三省堂全訳読解古語辞典(第三版)・3

 同じ本のネタを続けて申し訳ないですが・・・。
 学習用辞典とはどうあるべきかを考えさせる項目もあります。例えば、本書では「いまのまさか」(今の目前)が立項されていて、

(「まさか」は現在の意)今の今。今このとき。 例「さ百合花後*1も逢はむと思へこそ――も愛*2しみすれ」〈万葉・一八・四○八八〉 訳(さ百合花)将来も逢*3おうと思うからこそ、今このときも親しくするのです。 〔注〕「さ百合花」は「後*4」の枕詞。

とあります(第二版も同)。
 しかし、「いまのまさか」という言い回しは、この万葉集の一例以外にどこに出てくるのでしょうか?専門家に探してもらえば、ひょっとしたら見つかるかもしれないけど、非常に珍しい表現であることにはかわりませんよね。そういう言葉を見出し語として独立させて説明することに辞書として意味があるのかしら。

*1:ゆり

*2:うるは

*3:

*4:ゆり