呂律 / a mode distinction Twitter

2014-09-27

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年内に訳書が刊行されるニクラス・ルーマン(1991)『リスクの社会学』販促イベントとして、訳者である小松丈晃さんと科学社会学会大会に参加します。セッション名は「ルーマンのリスク論」とかそんなのになるはず。

開催日は 9/27 or 9/28。会場は本郷

詳細は主催者アナウンスを待て。


関心のあるかたは予定を空けておいてくださいね。

[] 第三回科学社会学会年次大会  第三回科学社会学会年次大会を含むブックマーク  第三回科学社会学会年次大会のブックマークコメント

プログラムが公開されたので 報告要旨を掲載しておきます。

9月27日(土)15:50−17:50 セッション3です。

ルーマンリスク再考

報告要旨

小松丈晃「ルーマン『リスクの社会学』の基本的視角とその展開可能性」

ルーマンの Soziologie des Risikos (1991)(『リスクの社会学』)が刊行されてすでに20年以上が経つ。もちろん内容的にすでに古さを感じさせる箇所もないわけではないが、本報告では、「3.11」以後、より言及されるようになった彼の「リスク論」の基本的視角とその展開可能性を――本書の日本語訳が刊行されるのを機に――あらためて見定めておきたい。

「リスク/危険」という独特のリスク概念の定義はすでに周知のとおりだが、逆に言えばこの本は、この概念定義の紹介(と批判)という脈絡でのみ引き合いに出されるケースがきわめて多かった。しかしいま必要なのは、このレベルでの議論を出発点にしてもう少し多様な議論の方向性を探り出すことである。

彼のリスク論の基本的な特徴の一つとして挙げられるのは、何らかの特殊テクノロジーや科学(という機能システム)とのみ、すなわち全体社会の特別な部分領域とのみ「リスク」を結びつけて考えるのではなく、近代社会を形作ってきた基本的な構造――すなわち機能分化――そのものとリスクを関連づけている点である。したがって、このように機能分化に焦点を置いた社会システム理論をベースにしていることで、機能システム(とりわけ政治、科学、法、経済)や組織ごとの固有のリスク処理やこうした固有のリスク処理が連動することによる副次的帰結を問うことができる。

言い換えれば、問題の源泉をある特別なテクノロジーに(のみ)求めるのではなく近代社会の構造そのものに見いだすという立場をとり、また、問題解決道筋を考える局面でも、たとえば「倫理」や「信頼」や「社会的合理性」に期待を寄せる議論を退け、この点でも他の論者との違いが際立っている。本報告では、『リスクの社会学』を中心にして、これらの基本的な特徴(とその限界)を踏まえつつ、これまであまり触れられてこなかったその展開の方向性について、考察してみたい。

井口 暁「ルーマン・リスク論における二種類の「危険」と「コンフリクト」」

本報告の目的は、N・ルーマンのリスク論において(暗黙に)想定されている二種類の「危険」と二種類の「コンフリクト」をそれぞれ明確に区別することが彼の議論を理解するためにも、「ポスト3.11」の日本の状況について考えるためにも重要であることを指摘することにある。

ルーマンはリスク論の中核概念として「リスク/危険」の区別を提起し、損害可能性が「自己(の決定)」へと帰責されれば「リスク」、自己が干渉できない外部の環境の要因へと帰責されれば「危険」が観察されると規定した。しかし、「危険」はさらに、人間が干渉できない諸要因(例えば神、運命自然)へと帰責される「外的危険」と、抗議運動等によって干渉できる「他者の決定」に帰責される「人為的危険」とに区別されうる。両者を区別することで、第一に、ルーマンの矛盾した洞察、即ち「リスク社会では「(外的)危険」は減少し「リスク」が増加する一方、リスクの増加に比例して「(人為的)危険」は増加する」という洞察が理解可能になる。第二に、なぜリスク社会ではカタストロフィへの不安や抗議運動が爆発するのか、という主題に、ルーマンが「人為的危険」の概念を通じて回答していることも明確になる。「他者に起因する点で理不尽だが、決定に起因する点で自らの行為を通じて干渉・回避可能」だからこそ、不安の表明や抗議運動が意味をもつのだ。

以上の論点に加えて、ルーマンの議論では、決定へと帰責される損害可能性(リスク)の評価と受容/拒否をめぐる「リスク評価コンフリクト」と、損害可能性がそもそも何/誰のせいで引き起こされるのか、それはリスクなのか危険なのか、という原因帰属をめぐる「帰属コンフリクト」の二つが示唆されている。従来の研究では前者が注目されがちだったが、福島原発事故の原因と責任所在に関する社会的論争が勃発している「ポスト3.11」の状況では特に後者に注目することが重要である。

関谷 翔「決定への帰属と科学的助言」

ルーマンによるリスク論のなかで最も重要なメリットは、彼自身の指摘に従えば、帰属概念が適用できるようになることである(Luhmann 1991: 34–35)。従来、リスク論は例えば典型的には「How safe is safe enough?」といった常套句に示されているとおり、ある物事がどのくらい安全/危険であるか、そしてそれにもとづく決定という観点に傾倒する傾向があった。そこに、「ある物事が誰によってどのように安全/危険の相で捉えられ、それにもとづく決定がなされている」と観察されているかという形で、あるネガティブな物事が誰の決定に帰属されるかに焦点を当てたということである。こうした帰属はある物事それ自体性質から決まるものではなく、人々がどのように観察しコミュニケートするかによって構成されるものであるとされる。

一方、特に2011年に発生した東北地方太平洋沖地震と福島第一原子力発電所事故以降、諮問機関である審議会等のあり方や行政に対する科学的助言のあり方を再検討する動きが活発化しているように見受けられる。

そこで、本発表では、ルーマンのリスク論の焦点である決定への帰属と行政に対する科学的助言という営為との関係について若干の考察を試みたうえで、主にルーマン著『リスクの社会学(Soziologie des Risikos)』第11章「そして科学は?(Und Wissenschaft?)」での議論を踏まえ、リスクをはらむ問題をめぐっての行政に対する科学の関与について検討する。

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