ルーマン(1965→1989)『制度としての基本権』

制度としての基本権

制度としての基本権

[まえおき]
  • 第1章「分化した社会秩序における政治システム」
    • 第2章「法ヒエラルヒーおよび国家と社会の区別」
    • 第3章「基本権の自然法的基礎づけと精神科学的基礎づけ」
[基本権]
    • 第4章「自己表出の個人化:尊厳と自由」
    • 第5章「行為態度予期の安定化:コミュニケーションの自由」
    • 第6章「欲求充足の貨幣換算:所有権と職業」
    • 第7章「支配の民主化:政治的選挙権」
    • 第8章「国家的決定の根拠付け:法の下の平等
[まとめ]
  • 第9章「社会的分化の理論」
  • 第10章「社会学と基本権ドグマーティク」

pp. 11-12.
原文確認のこと。「統一的な学問的テーマを貫流し、」って意味不明だな。

 一般的な状況がこのようなものであってみれば、近代国家に関する統一的な学問的テーマを貫流し、経験とドグマーティク、行動科学と〈理解〉的意味科学とを区別している溝を埋めるところから始めることは、やり甲斐のある仕事だというべきであろう。その場合、純粋に折衷主義的な手続きや方法論的混淆主義の外見を呈するいかなるものも厳に避けられねばならない。戦線を紛糾させることによって売るものは何もないからである。このような企図は、
  1. その出発点と
  2. 問題設定と
  3. 概念的準拠枠と
が十分に精確に示された場合にのみ、成功を収めうる。それゆえ我々は包括的な綜合という道を取らない。我々が取るのは、理解可能で吟味可能でありたいと願う例示的分析の道である。
 
  • 出発点: 政治システムの社会学
  • 問題設定: ドグマーティッシュな国家学の直接的対象たる問題(=基本権という制度)
  • 概念的準拠枠: 制度