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著作権保護期間の70年延長に反対
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2015-07-13

JSTの複写サービスが終了

科学技術振興機構JST)が複写サービスを来年の2月末で終了する。

【重要】JST所蔵資料複写サービスの終了に関するお知らせ

http://jipsti.jst.go.jp/copy_s/new/info20150615_1.html

JSTは科学技術文献データベースの作成などのために科学技術雑誌や学会論文集などを収集しており、それを元に、主に企業を対象に複写サービスを行ってきた。

2015年度料金表:JST所蔵資料複写:文献情報提供サービスサイト:JST科学技術振興機構

http://jipsti.jst.go.jp/copy_s/copy.html

自分が企業内図書室の担当者だった頃(もうそれも10年以上前になるのだが)毎日のようにJSTに複写依頼を出していた。

その昔、国会図書館のサービスが非常に使いにくかった頃は、JST(当時はJICST 科学技術情報センターだった)の方が便利であり、サービスも良かったので、まずはJSTの所蔵を確認していた。

そのサービスが終了するのは、正直ショックだ。

複写サービス終了後、JSTが現在所蔵している資料がどうなるか、非常に気になるところだが、案内の中に書かれていた。

尚、JST所蔵資料複写サービスの終了に伴い、JSTが所蔵する資料は可能な限り、他の公共機関等へ移管することで、引き続き、有効活用できるよう進めて参る 所存です。

【重要】JST所蔵資料複写サービスの終了に関するお知らせ

ここは是非、神奈川県立川図書館にも移管をしてもらいたいところだ。

神奈川県立川図書館は社史のコレクションで有名であるが、科学と産業の情報ライブラリーとして、神奈川県内だけ限ること無く、科学技術情報の提供を行っている。JSTの資料を引き継ぐのにふさわしい図書館だと思う。

神奈川県立川図書館ホームページ

http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/kawasaki/index.html

収容スペースの問題はあるが、過去には日本化学会から日本化学化学図書・情報センターの蔵書を移管されたこともある。

日本化学会所蔵書籍の移管先について(ご案内)/日本化学

http://www.csj.jp/library/ikan-kawasaki.html

今回も何とかして、JSTの資料を引き継ぐべく手を挙げて欲しい。


なお、JSTから科学技術文献データベースを引き継ぎ、JDreamIIIとしてサービス提供を行っているジー・サーチが、ドキュメントデリバリーサービス会社のサンメディアと提携して複写サービスを拡充するとのリリースも出ている。

JDream?からのドキュメントデリバリーサービスを大幅に拡充「JDream?複写サービス」を7月13日から提供開始 〜国内初、幅広い学術文献を入手できる文献情報提供プラットフォームに〜:株式会社ジー・サーチ

http://www.g-search.jp/release/2015-07-13-000507.html

JDreamIII複写サービス開始のご案内 - 【SUNMEDIA】サンメディア学術情報サービス

http://www.sunmedia.co.jp/modules/bulletin0/article.php?storyid=231

2015-07-09

時間が解決する問題を解決するために将来に禍根を残すという選択

この記事を読んで、久しぶりにこのブログに書きたくなった。

日本に戦時加算10年、著作権「不平等」解消へ : 経済 : 読売新聞YOMIURI ONLINE

http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150708-OYT1T50224.html

戦時加算というのは、太平洋戦争の戦時下において、日本が当時の対戦国の著作権を保護しなかったために、戦争期間中の日数を保護期間に加えると言うものだ。

文化審議会 著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第7回)議事録・配付資料 [資料8]−文部科学省

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07091009/006.htm

この資料によると、サンフランシスコ平和条約の締結国でベルヌ条約に加盟していた国の戦時中に既に創作されていた著作物について、日本国内においておよそ10年程度保護期間が加算されるというものだ。

サンフランシスコ平和条約1952年なので、既に63年が経過している。

日本において、著作権の保護期間は現在は著作者の没後50年なので、戦時加算が影響を及ぼす著作物はまだたくさん残っていると思う。

しかし、いずれは戦時加算されている著作物著作権も消滅する。

この「不平等」は時間が解決する問題だ。

一方で著作権保護期間の延長は、時間が解決する問題では無い。

著作者の没後50年から没後70年に一度延長すると、保護期間を短縮するという法改正を行わない限り、その影響は続く。

TPPで保護期間を70年と定めてしまえば、TPPから脱退しない限りそのような法改正は行うことができないので、半永久的に保護期間延長の影響は続くと言っていいだろう。

そもそも、戦時加算を補ってもあまりあるだけの保護期間を延長にするのだから、戦時加算がどうのこうの言う前に、著作権保護期間の延長を行うべきか否かのポイントに絞って考えるべき問題だ。

保護期間延長については、これまでも文化審議会著作権分科会で議論が行われてきたが、結論はまだ出ていない。

結論が出ていない状況で、仮に延長した場合その影響が半永久的に継続するようなことについて、時間が解決する問題とのバーター取引の材料として使うことは、愚の骨頂だ。

仮に、著作権保護期間の延長を行うのであれば、「戦時加算」の解消とは切り離して、保護期間の延長を行う必要性が本当にあるのかどうかについて国民的議論を行って、その上で延長することが望ましいと言う結果が出た上で行うべきであって、外交交渉のバーター取引として行ってならない。

再度言うが、時間がいずれ解決する問題を解決するために、将来、半永久的に禍根を残すような判断をするのは、愚の骨頂である。

2015-02-14

神奈川県が平成27年度予算案に「県立図書館再整備調査費」を計上

昨日神奈川県の平成27年度当初予算案等の概要が公表されました。

平成27年度当初予算案等の概要 - 神奈川県ホームページ

http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p878551.html

平成27年度当初予算案の概要 [PDFファイル/3.71MB]

http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/750313.pdf

当初予算案に「県立図書館再整備調査費」として568万円が計上されました。

PDFの50ページ目(ノンブルでは48ページ)に記載されています。

県立図書館新棟の整備に向け、建築計画の検討や、民間資金の活用等について予備調査を行う。

http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/750313.pdf

とのことです。

「県立図書館新棟」との記載ですので紅葉ヶ丘の再整備の調査費と思われますが、県立川崎図書館についての調査も行われるのでしょうか?

この予算の使い道について、詳しく知りたいところです。

2014-11-17

図書館の本の貸出の法的根拠

久しぶりに著作権貸与権)について書いてみます。

ポット出版プラス電書という紙の書籍に電子書籍がついてくるサービスについて、それを図書館がサービスとして提供できるかについて、書かれています。

プラス電書でつけた電書を電子図書館にいれられるか? | ポット出版

http://www.pot.co.jp/diary/20141116_191605493934514.html

基本的には、同意するのですが、「図書館の本の貸出の法的根拠」について書かれているところで

図書館学著作権に詳しい人に突っ込まれたい)

プラス電書でつけた電書を電子図書館にいれられるか? | ポット出版

とあったので、少し書かせていただきます。

沢辺さんは

図書館図書館法の

「「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。」が根拠なんじゃないかな? 

プラス電書でつけた電書を電子図書館にいれられるか? | ポット出版

と書かれています。

これは図書館法第3条で定められている

おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。

図書館法

の後に掲げられている事項の1番目の事項です。

この図書館法第3条に基づいて貸出サービスを行っているというのは多分正しいでしょう。

しかし、注意しなければならないのは、第3条は義務ではないこと。

図書館に貸出サービスが義務づけられているのであれば、多分著作権法図書館法との調整のための規定が定められるのではないかと思います。

では著作権法の方を見てみると、著作権支分権の一つに貸与権が定められています。

貸与権

第二十六条の三  著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。

図書館での貸出サービスはまさにこの「貸与により公衆に提供する」に該当します。

この「貸与により公衆に提供する」行為は著作権者にだけ認められているので、この条文だけを読むと、著作権者ではない図書館は貸出サービスを行うことはできません。

しかし、この貸与権にはその権利の及ばない範囲があります。

それが定められているのが以下の条文。

営利を目的としない上演等)

第三十八条

4  公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。

営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を享者から料金を受けない場合」であれば、著作権者の許諾をえること無く、貸出サービスを行うことができるのです。

著作権法的には、図書館の貸出サービスの根拠は「営利を目的とせず」「料金を受けない」貸出である、と言うことです。

注意していただきたいのは、「営利を目的とせず」「料金を受けない」貸出を行う上で、図書館であるか無いかは条件にはなっていないと言うことです。*1

つまり、図書館であるから貸出サービスを行うことができる訳ではない、ということです。

図書館であろうと無かろうと、「営利を目的とせず」「料金を受けない」のであれば、著作権者の許可を得ること無く貸出サービスを行うことができるし、図書館であっても、営利を目的とした貸与、営利を目的としていないが料金を受ける貸与は、著作権者の許諾を得ないと行うことができないのです。

繰り返しますが、著作権者の許可を得ること無く貸出サービスを行う上で、図書館であるかないかは関係無いのです。*2

これらのことは、大分前に下記エントリーで挑発的に書いていますが、図書館に関わる方たちの中で、どのくらいの方がこのことを認識されているのでしょうか?

大きく変わった「図書館無料の原則」の意義 - Copy & Copyright Diary

http://d.hatena.ne.jp/copyright/20080211/p1


「森の図書室」について

これに関連することで、少し前に山本一郎氏が次の記事を書かれていました。

飲み屋だって図書館やってもいいじゃないかという新しいムーブメントを考える(訂正あり)(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20140822-00038489/

その中で、私の過去のエントリーを参照しつつ、「森の図書室」という会員制の貸出サービスについて検証されています。

そしてこの「森の図書室」が図書館法の私立図書館に該当するかどうかについても検証されていますが、これまで述べたように、図書館法の図書館であってもなくても、貸出サービスを行う上では何の影響もありません。

ただ単に、「営利を目的とせず」「料金を受けない」この2つの条件を満たしているかどうかだけを判断すればいいのです。

山本氏が参照された私の過去のエントリーは、このうちの「料金」の解釈についての政府見解を紹介したものです。この政府見解の中図書館法の私立図書館が云々という記述を私が紹介していたために、山本氏は「森の図書室」が図書館法の私立図書館であるかないかにこだわったのかもしれませんが、「森の図書室」の貸出が営利目的なのか、料金を受ける貸出なのか、この2点について検討すればいいと、私は思います。

*1:なお、映画の貸与に関連しては、政令において図書館法の図書館であることが条件の一つとなっています。

*2著作権法第31条の図書館等における複製等の権利制限は複製権の権利制限であって、貸与権の権利制限ではありません。

2014-08-07

神奈川県立図書館・県立川崎図書館が「県立の図書館の基本理念」を公表

神奈川県図書館・県立川図書館が本日「県立の図書館の基本理念」を公表した。

県立の図書館の基本理念神奈川県立の図書館

http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/common/about_rinen.htm

短い文章なので、全文を転載する。

神奈川県立の図書館

「知」を集積し、新たな「知」を育む「価値創造」の場として、

神奈川の文化と産業の発展、社会づくりに寄与します。

県立の図書館の基本理念:神奈川県立の図書館

文化の発展だけでは無く「産業の発展」を掲げているのは、「社会・人文系リサーチライブラリー」である神奈川県図書館と「科学と産業の情報ライブラリー」である神奈川県立川図書館の2館体制の基本理念としてはふさわしいものだと思う。

県立図書館の機能再編、県立川図書館の移転に際しても、この基本理念を踏まえたものにして欲しいと思う。