはアンドロイド携帯の方が多いわけで、iPhoneとAndroidを片方ずつ夫婦で持てたらベストだ。

 ということで妻に希望を聞くと、「私はどっちでもいい。アイフォンを持ってる人はこだわりを持ってそうだから、私はアンドロイドでいい」とのこと。では私がiPhoneにしよう。ということでauショップに行く。妻は、カメラをよく使うので写真がきれいなこと、以前ソニー携帯に使い慣れていたことから、お店の人も勧める最新のSonyのXperia VL(写真右)を購入。一方の私はiPhone5(32GB)(写真左)を購入。約半年間、両者を使い比べてみた結果は以下の通り。


項目iPhone5(私)Xperia VL(妻)コメント
発売日2012年9月2012年11月購入はそれぞれ13年1月初旬、12年12月末
画面の綺麗さ◎ 1136 x 640◎ 1280x720両者美しくピクセル数の違いはわからない
タッチ操作感◎ 非常に滑らか× 反応鈍く硬い動き重要項目だが意外なほど差があった
本体の形大きさ◎ コンパクト○ 女性にはやや大きい画面が大きいことよりフィット感が重要か
充電のもち◎ 特に不満なし× 1日もたないこと多い妻は充電器が手放せない
カメラ性能○ アプリなどで強化◎ 基本性能は上機能はXperiaが上だが大差はない
OSの使い心地◎ シンプルで安定× やたら表示多く不安定Androidはバグや強制終了多すぎ
スピーカー音質◎ とてもクリア△ ややこもった感じXperiaは背面スピーカーで聞きにくい
記憶容量○ 32GBを選択◎ 32GB+microSDHCまあ32GBで足りないことは普通ない
その他利点アクセサリが豊富防水なので風呂で使える付加機能はエクスペリアの方が多い

ということで、結論から言うとiPhoneの圧勝だった。半年も使うまでもなく1週間でその差は歴然で、妻は操作反応の悪さやOS(基本ソフト)の不安定さ、すぐ充電が切れることに不満を募らせ、「私もアイフォンにすればよかった」と言っている。というか、そもそも「もうスマホは嫌だ」とも言ってるから、好みや相性の問題もあるだろう。

しかし、これからスマホ購入を検討している人がいたら、やはりiPhoneがオススメである。まず、スマホの先駆けだけあって、携帯本体もOSもアプリも完成度が高い。アップルが独占開発するiPhone(iOS+Appストア)には批判もあるが、Andoroid携帯は多メーカーが本体やアプリを作ってるため、規格がバラバラだったり、ウィルスみたいな危険なアプリがたくさんあったりして、非常に煩わしい。これほども違いがあるのかと、正直驚くほどの差であった。

ま、Andoroidには多機種、多機能などの利点はあるし、iPhoneはアプリをダウンロードして使いこなせないとかなり不便なので、スマホを使うか否かも含め、最終的にはやはり個人の好みの問題なのだろう。

まついまつい 2013/05/16 11:25 お久しぶりです。
ぼくはほとんど携帯を使っていないのですが、息子たちの様子を見ているといろんなことができそうなので、もし、買い替えるとしたらスマホにしてみようと思っています。(そんな日がくるかどうかわかりませんが…)
実証的にiphoneのほうがおすすめとの情報ありがとうございました。

conokixconokix 2013/05/16 12:56 まついさん、お久しぶりです。ブログのネタはあるのですが、書く余裕がなくてかなり久しぶりの更新となってしまいました。スマホは細かい作業が嫌いな人には向かないかもしれませんが、チャレンジする場合はどうぞ参考にして下さい。