「さてさてこの野州はやういかり参らせたよ」

 某研究所から某資料館のほうに抜ける道にシモツケが咲いていました。


 もうシーズンは終わりかな。「草の花は・・・しもつけの花」(『枕草子』)。和歌にはほとんど出てこないですけれども。
 それにしても「和名は下野国に産したことに由来する」というのは本当ですか。『醒睡笑』の笑い話みたい。

奉公する人の問ふやうは、某がたのみたる殿を下野といふ者もあり、野州といふやからもあり、いづれがよいぞや。どちも大事なしと、大いに合点せしが、ある座敷に出てて、しもつけの花のいけたるを見つけ、きつと手をつき、さてさてこの野州はよういかり参らせたよと。

(『醒睡笑』巻三「不文字」 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1186672/59