じじぃの「科学・芸術_47_ハリー・ポッターの魔法世界・ほうき」

Harry Potter and the Firebolt broom Scene 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=b52IDbWpzEU
Malleus Maleficarum, 1487

ハリー・ポッターに出てくる箒、ファイアボルトってシリウスが使ってたのでニンバス2000よりも古いんですか? 2013/9/4 Yahoo!知恵袋
回答
・ファイアボルト(炎の雷)
1993年、500ガリオンで発売。(約435000円)、元はレース用に開発された箒で、10秒で約240Km/hまで加速可能。ダイアモンド硬度の研磨仕上げ(何でも魔法で仕上げてしまい、マグル流の技術を馬鹿にする、あるいは勘違いする傾向の強い作中魔法世界で、なぜこのようなマグルの職人芸に近い製法にしたのかは謎)による、すっきり流れるような形状の最高級トネリコ材の柄に、固有の登録番号が手作業で刻印されている。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11112947496
ハリー・ポッターの魔法世界ガイド』 アラン・ゾラ クロンゼック、エリザベス クロンゼック/著、 和爾桃子/訳 早川書房 2001年発行
ほうき Broomstick (一部抜粋しています)
魔女ほどほうきを愛する者はいません。ファイアボルトを愛してやまないハリーに免じて、この説明に魔法使いを含めていいでしょう。史実では、ほうきで空を飛んだと報告されているのはまず全員といっていいほど女ですが、たまに魔術師や魔法使いが空を飛んだといわれる場合、熊手(くまで)に乗るほうが普通なんですって!
今日(こんにち)よくあるイラストで魔女のおでかけといえばほうきがお約束ですが、昔からそうとは限りません。およそ1450年から1600年まで、魔女の魔力が実在するとヨーロッパじゅうが信じて疑わなかったころ、杖やシャベルやほうきだけでなく、雄ヤギ、去勢牛、羊、犬、狼などにまたがった魔女が深夜の集会めざして空を飛んだのでした。ほうきが定番におちついたのは、家事が昔ながらの女の役割だったからではないかという学者もいます。
おなじみの民話はかなりの部分がプロの魔女狩り人の手で作られ流布(るふ)されたものですが、それによると魔女は家の出入りに煙突を使うとか。いったん宙に浮いてしまえば、飛ぶのはわりと簡単だといいます。
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はたして魔女は本当に空を飛べるのか、学者や宗教界の権威筋がこの問題をめぐって真剣に議論を戦わせ、ことに魔女狩り時代は白熱しました。もっとも広くお手本にされた魔女の見つけ方と罰し方の手引書『マレウス・マレフィカルム』(1486年)によると、魔女が空を飛ぶのはまごうかたない事実だと伝えています。ひとつには、おおぜいの女が空を飛んだと自白し、腕前のほどをとくとくと話す者さえいたとか。さらに、聖書のマタイによる福音書のあるくだりに、空を飛んでイエスを運ぶサタンの力が描かれています。その悪魔がかりにイエスを飛ばせたのなら、自分に仕える魔女たちに飛ぶ力を与えるくらい朝飯前だと指摘する教会人もいました。かと思うと、飛ぶという考えを物理的に無理だとしりぞけ、悪魔は女たちの頭に妄想をつめこんで、飛んだと思いこませているだけだといいはる学者もいました。
もっと科学的に考える人びとがさらにべつの説明をしました。魔女たちは飛行のため、あらかじめほうきと自分の身体に、庭でとれたいろんな薬草(ヒヨス、マンドレイクトリカブトベラドンナなど)でできたある特殊な「飛行軟膏」をすりこむ。実地に飛行軟膏を試してみた16世紀の医師たちは、軟膏に含まれる強力な化学成分が皮膚から体内に入り、深い催眠効果と幻覚――空を飛ぶ。目くるめく感覚も含めて――をおよぼすと発見しました。その説明によれば、「飛んだ」と信じる魔女たちは、実は台所で眠りこけており、目がさめりと空を飛んだすばらしい感覚がありありと残っているが、それはたんなる夢の中のできごとだ、ということです。