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9-29

本棚メモ

| 16:54 |  本棚メモを含むブックマーク

 有用な文献目録をいろいろと出している日外アソシエーツ社が遂にアニメに手を出したようで。

1917年〜2010年4月に、日本国内で公開・放送・発売されたアニメ6400本の基本情報を集大成し、うち4800作品には詳細な解説を付与。原作図書のデータも充実。巻末に公開年順索引・原作者名索引付き。

 ちょっとすごいですね。

神保町公式ガイド vol.1 (メディアパルムック)

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ダンテ『神曲』講義

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デジタル書物学事始め (ネットワーク時代の図書館情報学)

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「書」を考える―書の本質とは

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名画で読む聖書の女たち

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善光寺の中世

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蒐集行為としての芸術

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正式名称大百科

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ミステリ作家の自分でガイド

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美学・美術史研究文献要覧 2005~2009

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浮世絵レファレンス事典

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美術家人名事典 工芸篇―古今の名工2000人

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伝記・評伝全情報 2005‐2009日本・東洋編

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9-28

倭国伝

| 14:20 |  倭国伝を含むブックマーク

 本書は、学研中国の古典」シリーズから出ていたものをもとにしていて、原書に付録としてついていた「使琉球録」「使事紀略」「夷語附」が省かれましたが(正史「原文」が省略されなかったのは好判断です)、優れた訳注書が装いを新たに刊行されたのは喜ばしいことです。

 ただ、今回文庫化に際して付された竹田氏の序に、

 中国の正史における日本に関する記録の翻訳としては、たとえば「魏志倭人伝」などを個別に翻訳、刊行した例は二、三あるが、本書のように、「後漢書」から「明史」に及ぶ九種の正史を網羅して扱った例は見られない。また、日本についての記事だけでなく、日中両国と歴史的・文化的に極めて関係の深い朝鮮半島に興亡した国々の記事も収録したことは、本書の読者にとって大変有益であろうと思う。

(6頁)とあるのは、たしかに「「後漢書」から「明史」に及ぶ九種の正史」を扱ったのは本書が随一でそこに不朽の価値がありますが、東夷諸国の伝(もちろん倭・日本伝を含む)を『新唐書』まで扱い(そこには本書『倭国伝』では取り上げられなかった正史も含む)、『通典』の現代語訳も収録した、井上秀雄他訳注『東アジア民族史』1・2に挨拶がないのは少し不公平ではないかという気がしました。読者のみなさまの参考までに。

東アジア民族史 1―正史東夷伝 (東洋文庫 264)

東アジア民族史 1―正史東夷伝 (東洋文庫 264)

東アジア民族史 2―正史東夷伝 (東洋文庫 283)

東アジア民族史 2―正史東夷伝 (東洋文庫 283)

 あと、『新唐書』や『宋史』に見られる我が国の「年代紀」に対する認識について。たとえば「次は、神功天皇開化天皇の曾孫〔の〕女にして、又、之を息長足姫天皇と謂う」(280頁『宋史』日本国)の「神功天皇」に対する注に「仲哀天皇の妃、神功皇后の誤り」とありますが、これは「誤り」と言えるのかどうか。

 同じような問題ですが、「次は天智天皇、次は天武天皇」(281頁)のところの注、「実際には天武の前に天智の子の弘文が立っている」というのは、このままでは少し気になります。

9-26

神戸新聞杯 オールカマー・結果

| 17:37 |  神戸新聞杯 オールカマー・結果を含むブックマーク

 神戸新聞杯では東京優駿1・2着馬が貫禄を見せて他馬を寄せ付けず。今回はそのときと着順が逆になりました。

   1 (2)ローズキングダム

   2 (1)エイシンフラッシュ

   3 (5)ビッグウィーク

   4 (10)タニノエポレット

   5 (3)レーヴドリアン

天候:晴 芝:良

優勝タイム:2.25.9(以下、クビ・3・3/4・3/4) ハロンタイム:13.0 - 11.5 - 13.2 - 12.9 - 12.5 - 12.2 - 12.7 - 12.1 - 12.0 - 11.6 - 10.6 - 11.6 上がり3F:33.8

 春には440キロくらいしか体重がなかったローズキングダムが逞しくなって戻ってきた。この一族は線の細い馬が元々多いのですが、重厚感がありましたね。第4コーナーでエイシンフラッシュと少し接触があったようにも見えましたが、全くひるまずに内を突いて加速。最後の100メートルくらいはクビ差のリードを保ったままダービー馬に抜かせませんでした。強かった。おめでとう〜。コース取りも良かったエイシンフラッシュは、あそこを差せなかったのは少しショックでしょう。まあステップレースですから・・・。

 例年であれば菊花賞はこの2頭が軸になるところでしょうが、今回のレース自体は超スローペースの展開で最後は瞬発力勝負(ダービーの時みたいです)。しかし、今年は、ヤマニンエルブが出てきます。何かありそう。

 さて、オールカマー。いつも思うのですが、ドリームジャーニーは本当に哀れです。陣営はGI以外はやる気がなさそうだし(馬主さんはそれで良いのか)、鞍上は相変わらずの駄乗で「これ前回のレースのVTRなの?」というのを何度も繰り返している。GII馬すらいない今回のレースは必勝、というか、GI3勝馬が負けたら言い訳ができないだろうという状況にも関わらず、「人間がああだから、まあ仕方ないよね、2着でよく頑張りました・・・」という声がファンの間から上がるというのは、どう考えても異常です。

 それでも、シンゲンが勝ったのは素直に嬉しいですけど!本当におめでとう〜

   1 (5)シンゲン

   2 (1)ドリームジャーニー

   3 (6)トウショウシロッコ

   4 (7)サンライズベガ

   5 (2)ジャミール

天候:晴 芝:良

優勝タイム:2.11.4(以下、クビ・クビ・クビ・2) ハロンタイム:12.4 - 11.1 - 12.2 - 11.9 - 12.4 - 11.9 - 12.0 - 12.2 - 11.7 - 11.7 - 11.9 上がり3F:35.3

 骨折を繰り返し、長期休養を繰り返し、7歳にしてようやくこれが17戦目。去年は(レース中の)故障さえなければ天皇賞馬にもなれたかもしれない名馬が見事に復活しました。こちらの陣営には本当に頭が下がります。左回り(東京)は更に良し。今年こそは栄冠に届くかもしれません。無事でいてくれますように。

 ドリジャは逆に東京だと苦しそうですし、どうなりますか。そろそろ引退の二文字が・・・

 トウショウシロッコサンライズベガは相変わらず元気ですね。シロッコベガも叩いて良くなる。今年の夏は異常に暑かったのに、疲労という言葉は辞書にないのでしょうか。

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9-25

「向原寺」の読み

| 17:22 |  「向原寺」の読みを含むブックマーク

 見つかって本当に良かったですね〜。

 奈良県明日香村の向原寺(こうげんじ)から36年前に盗まれた仏像が、オークションに出品されていたことが分かり、寺が買い戻して無事に「帰還」した。同寺が24日に公表した。金銅製の観音菩薩(ぼさつ)立像(高さ37.3センチ)で、改めて調査したところ、頭部は約1300年前に制作されたことが判明。蘓我原敬浄(そがはら・けいじょう)住職(66)は「長い旅を経て帰ってこられ、感激している」と喜んでいる。

 同寺によると、江戸時代に近くの池から頭部が見つかり像全体を修復したが、1974年9月に本堂から木製の厨子(ずし)(高さ45センチ、幅25センチ)ごと盗まれたという。

http://www.asahi.com/national/update/0924/OSK201009240095.html

 それはそうと、「向原」は「むくはら」と読むのでは?と疑問に感じたのは、例の「仏法公伝」、『日本書紀欽明天皇十三年の記事を思い出したからで、「向原(むくはら)の家を浄捨して寺とす」。

 この時点で一つの勘違いに気がつきました。この向原寺は江戸時代くらいまでは「広厳寺」と呼ばれていまして、わたしはこれをずっと「こうごんじ」と思っていたのですが(神戸にある、楠木正成が自決した広厳寺は「こうごんじ」のはずです)、これは実は「こうげんじ」で、「向原」の音読みに由来し、現在は「向原寺」の表記で「こうげんじ」とよむというわけですね。

 何やらゴチャゴチャになりましたが、わたしの理解が間違っていたら教えてください。

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9-23

本棚メモ 

| 16:50 |  本棚メモ を含むブックマーク

 やや旧聞に属しますが、この『空想皇居美術館』はちょっと面白そうです。

空想 皇居美術館

空想 皇居美術館

アレの名前大百科

アレの名前大百科

失われた歴史

失われた歴史

漢語の言語学

漢語の言語学

唐話辭書類集 別卷 諺解校注古本西廂記

唐話辭書類集 別卷 諺解校注古本西廂記

日本の護符文化

日本の護符文化

故事成語の誕生と変容 (角川叢書)

故事成語の誕生と変容 (角川叢書)

ワイドで楽しむ奇想の屏風絵 (広げてわくわくシリーズ)

ワイドで楽しむ奇想の屏風絵 (広げてわくわくシリーズ)

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9-22

日本だけの「名月」

| 18:04 |  日本だけの「名月」を含むブックマーク

 たとえば、宋・蒲積中『古今歳時雑咏』には中秋を主題とした唐・宋詩が200首以上集められていていますが(巻29〜32)、それを眺めていて気づくのは「名月」という表現が出てこないことです。

 『漢語大詞典』や『佩文韻府』にも項が立てられていないので、漢語としては一般的ではないのでしょう。唐土に「明月」はあっても、「名月」は我が国にしかないようです。もちろん、旧暦八月十五日に月を愛でることは(この大量の漢詩の蓄積が示す通り)大陸伝来の行事なのですが、唐人は素晴らしい月を「名月」と呼ぶことはありませんでした。なぜか。

 どうもそのカギは「名」にあるようです。「名」+「名詞」という語構成を持つ漢語を挙げていくと、「名刀」「名人」「名門」「名山」「名僧」「名物」・・・要するに、同類がいろいろとあるなかで特に優れているもの、評判の良いもの、を指します。「月」はこの世に一個しかないのだから「名月」もヘチマもない、という発想でしょう。たしかに、仮に「名日」「名天」とか言われると奇妙に聞こえますね。日本でも平安時代以前には「名月」の例はないとされます(『日本国語大辞典』)。

 となると、「名月」を用いる日本人は月が何個も存在していると信じているのか、となりますが、もちろんそんなことはなくて、中国人が「物体としては一個しかない月」と即物的にとらえるのに対して、日本人は「一年に十二回満ち欠けする月のうちの、八回目の満月(あるいは、九回目の十三日目の月)が優れている」と現象面に注目するわけですね。

 まあ、ほとんどこじつけのような気もしますが、ここら辺は彼此の比較文化論もできそうではないかと密かに思っています。


 それにしてもこっちの方では本当に美しい名月が東の空に出てきました。一晩中楽しめそう。

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9-21

古事類苑新仮名索引

| 00:05 |  古事類苑新仮名索引を含むブックマーク

古事類苑新仮名索引

古事類苑新仮名索引

 刊行から時間が経ってしまい、本書を紹介する機会を失いかけていたところで、ちょうど良いネタが。

雅楽の盤渉という音階が赤ちゃんの産声の高さを表しているという… - 人力検索はてな

 盤渉が産声をもとにしているという話は聞いたことがない・・・というわけで、『古事類苑』を引くわけですが、この『総目録 索引』が実に使いづらいのです。一回でも使ったことがある人なら同意してくれるでしょう。

古事類苑〈第51〉総目録・索引 (1969年)

古事類苑〈第51〉総目録・索引 (1969年)

 使いづらいだけならまだしも、誤りや遺漏が多いのが困りもの。今回も「盤渉」(ばんしき)を引こうとしても、

f:id:consigliere:20100921000231j:image

 こんなのはよくある話で、「おそらく『バンセウ』(ばんしょう)と読んでいるのであろう・・・」と思って見てみると

f:id:consigliere:20100921000232j:image

 直感頼りの職人芸を要するわけですが、この『新仮名索引』の登場で旧索引も無用の長物となりました。誤謬は訂正され、利便性が高くて感動すら覚えます。

f:id:consigliere:20100921000233j:image

 それでも旧索引には愛着があって、思わず引いてしまいますが。

 さて、肝心の「盤渉」は結局よくわかりませんね。

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9-20

セントライト記念 ローズS エルムS・結果

| 20:40 |  セントライト記念 ローズS エルムS・結果を含むブックマーク

 三日開催のうち、昨日と今日は競馬を見られず。さっきVTRを観たのですが、セントライト記念は久しぶりに面白い競馬でしたね〜。3コーナーの前からスタンドがどよめいていますw 是非御覧になってください。

 走破時計も素晴らしいですし、ヤマニンエルブは本番でも応援したくなる魅力的な馬。サッカーボーイの血が入っているのも長丁場では有利に働く。

   1 (4)クォークスター

   2 (3)ヤマニンエルブ

   3 (2)アロマカフェ

   4 (11)ゲームマエストロ

   5 (6)ダークシャドウ

天候:晴 芝:良

優勝タイム:2.10.9(以下、クビ・3/4・クビ・1/2) ハロンタイム:12.1 - 11.0 - 11.7 - 11.8 - 12.1 - 11.7 - 11.7 - 11.8 - 12.0 - 12.2 - 12.8 上がり3F:37.0

 ギリギリでゴール前届いたクォークスターも立派ですが、やはりヤマニンエルブのスピードと根性はもっと褒めるべきかも。クォークスターはスタミナが少々心配です。瞬発力は間違いなく当世代で屈指ですが。

 ローズSでは二冠馬が4着敗退の波乱。馬体重+24キロですし(成長分を考慮したとしてもちょっと増え過ぎ)、叩いて良くなるでしょうけど、注目の的なのですから3着までには入らなきゃ・・・。最後は流したのか余力がなくて諦めたか。もともと早熟傾向の強い血統で、秋以降の成長力を不安視する向きもあったと思います。それでも、本番では軸として不動なのでしょうけど。

   1 (4)アニメイトバイオ

   2 (6)ワイルドラズベリー

   3 (5)エーシンリターンズ

   4 (1)アパパネ

   5 (8)トゥニーポート

天候:晴 芝:良

優勝タイム:1.45.8(以下、アタマ・1 1/4・ハナ・2 1/2) ハロンタイム: 上がり3F:

 ともかく、女王が本調子ではなかったことでハナ差3着、出走権を得たエーシンリターンズは嬉しいでしょうね。最後は差されましたが、勝ちに行く競馬で堂々としたものでした。こういう小さなことが後々影響を及ぼしてくることがあることを忘れてはいけない。

 アニメイトバイオオークスで人気を落としながらも4着と健闘して、中距離で何とかなりそうということを示せました。ここを勝ったことで評価は間違いなく上がる。もともと堅実な馬。

 2着ワイルドラズベリーベッラレイアの姪。叔母姪ともにローズS2着。

 というわけで、東西ステップレースで良績を残した各馬おめでとう〜。

 最後に本日のエルムS。なんというか、先週の朝日CCと同様に、事実上3、4頭立てのようなレースでしたね。

   1 (2)クリールパッション

   2 (4)オーロマイスター

   3 (1)エーシンモアオバー

   4 (13)ピイラニハイウェイ

   5 (3)アドマイヤスバル

天候:雨 ダート:良

優勝タイム:1.43.5(以下、3/4・1 3/4・1・3/4) ハロンタイム:6.8 - 11.1 - 12.1 - 12.6 - 12.3 - 12.2 - 12.2 - 11.9 - 12.3 上がり3F:36.4

 クリールパッションは横綱相撲といった風情で危なそうな雰囲気は全くなく、ここは完勝。津村Jは先週のファイアーフロートに続いて2週連続重賞勝ちですか!人馬ともにおめでとう〜。

 オーロマイスターはこの条件で3戦2着3回目で、これは苦笑いをするほかないでしょう。

 エーシンモアオバーは今回もマイペースで行けたと思うのですが、決め手上位の馬が来ると前走のように楽にはいかない。正念場。

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9-17

本棚メモ

| 22:58 |  本棚メモを含むブックマーク

 実際に入手したり目を通した本については速やかにレポでも書きたいのですが、時間が・・・

万葉集を読みひらく

万葉集を読みひらく

横山光輝「三国志」大研究

横山光輝「三国志」大研究

絶滅寸前季語辞典 (ちくま文庫)

絶滅寸前季語辞典 (ちくま文庫)

書論の文化史

書論の文化史

口語訳 雲根志

口語訳 雲根志

すぐわかる画家別幻想美術の見かた

すぐわかる画家別幻想美術の見かた

中國古代の財政と國家 (汲古叢書 91)

中國古代の財政と國家 (汲古叢書 91)

奇談雑史 (ちくま学芸文庫)

奇談雑史 (ちくま学芸文庫)

枕詞辞典

枕詞辞典

川柳吉原と岡場の辞典 (シリーズ江戸を識る辞典)

川柳吉原と岡場の辞典 (シリーズ江戸を識る辞典)

法華経思想論

法華経思想論

後水尾院初期歌壇の歌人の研究

後水尾院初期歌壇の歌人の研究

史料検証 日本の領土

史料検証 日本の領土

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9-16

ホメオパシーとしての飲酒――「酒は百薬の長」の意味の変化

| 13:38 |  ホメオパシーとしての飲酒――「酒は百薬の長」の意味の変化を含むブックマーク

 先日、ある夫婦(?)の会話を聞いていて「おや?」と思いまして。

 酒好き(であろう)のご主人が「酒は『百薬の長』と言うからね・・・」と言ったのを奥さまが聞き咎めて「酒より薬飲んだほうがいいに決まってるじゃない」とたしなめられてご主人が苦笑しているという場面だったのですが、最初はわたし意味が全くわからず。

 すぐに気づいたのですが、どうやらこの奥さま、酒を「百薬」のなかに含めてないらしいと。獅子は百獣の王であるといったら獅子は百獣に含まれないのかしら。

 おかしな話もあるものだと思ったら、『日本国語大辞典』(第2版)の記述で驚きまして、

酒は適量に飲めば、多くの薬以上に健康のためによい。

 曖昧な表現なのですが、これを素直に読めば、やはり酒は「多くの薬」に含まれていないようです。これやいかに。

 以上のことをネタに話をしましたら、非常に明快な反応がありまして、「それはおまえ、先日怒り狂っていた例のアレで、酒はホメオパシーだからね。」ああ、そうか、酒はレメディだったのか。若干の医療効果が証明されているワイン等のアルコール飲料と、気休め以上の効果がない砂糖玉が同列に扱われるのは心外ですが、これで全て合点が行きました。

 本当に正しいかどうかはともかく、こういうことです。わたしを含めて飲兵衛は酒を四六時中讃美すること倦まない生き物でして、「酒は百薬の長」などという古い賛辞(『漢書』食貨志・下に由来します)をも伝承してきたわけで、従来は、酒は薬の中で一番効果がある、だから宴会に欠かせない、という原義で使ってきたものが、近代医学の成立によって、どうやら風邪や炎症や気の病を治すのはアルコールではないらしいということを知ってしまいます(気の病については一定の効果があるかもしれませんが)。

 こんにちでは「酒は医薬品である」と真顔で言ってしまうと、「ホメオパシーは治療法として有効である」と同様に白い目で見られるのは必定。さりとて、長いこと保ってきた「百薬の長」の地位を剥奪するのは忍びない。そこで飲兵衛たちは、この諺の意味を少しずらして用いるという荒技を編み出したわけです。

 まず酒を「百薬」から切り離した上で、「適量に飲めば」という、飲兵衛以外の人たちにも受け入れられやすいような常識的な文言を滑り込ませ、さらに「健康のためによい」、つまり、実際に病気を治すというより病気予防・健康増進の観点からいって医薬品以上の薬効が期待できる、その点で「百薬の長」であると、こういう風にしたのではないでしょうか。

 仮にこれが正しいとしたら、この転義を定着させた飲兵衛たちの政治力はなかなか大したものです。なお、この話はわたしが少々酩酊しているときに思いついたことなので、ネタとして聞いてくだされば幸いです。

 余談ですが、正倉院文書のなかで「薬」を購入する文書があって、ある時期においてその「薬」はどうやら「酒」を憚って「薬」と称していたらしいということを指摘したのが、丸山裕美子氏です。もっとも、この「酒」はアルコール分を含まない甘酒のようなものだったようですが。

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9-15

真・初心者のための仏教講座(6)

| 12:14 |  真・初心者のための仏教講座(6)を含むブックマーク

 いよいよ最終回で、どの仏典を読むべきかというお話ですが、これは(4)で言及したように、宗派任せということになります。

 そういうと何やら語弊がありますが、要するに、天台宗であれば「法華具経」と総称される『法華経』(開経の『無量義経』と結経の『観普賢経』を含む)・『般若心経』・『阿弥陀経』に行きますし、真言宗であれば『大日経』『理趣経』等に行くといった具合に、宗派ごとに「所依」の(よりどころとなる)お経が異なるという意味です。同じ仏典でも宗派間で解釈が異なるのは言うまでもありませんが。

 現に、「倶舎宗」「成実宗」「三論宗」「華厳宗」は依拠するお経の名前がそのまま宗派の名前になっています。それぞれ、『倶舎論』、『成実論』、『中論』・『百論』・『十二門論』(総称して「三論」)、『華厳経』。

 所依の経を知る手っ取り早い方法は、たとえば『八宗綱要』を参照するとかいろいろあるのですが、法然『黒谷上人語燈録』(漢語燈録)巻10の「浄土初学鈔」の「諸宗経疏目録」という箇所はそれを一覧で示してくれていて便利です。たとえば、天台宗は、

f:id:consigliere:20100915121405j:image

 巻数の下にあるのは著者(訳者)名で、「羅什」は鳩摩羅什、「天台」はもちろん智擇里海函◆嵬楽」は湛然を指します。『妙法蓮華経』の後に列挙されている『法華玄義』『法華玄義釈籤』『法華文句』『法華文句記』・・・といったものは古典的注釈書や解説書です。

 『倶舎論』の注釈である『倶舎論頌疏』は紹介しましたが、こういう注釈を読むというのは「初心者」の範疇をもはや超えているものなので「ああそういうものなんだな」くらいに思っていただければ良いと思います。それでも、将来もし挑戦する機会があればということで、頭の片隅に置いてもらえれば。

 天台の話のついでですが、『法華玄義』以下、『摩訶止観』『止観輔行伝弘決』までの6部の著作は大変多くの読者を獲得してきました。『摩訶止観』は注釈書ではなく、観法を説いた修行実践の書でして、禅や念仏に関心がある方々もきっと得るところがあると思います。

 最後になりますが、いわば教養として幅広く受容されたはずの経典ももちろんあって、たとえば、南京三会で使用された『維摩経』・『最勝王経』・『仁王経』や、『法華経』や浄土三部経(『無量寿経』・『観無量寿経』・『阿弥陀経』)といった辺りの影響力は宗派を超えてケタ違いでした。『金剛般若経』ももちろんそうで、最後のほうにある偈「一切有為法 如夢幻泡影 如露亦如雷 応作如是観」(一切の有為法は、夢・幻・泡・影のごとく、露のごとくまた雷のごとし・・・)は古典時代の人だったら誰もが知っていたはずです。こういったところから読み始めると良いかもしれません。

 文学作品としても面白いのは『維摩経』『華厳経』『法華経』ですが、スケールの大きさで強烈な印象を与えるという点では『法華経』は群を抜いています。思想的に見ても、『維摩経』では「敗種」とされ、ほかの大乗経典でもことごとく貶められている声聞・縁覚の二乗ですが、『法華経』ではその二乗も含めて成仏できると釈迦が説くわけで、それを聞いた舎利弗らが大歓喜するという場面を読むと、信者でなくても心に感じるものがありますね。『華厳経』も一部おもしろいですけど、全体としてつかみどころがない印象。


 いつかまた補足の話をするかもしれませんが、一応これで完結です。上から目線の話に長いことつきあってくださいまして、どうもありがとうございました。スコラ的側面に関心があるといいながら、教義面にあまり踏み込まなかったのは、わたし自身まだ理解に自信がないからです。お寺詣でや葬式仏教ではない一面をみなさまに垣間見せることができたとしたら、わたしとしては成功したということになります。


【追記】「仏」タグを新設してまとめたので一気に読みたい方はどうぞ → [仏] - Cask Strength 右コラムの「どんなこと話したっけ?」からも入れます。

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9-14

真・初心者のための仏教講座(5)

| 16:42 |  真・初心者のための仏教講座(5)を含むブックマーク

 一般的な注意点の二つ目ですが、それは日本仏教の宗派*1についてです。

 かつて日本は「八宗」と総称される宗派が朝廷の公認を受けていました。南都(奈良のことです)六宗(倶舎宗成実宗律宗法相宗三論宗華厳宗)に、平安時代に公認された天台宗真言宗を加えた八つということになります。禅や浄土信仰もかなり早い段階から広い支持を受けていましたが、独立した宗派として認められていたものではありません。鎌倉仏教の興隆以前の日本仏教界の姿はこんな感じでした。凝然『八宗綱要』の「八宗」がこれです。

 余談ですが、八宗という用語は現代では全く異なる意味のようで、その事情を知らなかったわたしが『八宗総覧 日本仏教編年大鑑』(四季社)を見て、年表が「南都六宗」「天台宗」「真言宗」「浄土宗」「真宗」「臨済宗」「曹洞宗」「日蓮宗」に分類されていて少しびっくりしまして・・・。現代日本の現実に即して考えれば、こういう分類は当然なのですが。

日本仏教編年大鑑―八宗総覧

日本仏教編年大鑑―八宗総覧

 ちなみに、明治時代に出た『鼇頭十二宗綱要』の十二宗は伝統的な八宗に「浄土宗」「禅宗」「真宗」「日蓮宗」を加えたものです。

 鎌倉仏教についてはまったく手つかずの状態なので、その辺りのことはどなたかに御教示いただくとして、伝統的な八宗がどういうものかを知るための簡便なガイドブックが、上述した『八宗綱要』です。著者の凝然はまさに八宗兼学の天才。『沙石集』の著者である無住は十五歳ほど先輩にあたります。

 日本仏教「入門書」といっても、『倶舎論』と同様に、とてもそのままですぐに読めるようなものではありません。ありがたいことに、読み下し、現代語訳、語義注等がついた文庫版によって『八宗綱要』はだいぶ身近なものになりました。

八宗綱要 (講談社学術文庫)

八宗綱要 (講談社学術文庫)

 ここで注意しなければならないのは、仏教学はたんに仏教の術語を理解すればそれで分るというものではない。仏教学は広い意味での人間学であり、人間の生きた相を仏の世界からえがいたものが仏教学である。

(中略)

 仏教に八宗(倶舎宗成実宗律宗法相宗三論宗天台宗華厳宗真言宗)ないし十宗(八宗に浄土教禅宗を加える)あるのは、人間に対する理解や、解釈の相違からきている。別に八種類の人間が存在するというのではなく、人間を理解する側面には八つあるということである。人間の生存そのものを八つの面からみようとして八宗が生れたと考えればよい。仏教に八宗があるといっても、その根は釈迦の教えにあることは論をまたない。

(「八宗綱要を読むにあたって」18〜19頁)

 というわけで、詳細はすべて本書に譲るとして、天台教学と浄土教を入口に、何十年かかけて(なんと愚鈍な・・・)八宗兼学となることを目指している私が表面を軽くなぞった程度で感じたのは、律宗はやや特殊で、まるで現代の民法刑法解釈のような煩瑣な議論が難解で(『梵網経』とかは避けられない大事な仏典なのですが・・・)あること、そして、「即事而真」の真言宗密教)はやはりほかの顕教とはだいぶおもむきを異にしていて、これはちょっと大変だなという感触です。密教は教義そのものも特殊ですが、とにかく儀軌の解説が必要不可欠で、私も一応『覚禅抄』は手元にあるのですが、独学の限界を感じます。

*1:まあ日本の場合、倶舎宗成実宗のように、宗派というよりも学派と言ったほうが正確なものも含まれていますが。

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9-13

真・初心者のための仏教講座(4)

| 15:51 |  真・初心者のための仏教講座(4)を含むブックマーク

 さて、入門書の(というにはあまりにも高度ですが)『倶舎論』を学んだ後は、どの仏典を読むべきでしょうか。これもまた予告的にいえば、実は、ここから先は宗派任せのようなところがあるのですが。

 そこで、まず、仏典を読む際の一般的な注意点を。たとえば、『法華経』を読んでみようということになったとします。岩波文庫の三冊本『法華経』を手にするのが、おそらく普通でしょう。

法華経〈上〉 (岩波文庫)

法華経〈上〉 (岩波文庫)

法華経〈中〉 (岩波文庫)

法華経〈中〉 (岩波文庫)

法華経〈下〉 (岩波文庫 青 304-3)

法華経〈下〉 (岩波文庫 青 304-3)

 それは良いのですが、わたしの経験からいっても、岩波文庫版など現代の読者を対象にした本を利用していると、どうしても漫然とダラダラ読み進めていってしまいますよね。

 しかし、伝統的な読み方はそうではなく、「科段」が非常に大事であったということは覚えておいたほうがいいでしょう。つまり、仏典はそれぞれ極めて整然と体系化されている構造物だと学僧たちは信じていたので(実際にそうでもあるのですが)、本文を段落分けしていき(大きい段落から小さい段落へと枝分かれするように分けていきます。ヴィトゲンシュタイン論理哲学論考』のように)、それぞれの段落がどのような意味を持っているのかを逐一明らかにしていくというのが仏典注釈の基本的スタイルでした。

 たとえば、前回(3)で紹介した円暉『倶舎論頌疏』に登場してもらいましょう。「世間品」の注釈の冒頭はこうあります。

従此第三。明世間品。於中有二。一者明有情世間。二者明器世間。就明有情世間中有二。一総弁有情。二判聚差別。就総弁有情。復分三段。一明有情生。二明有情住。三明有情没。就初明有情生中。復分九種。一明三界。二明五趣。三明七識住。四明九有情居。五明四識住。六明四生。七明中有。八明縁起。九明四有。此下第一。一明三界者。(以下略)

 「従此第三。明世間品。於中有二」、これより『倶舎論』第三巻「世間品」を明らかにする箇所は内容的に2つの段落に分けられるといいます。つまり、「一者明有情世間。二者明器世間」、1つは「有情世間」、2つ目は「器世間」の解説だということです。

 ここからさらに小段落に分かれていき、「明有情世間」の部分はやはり2つの段落(「総弁有情」、総論にあたる部分と、「判聚差別」、各論に区別される部分)に、そしてその「総弁有情」についてはさらに3つの段落(「明有情生」「明有情住」「明有情没」)に、そしてそのはじめの「明有情生」はさらに9つの段落に分かれ、今から取り上げるのは、その最初の「明三界」(欲界・色界・無色界を説明する箇所)だということになります。

 あらかじめ見取り図を書いておかないと忘れてしまいますよ。

 『法華経』も同じことで、たとえば、伝統的な注釈の体裁をとる織田得能『法華経講義』を見てみますと、序品の「爾時世尊・・・」のところ(岩波文庫・上巻18頁)は、

已下別序の中五段に分かれ第一に衆集序。第二に現瑞序。第三に疑念序。第四に発問序。第五に答問序なり。今は先つ第一の衆集序にて多種の同聞衆が一処に集りて教主を恭敬尊重するを明かす。

「別序」(これも一種の段落分けです)のなかに5つの段落がある、とこんな感じになります。それで、第2の現瑞序の段落(「為諸菩薩・・・」)に行くと、

此より以下別序の中の第二現瑞序なり。此中に此土の六瑞と他土の六瑞との二種あり。先つ此土の六瑞の中。此は第一の説法瑞なり。

ここは「此土(わたしたちの娑婆世界)六瑞」と「他土六瑞」の2つの段落に分かれ、さらにそれぞれ6つの段落に分かれるということです。

 慣れていないと読み進めるのに難渋するスタイルなのですが、慣れると仏典理解の大きな助けになりますし、なにしろ伝統的な注釈書にとりかかるための準備運動になります。

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9-12

真・初心者のための仏教講座(3)

| 15:21 |  真・初心者のための仏教講座(3)を含むブックマーク

 『倶舎論』が重要だといっても、正直いって、これに全部目を通すというのはかなり難しいと思います。そこでお勧めするのは、長行の部分をとばして、頌の部分だけを読むということです。といっても、頌だけでもその数600あるので、一昼夜で読めるようなものではありませんが・・・根気よくつきあってみてください。

 わたしたちは別に仏教を専門に勉強しているわけではありません。頌だけを受容するのは別に邪道でもなんでもなくて、現に『枕草子』(「正月に寺に籠りたるは」)に、

帯ばかりうちしたる若き法師ばらの・・・倶舎の頌など誦じつつありくこそ、所につけてはをかしけれ。

とあるわけで、王朝時代の人々にとって『倶舎論』(に限らないのですが)の頌の部分はなじみ深かったわけです。

 しかし、頌の部分はそのままでは全く理解不能なので、頌に特化して読み下し・注釈・解説をおこなった、桜部建『倶舎論』(仏典講座、大蔵出版)に頼ることになります(本書は「分別定品」については論の部分も取り上げています)。

倶舎論 (佛典講座)

倶舎論 (佛典講座)

 おそらく紙幅の都合だったと思うのですが、本書の解説でも不十分なところがあるのは仕方ないですね。そういう場合は、やはり論(長行)にあたるべきでしょう。または、頌の部分の古典的注釈書として広く読まれた唐・円暉『倶舎論頌疏』(大正新脩大蔵経第41巻)のほうが論よりもわかりやすい解説をしている場合がありますので、覚えておくといいと思います。わたしは『倶舎論頌疏』に返り点と頭注をつけた『冠註講苑倶舎論頌疏』を利用しています。

 それでも読む気が起こらない、という場合は、せめて「分別世品」(分別世間品、世間品とも)というチャプターだけでも読んでおくと面白いのではないかと思います。ここに示されているのは典型的な仏教的世界像として、近代科学の導入によって完全に崩壊するまで、日本人をはじめ仏教徒が普通に信じていた世界観です。たとえば、

安立器世間 風輪最居下 其量広無数 厚十六洛叉

次上水輪深 十一億二万 下八洛叉水 余凝結成金

此水金輪広 径十二洛叉 三千四百半 周囲此三倍

蘇迷盧処中 次踰健達羅 伊沙駄羅山 朅地洛迦山

蘇達梨舍那 頞湿縛羯拏 毘那怛迦山 尼民達羅山

於大洲等外 有鉄輪囲山 前七金所成 蘇迷盧四宝

入水皆八万 妙高出亦然 余八半半下 広皆等高量

(中略)

 世間を分って有情世間と器世間の二種とする。器世間とは有情がその中に収まっている器としての自然世界、有情世間とは器世間の中に生きているもろもろの有情の総称である。その二種のうち、まず器世間を説く。

 器世間としての世界を支える最下底の基層は風輪と呼ばれる円盤状の大気の層である。その上に水輪すなわち水の層(水輪)が重なる。水輪の上層部は凝結して金の層(金輪)になっている。金輪の表面の中心に四宝から成る蘇迷盧(須弥山妙高)が聳える。その外側を七重にとり囲んで、踰健達羅から尼民達羅までの回墻状の七金山がある。(以下略)

仏典講座『倶舎論』119〜120、124〜125頁)例によって須弥山が登場するわけですが、これによって「金輪際」がどこにあるのかというのも了解されますね。この先をさらに読んでいくと、四洲の説明に入り、たとえばそれによって『海道記』の「北州ノ千年ハ、限ヲ知テ寿ヲ歎ク。南州ノ不定ハ、期ヲ知ズシテ寿ヲ楽シム」(四月十五日)がよく理解できるようになるなど、ともかく、ここら辺は熟読しておくべきです。

 定方晟『須弥山と極楽』(講談社現代新書)も大いに参考になるでしょう。地獄等の三界のありさまについては『往生要集』大文第一にも目を通しておく。

須弥山と極楽 -仏教の宇宙観- (講談社現代新書)

須弥山と極楽 -仏教の宇宙観- (講談社現代新書)

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9-11

真・初心者のための仏教講座(2)

| 12:00 |  真・初心者のための仏教講座(2)を含むブックマーク

 辞書を手にして仏典を読み始める段階に来ましたが、仏教哲学・世界観を学ぶためにはまずどの経典を読むのが良いのかといえば、それは『倶舎論』、正式には『阿毘達磨倶舎論』(唐・玄奘訳)から入門することになります。一種のファッションとして流行している『般若心経』でも良いと思いますが、やはり『倶舎論』から入るのが古典的な筋です。

 なにしろ、『簾中抄』――これは我が国の宮廷・後宮社会における必須知識を列記した書です――でも「倶舎いづくにもまづならふべし」(『倶舎論』はどの宗派でもまず学習すべきである)と言っているのですから。

 ちなみに、仏典は「経」「律」「論」の三つに分類されます。『心経』とか『華厳経』の「経」というのは、仏による説法を意味し、『四分律』や『十誦律』の「律」は戒律、「論」は解説書ということです。『倶舎論』は仏教入門(解説)書として長くその地位を保ってきました。

 『倶舎論』をさっそく読んでみることにしましょう。『大正新脩大蔵経』第29巻に収録されているのですが、多くの人はここで挫折しそうになります。なにしろ、漢字ばかりが並んでいるということで・・・。

 しかし、ここで少しパラパラと目を通してもらいたいのです。すると、本文中に改行されて漢詩(五言詩)のようなものがたくさん出てくることに気づきますよね。

 仏経の基本的な構造は(例外もたくさんありますが)、散文の部分と韻文の部分の組み合わせになっています。散文の部分を「長行」(じょうぎょう)と呼び、韻文の部分を「偈」(げ)とか「頌」(じゅ)と呼びます(偈は音写、頌は漢訳です)。『法華経』などもそうなのですが、実はこの二つの部分は内容的に対応していることが多いのです。『倶舎論』もそうで、

学説をきわめて圧縮した形で語る韻文の部分(「本頌」あるいは「偈頌」と呼ぶ)とそれを散文で解釈し広く論述する部分(「長行」と呼ぶ)とから成る

(桜部建『倶舎論』19頁)となっています。たしかに、韻文の直前には「頌曰」とあり、その頌の直後には「論曰」とあって解説がありますね。どこでもいいので任意の箇所を取り出してみると、

頌曰

  如是諸縁起 十二支三際

  前後際各二 中八拠円満

論曰。十二支者。一無明二行三識四名色五六処六触七受八愛九取十有十一生十二老死。言三際者。一前際二後際三中際。即是過未及現三生。云何十二支於三際建立。謂前後際各立二支。中際八支。故成十二。無明行在前際。生老死在後際。所余八在中際。(以下略)

(大蔵経48頁a-b)諦めずに頑張ってみましょう。わたしたちの御先祖はこれを頑張って読んだのです。たとえば「十二支」という語が頌に出てきます。これは何でしょう。いわゆる「えと」ではないことは明らかでして、『例文仏教語大辞典』の第二義に、

「じゅうにえんぎし(十二縁起支)」の略。

とあり、「十二縁起支」を見ると、

十二因縁の、無明以下の十二の一々。

と。つまり、(1)で挙げた「十二因縁」だということが判明します。「論」のところに、「十二支者。一無明二行三識四名色五六処六触七受八愛九取十有十一生十二老死」とあるのは、その「十二の一々」を列挙したものだということです。そして、この無明、行、識・・・有、生、老死については、『例文仏教語大辞典』の「十二因縁」項で既にそのままのかたちで見たことを思い出してください。

 『倶舎論』は古典時代の人にとっての仏教語辞典だったわけです。長い間尊重されてきたのも納得できます。

 『倶舎論』は有部(説一切有部)という宗派の教義・世界分析の集大成といった性格があるので、一般的な大乗仏教の概念や術語はこれだけではカバーできないというのも事実です。しかし、世界の成り立ち・その世界に住む有情が経験する輪廻のありさま・輪廻の原因である業(ごう)・その業の原因である煩悩・そしてその煩悩を断つありさま、という仏教の根本思想を説明するものとして、やはり出発点にふさわしい書だと思います。

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9-10

真・初心者のための仏教講座(1)

| 09:00 |  真・初心者のための仏教講座(1)を含むブックマーク

 過目抄でも呆れ気味にブクマした 404 Not Found | このページは存在しないか、すでに削除されています ですが、大袈裟にいえば、わが日本伝統文化の危機だとも感じました。そこで、がらにもないことですが、古典的な(最新の教義研究とは全く関わらないことをお断りしておきます)仏教理解がどういうものであったかということに関心をお持ちの方々向けに、必要最低限の道しるべを提供したく存じます。本当に口足らずな説明にしかなりません。

 仏教が宗教である以上、実践(信仰)と教義は不可分のものです。古典時代もそうでして、大きく分けて、1 法会・勤行、2 仏伝(および本生譚)・高僧伝・往生伝・霊験譚・寺社縁起、3 (宗派別の)経論研究、の3つの点において日本人は仏教に慣れ親しんでいました。わたしの当面の関心はスコラ的側面、つまり教義(「3」)にあります。ただし、ここでお話しすることは特定の宗派を称揚するものでも、排斥するものでもありません。当然のことながら、仏教信仰にいざなうものでもないということをご了承ください。わたしたちの先祖が、どういう世界観のなかに生きていたのかを知るための出発点を示すものに過ぎません。

 予告的にいえば、『倶舎論』を読むことから始まる、ということになります(『般若心経』や『大乗起信論』ではないことに注意)。しかし、そんなものいきなり読めるわけがありません。どの分野でもそうなのですが、門外漢を苦しめるのは、術語(専門用語)の難解さです。

 そこで必要になるのは辞書なのですが、仏教語辞典は相当な予備知識を求められるものが結構多い。わたしの座右にある(宝の持ち腐れの)天台宗の高僧が大正年間に出した辞書も、とても初心者が使うような代物ではありません。そこで、お勧めするのは『例文仏教語大辞典』(小学館)です。

例文 仏教語大辞典

例文 仏教語大辞典

 本書は「日本の仏教語に焦点をしぼった」もので、「文献をほぼ日本人の書いたものに限定し」たので、おそらくインド哲学系の方々には評判芳しくないでしょうけど、忘れてはいけないのは、われわれは近代以前までは漢訳仏典にほぼ完全に依存していたという事実です。わたしの経験でいえば、経論に出てくる主要な術語は本書で全てカバーされています。さらに、本書が重宝されるのは、一冊型であること(その割には情報量が多い)、そして、語義説明がわかりやすい点にあります。

 たとえば、「十二因縁」。

有情の生存を構成する要素である、無明・行・識・名色・六処(六入)・触・受・愛・取・有・生・老死の十二が、「これがあるとき、かれがあり、これがないとき、かれがない。これが生ずるとき、かれが生じ、これが滅するとき、かれが滅する」という相依相関の関係にあることを説くもの。(以下略)

 「有情」(うじょう)がわからなくても心配はありません。「有情」を引くと第一義に、

感情など心のはたらきを持っている一切のもの。人や鳥獣などの生き物。

 非常にわかりやすいですね。では「無明」とは何でしょう。

存在の根底にある根本的な無知をいう。真理に暗い無知のことで、最も根源的な煩悩。生老病死などの一切の苦をもたらす根源として、十二因縁では第一に数える。(以下略)

 このような調子の平易な説明なので、芋づる式に調べていくと、いつのまにか仏典が読めるような気がしてくるのが本書の長所です。

 あと、『例文仏教語大辞典』とは性格を異にしつつも忘れられない名著は『総合仏教大辞典』(法蔵館)ですが、これについての説明は省略します。

 [仏] - Cask Strength

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9-8

過目抄ブックマーク数1000突破

| 12:04 |  過目抄ブックマーク数1000突破を含むブックマーク

 はてなブックマーク - consigliereのブックマーク

 ついさきほど気付きました!結構あっという間でしたねぇ。

 今振り返ってみたら、去年の9月10日から始めていますから、ほぼ一年かけて1000+に到達したということになります。最初にブクマしたのは(練習を兼ねて)Google でした。懐かしいな・・・

はてなブックマーク - consigliereのブックマーク / 2009年9月10日

 あ、はてなスター付いていますねw

 ちょっとここで「タグ」を中心にブクマ遍歴を回顧してみようかと。まずは、タグ別ブクマ数ランキング。

  1. no title
  2. no title
  3. はてなブックマーク - photoに関するconsigliereのブックマーク
  4. はてなブックマーク - cuteに関するconsigliereのブックマーク
  5. はてなブックマーク - OMGに関するconsigliereのブックマーク

 youtube(286)、ネタ(154)、photo(117)、cute(114)、OMG(113)ということで、youtubeがダントツ。video(90)タグも大部分は Vimeo 等の動画投稿サイトへのブクマですから、過目抄の1/3強は動画で占められていることになりますね。ちなみに、ネタ・cute・OMG 等は youtubephoto タグとの親和性が高いタグですので、上位に来るのも当然でしょう。

 過目抄に紹介するサイトについては、わたしのなかでさまざまな基準があって、ニュースサイトに未言及の、誰もブクマしていない(もしくは1とか2の少数のユーザのみの)ものをなるべく取り上げるというのがそのうちの一つです。次は、わたしが最初期にブクマした後にユーザ数が伸びたものランキング。要するに、先陣争いでの手柄自慢ですがw

  1. はてなブックマーク - Vintage Ad Browser
  2. はてなブックマーク - Lyrics Training - Improving your foreign languages skills
  3. はてなブックマーク - Colours In Cultures
  4. はてなブックマーク - YouTube - 1 million fps Slow Motion video of bullet impacts made by Werner Mehl from Kurzzeit
  5. はてなブックマーク - Pixar Intro Parody - CollegeHumor video

 最新の情報をお届けする準ニュースサイトの過目抄を今後もよろしくお願いいたします。

 さて、そのなかにあって、「これはもっと世間に知られていい」と思うものもかなりあります。だいぶ前にブクマしたもののうち、まだ1〜2usersしかついていなくて、捨てがたいものを一部再掲。

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9-7

魔法千字文

| 17:31 |  魔法千字文を含むブックマーク

 暑かったですけど、今日は漢文大系『左氏会箋』を手に入れることができたので心地よい汗でした。

 さて、雑談を通じて初めてこの存在を知りましたよ。面白いのでみなさまも元記事を御覧になってください。

 ハングル文字を重視してきた韓国で、静かに“漢字復活”の動きがある。楽しみながら漢字を学べる小学校低学年向けの学習マンガ『魔法千字文』シリーズが大ヒットしているのだ。漢字の魔法を武器に主人公のソン・ゴクウ孫悟空)が大暴れするストーリーが人気で、既にテレビアニメ化も決まった。

 戦う相手を小さくするには「小」、火で攻めてきた相手には「風」。一つ一つの漢字を魔法の呪文として使い、サル族のボス、ソン・ゴクウが次々と怪物や悪党を倒していく。主人公を応援しながら読み進むうちに自然と漢字の意味や読み方を覚えられるのが、『魔法千字文』シリーズの特徴だ。

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201008300100.html

 いろいろと思うところが出てくる記事でして、「韓国にはなかった「学習マンガ」という新しいジャンル、市場も生み出した」というのも興味深いのですが、「火で攻めてきた相手には「風」」というのはちょっと危険な知識を教えているようで不安になりますw(赤壁の戦いじゃないんだから・・・) 生活の知恵としても、五行相克説としても、火には「水」で対処してほしいw

 それにしても『魔法千字文』に慣れた韓国の子どもたちが本家の『千字文』を見たら面食らうのではないでしょうか。

f:id:consigliere:20100907173011j:image:left

 (清原家に伝来した『纂図附音集註千字文』) 冒頭の「天地玄黄」というのが『千字文』の本文で、小さい字で「易云、天玄而地黄。言、天之色玄、地之色黄也・・・」とあるのは注です。古典時代の人にとって『千字文』は単なる習字のお手本なのではなく、このような注を通じて基礎的な知識も得ていたということになります。

xuetuixuetui 2010/09/08 08:45  初めまして、『千字文』に関心を持っている者で、「はてな」キーワードをたどって参りました。よろしくお願いいたします。
 さて、韓国の『魔法千字文』、すごいですね!以前、韓国人の友人から、漢字練習教材としての『千字文』(韓国漢字音も学べる)を見せてもらったことがありまして、感心した覚えがありますが、時代がここまで来ているとは知りませんでした。面白い情報、ありがとうございました。
 過去のエントリも拝見しました。中国書もお読みとのことなので、今後とも拝読します。では、失礼します。

consigliereconsigliere 2010/09/08 10:29  xuetuiさん、コメントありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします!
 わたしは残念ながら漢語の音韻については無知なので、漢籍を読む際の呼吸といいますか、リズムや音感に無頓着なまま今に至ってしまいました(千字文だって韻文なのに・・・)。xuetuiさんの日記で少しでもそれを体得できれば、と思います。

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9-6

本棚メモ

| 16:57 |  本棚メモを含むブックマーク

 『てにをは辞典』は、わたしが普段から重宝していて、単にぼーっと眺めるだけで楽しい(「どういう文脈でこれらの言葉が結合するのだ?」)連語辞典『究極版 逆引き頭引き日本語辞典』(asin:4062562251)と同じ著者なので、(財布との相談ですが)買ってみようかと。

 『定家 早率、重早率、十題百首 注釈』も、今まで注釈がほとんどなかった百首歌に注がなされたということになりますね。

てにをは辞典

てにをは辞典

絶対製造工場 (平凡社ライブラリー)

絶対製造工場 (平凡社ライブラリー)

定家 早率、重早率、十題百首 注釈 (研究叢書)

定家 早率、重早率、十題百首 注釈 (研究叢書)

山東京伝 黄表紙の世界 「京伝に遊ぶ」

山東京伝 黄表紙の世界 「京伝に遊ぶ」

数になりたかった皇帝――漢字と数の物語

数になりたかった皇帝――漢字と数の物語

碧巌録の読み方

碧巌録の読み方

昭和・平成 禅僧伝 臨済・黄檗篇

昭和・平成 禅僧伝 臨済・黄檗篇

経験としての芸術

経験としての芸術

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9-5

小倉2歳S 新潟2歳S・結果

| 17:36 |  小倉2歳S 新潟2歳S・結果を含むブックマーク

 今年はあまり2歳戦線をフォローしていないので、誰が強いのかよくわからないのですが、ディープインパクト産駒とディープの全弟にあたるオンファイア号の産駒の初年度なので、普段は競馬に関心のない人たちも注目してみると良いと思います。今回も新潟でディープ産駒2頭と小倉でオンファイア産駒が1頭出ていました。

 さて、まずは小倉。

   1 (1)ブラウンワイルド

   2 (2)シゲルキョクチョウ

   3 (9)スギノエンデバー

   4 (11)トキノゲンジ

   5 (5)テイエムターゲット

天候:晴 芝:良

優勝タイム:1.08.7(以下、ハナ・1/2・2 1/2・1/2) ハロンタイム:11.8 - 10.4 - 10.9 - 11.6 - 11.9 - 12.1 上がり3F:35.6

 「先行馬が強い」というのが定説の本レースでシゲルキョクチョウが絶好のスタートで主導権を握り、最後の直線でも後続に3〜4馬身。フェニックス賞でもこんな感じで逃げ切っており、これはセーフティリードだろうと思っていたら、外を回ってきたブラウンワイルドがスギノエンデバーを連れて驚異的な末脚で追い込み。最後の数十メートルで突然脚色がおかしくなったシゲルキョクチョウをゴール板でとらえてハナ差の勝利!これはちょっとすごかった。おめでとう〜。前走完敗の雪辱を晴らしました。父ワイルドラッシュ、母父ヤマニンゼファーという高速血統。

 僅差で敗れたシゲルキョクチョウが、実は、上述したオンファイア号の仔です。競走馬としての成績は兄と比べたら雲泥の差ということになってしまいましたが、種牡馬として兄を凌ぐ活躍をして血統表に永遠に名を残したいでしょうね〜。

 新潟。こちらは外回りになって以来だいたい差し馬が上に来るのですが、もう少し速く流れてほしかったエーシンブランとかは苦しそうでした。

   1 (9)マイネイサベル

   2 (10)マイネルラクリマ

   3 (5)レッドセインツ

   4 (4)エーシンブラン

   5 (11)デラコリーナ

天候:晴 芝:良

優勝タイム:1.34.5(以下、クビ・3/4・1 1/2・クビ) ハロンタイム:12.9 - 11.0 - 12.1 - 12.3 - 12.0 - 11.4 - 11.1 - 11.7 上がり3F:34.2

 というわけで、スムーズな競馬をして直線で良い脚を長く使った伏兵マイネイサベルが、内側で粘った僚馬マイネルラクリマを差し切って優勝。水野貴広厩舎からは初の重賞馬誕生、というか、水野師は騎手時代を含めて重賞初制覇ですね!今夜の酒は感涙でしょっぱいことでしょうw 本当におめでとう〜。マイネイサベルはメガスターダム号の姪にあたります。父はテレグノシスメガスターダム、懐かしいな。

 3着レッドセインツはディープ産駒。血統表を眺めていると、近親にハーツクライ号がいて、なにやら浅からぬ因縁を感じます。

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9-4

「初」は「ころもへん」ではない、という無粋なツッコミ

| 00:16 |  「初」は「ころもへん」ではない、という無粋なツッコミを含むブックマーク

 まず、誤解がないようにはっきりさせておきたいのは、我が首相の字は下手だということです。それを述べた上で、こういう指摘はどうなの、と思う点を一つ。

 これに対し首相は「初心を貫く 平成二十二年九月二日 菅直人」と記した。

 もっとも首相は「初心」の「ころもへん」の点を入れ忘れ、「しめすへん」になってしまった。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100903/plc1009030137001-n1.htm

 「初」の字は、『康煕字典』は言うまでもなく、『説文解字』の時代から「ころもへん」ではなく、「りっとう」(かたな)扱いなのですが。

 ついでですけど、楷書でなければ(楷書のなかにも「しめすへん」のようなものはありますが)「初」にもいろいろなかたちがあるということを架蔵の『書道大字典』(角川書店)は教えてくれます。

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 だからといって、首相の字を擁護するというわけではないということは念を押しておきます。

 参照: 活字体のように書く必要はあるのか――「結」の場合 - Cask Strength

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9-2

柿の七徳――柿太郎・続報(4)

| 16:25 |  柿の七徳――柿太郎・続報(4)を含むブックマーク

 9月だというのに・・・。史上稀に見る酷暑のなか水やりが欠かせませんが、実はもうここまで育っています。

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 後ろにいるのが友人の柿助。

 ところで、柿の樹には七つの徳があるというのはご存知でしょうか。

俗謂柿樹有七徳。一寿。二多陰。三無鳥窠。四無蟲。五霜葉可翫。六嘉実。七落葉肥大。

(太平広記巻411所引『酉陽雑俎』)――「俗に、柿の樹には、ずばぬけた長所が七つあるという。一は、寿命が長い。二は、日蔭が多い。三は、鳥の巣がない。四は、虫がつかない。五は、霜葉が鑑賞できる。六は、果実がよい。七は、落ちた葉が肥えていて大きい。」(今村与志雄氏訳)

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